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ヒマラヤスギ雑記

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推理小説

大昔に高田馬場のイタリア語会話教室に通っていた。そこでイタリア人の女性の先生が「どういう本を読みますか」という質問をして、それに答えるという練習をしたことがあった。私は推理小説が好きなので、それをイタリア語でどういうのか知らなかったので、教えてもらったのがLibro giallo。 Libroが「本」で、gialloは「黄色」なのだが、gialloが本libroの後ろにきてLibro gialloで「推理小説」となるそうだ。憶えている数少ないイタリア語の一つである。やっとのことで「私は推理小説を読みます」と答えると、彼女は「推理小説を読むことは読書とは言わない。あれは、エンターテインメントだから。」と言ったこともよく憶えている。それ以後、「推理小説」を「読書」の文脈では言わないように無意識に気をつけるようになってしまった。気にしすぎだとは思うけれど。
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(黄色つながりで、蜜柑)
突如大昔のイタリア語を思い出した理由は、来月12月は私にとってLibro gialloのシーズンだから。なぜか11月、12月には好きな作家の日本語訳が出ることが多かった。偶然本屋をうろついていて手に取ったパトリシア・コーンウェルの『検屍官』シリーズの新作を読み始めたのもいつもそのぐらいの時期だった。そしてここ数年の12月のお楽しみはジェフリー・ディーヴァーの『リンカーン・ライム』シリーズと、『キャサリン・ダンス』シリーズの新作である。ディーヴァーの作品は分厚くて、読み応えがある。さらっと読めないので、ずっとドキドキしながら話を追わなくてはいけない。少しずつ残りページが減ってくると、ついに犯人にたどり着ける喜びと、このスリルがもうすぐ終わってしまう寂しさが同時にこみ上げてくる。こういうタイプの本は、年末のテレビの特番に興味のない私にとっては、年越し最大のエンターテインメントである。今年の年越し用の一冊をそろそろ本屋に探しに行こう。




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昨晩のJINでは、野風が咲に宛てた手紙の内容が心に残る。野風の外面の強さは、繊細な内面を隠すため。仁との出会いで野風の隠れていた内面が、溢れようとしている。「所詮、私は籠の中の鳥」「あなたは自分の足で好きな人のもとへ行ける」「私の代わりに先生を守って欲しい」彼女は、同じように仁に惹かれている咲なら信用できると手紙を託す。咲は、助けたくても助けられない野風のためにも懸命に仁を探し、間一髪で刺客から救い出す。野風が刺客のことを教えてくれたと、きちんと仁に告げる。咲はいい子だな。慣れない手つきで書かれた仁からのお礼の手紙を、本当に嬉しそうに抱きしめる野風。吉原の門の袂に植えられたタンポポは、野風の部屋にあったものだろうか。せめてワタボウシが門を越えて仁の許へ届きますように。
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by himarayasugi2 | 2009-11-16 17:44 | 本など | Comments(0)
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