TVはニュース以外だと、ドラマを時々見る。ドラマは面白そうなものだけ観ている。秋のドラマでは現在のところ、『JIN』、『相棒』、『外事警察』はチェックしている。話題の『不毛地帯』は、二、三回目くらいでリタイヤしてしまった。
私はもう『不毛地帯』を全然観ていないが、夫はなんとなく観ているよう。私が観なくなった理由は、暗いから。狙った「暗さ」でなくて、結果として「暗くなっちゃった」暗さなので、ストーリーよりも暗さばっかり目について観なくなってしまった。主人公の壱岐の表情のなさも役柄とはいえ、ちょっとつまらない。
暗いけど意外と観ているのは、『外事警察』。これは、狙った「重苦しさ」がストーリーの柱になっていて、「暗いやろ!怖いやろ!重いやろ!見たいやろ!」と畳み掛けてくる。半端な暗さではないのだ。暗さというより、闇。画面も音楽も、視聴者を不安に陥れるように暗くて、ハードだけどスタイリッシュ。出ている俳優さんも上手だし、リアルだし、でもメジャーすぎなくて、いい感じだと思う。このドラマで初めて知った片岡礼子さんという俳優さん、綺麗で、存在感があって、上手いし、友達になりたい感じ。
『相棒』は、二時間ドラマのときから見ている。『刑事コロンボ』『シャーロックホームズ』の流れにある大好き推理ドラマ。この三作品に共通しているのは、トリック崩しがメインでなく、罪を犯してしまった人間の内側に迫っているところ。でも、この辺を語りだすと長くなってしまう。
『JIN』の8話、またテレビの前で一緒にもらい泣き。日曜の夜に『JIN』を見て泣くのは、もう儀式である。本日のキーワードは「人の器」だった。「あなたの器を見せてもらいましょう」、仁が出資を濱口に求めた際の濱口の答だ。8話では、登場人物がそれぞれの器を見せる話だった。恭太郎はプライドを捨て、仁たちが命をかけて作った薬を守る。そして、自分はずっと龍馬に劣等感を感じていて、自身の器の小ささを情けなく感じていたことを打ち明ける。そんな彼に対して、恭太郎がいなかったら、私はここで生きていくことができなかったと仁が優しく語ると、恭太郎の目から涙なのだが、恭太郎が泣く前からすでに涙ぼろぼろの私。どんなときでも最善をつくすことが、その人の「器」を作るのかもしれない。「器」は大きい、小さいで語るのではなく、形が大切なのだ。濱口は、仁の器の形が見たかったのだ、きっと。
(昨晩の男子厨房by夫:ビーフシチュー。シチューにはすね肉がいい、とのこと。ごちそうさま。)