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ヒマラヤスギ雑記

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10秒で帰った営業

日曜日の夕方、インターフォンが鳴る。もうこの時間は、訪問営業だなと出る前からわかるようになった。ケンがインターフォンに反応して吠えるし、仕方がないから応対することに。
「私、株式会社XのYというものでございます。お休み中すみません。勝手ながら今からソーラー発電についてご紹介いたします。ソーラー発電はお考えでしょうか?」
「考えていません」
「そうですか、失礼いたします」と、帰ってしまった。拍子抜けする。と同時に、なんかこの営業の言葉遣いって、おかしくないかと思った。「勝手ながら」っていうのが、聞いていてなんなんだと思ったのだ。勝手に日曜の夕方押しかけてきて、さらに「勝手ながら」と断りをいれる意味があるのだろうか。そうはいっても、10秒であっさりお引取りいただいたので、あまり重箱の隅をつつくようなことは言うまいと思う。彼(若い人だった)は、ひょっとしたら、こういう言い方は気が利いているとでも思っているのかもしれない。

このあっさり帰ってくれた訪問営業のおかしな言い回しから、東京時代にデパートの化粧品売り場で、読み間違いをした女性のことを思い出した。そのとき私は、オードトワレを買おうとしていて、デパートをうろうろしていた。そうすると、一人の若い女性美容部員が寄ってきた。オードトワレで、軽くて爽やかな感じのものを探していると伝えると、新製品というトワレを彼女が持ってきてくれた。「柑橘系がメインですが、爽やかなフローラルも少し混じっていて、全体の印象はとてもキヨキヨしいんですよ」と言う。キヨキヨしいって何?と思ったのだが、なめらかに製品説明する彼女の話の腰を折るのも気がひけるので、ふんふんとうなずいていたら、また「キヨキヨしい」を連発する。何回目かの「キヨキヨ」で、これはどうやら清々しい(すがすがしい)と言っているかもしれないことに気づいた。あまりに自信満々に「キヨキヨしい」って言うので、変だと思いつつ、いや、本当は「キヨキヨしい」という言葉があるのか、それとも「清々しい」は「キヨキヨしい」とも読むのだろうか、いまいち漢字の読みに自信のない私はそれを彼女に追及することもせず、香が気に入ったので、そのトワレを買って帰った。

なんだか年寄りが、イマドキの若いものは言葉を知らないとぶつくさ言うようなブログにも読めるのだが、私もおそろしい読み間違いはとにかく沢山してきたので、誰もが通る道かもしれない。通るのなら早めに通る方がいいと思うけれど。





オソロシイ読み間違い
29歳のころ、「団塊の世代」を「ダンカイノセダイ」と読むべきところを、「塊」を「カイ」でなくて「コン」にしてずっと読んでいた。それを当時勤めていた会社の女性の先輩が、すぐに気づいて腕をひっぱっていって、「ダンカイノセダイって読むのよぉーーーー」と教えてくれた。その後笑いながら「それにしても、すごい世代だよね」と話していたのも覚えている。注意してくれたことに感謝している。「勝手ながら」の営業マンも「キヨキヨ」連発の若い女性も、その後親切な誰かに注意されていると思う。

追記:数年前に嵐山に行ったとき、お昼に和風カフェに入る。すぐ隣のテーブルにちょっとヤンキーっぽい若者が陣取っていた。そこは、「出汁飯」というメニューが人気のようで、オーダーのときにリーダー格の青年が大声で「デジルメシ、X人!」とか言う。隣にいた私と夫は、肩と手が震えてどうしようもなかった。ウエイトレスは澄ました顔で「ダシメシですね」と訂正するから、余計に肩が震えた。「デジルメシ」って、すごくまずそうなんだけど、「デジルってなんですか」って聞かなくて大丈夫?
by himarayasugi2 | 2010-06-08 08:13 | 雑感 | Comments(2)
Commented by oak at 2010-06-08 15:10 x
私は偉い人ばっかりのレセプションの席で、「水滸伝」のことを「スイキョデン」って連発したよ。
Commented by himarayasugi2 at 2010-06-08 16:13
oakちん、
えええー、そりゃあすごい。誰か訂正してくれたん?でも、「デジルメシ」とか「ダン○○ノセダイ」よりはましかも。特に現場で後者を言ってしまうと立ち直れないかもよん(経験者は語る)。
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