あるカフェの前を通りかかったら、ママチャリが5台ほど店の前に駐輪してあった。ママチャリ越しに店内をのぞくと、机をひっつけてお母さん達がお喋りしているのが見えた。通り過ぎながら、この店方針変えたのかなと思った。というのは、この店のサイトを随分昔に見たときに、「当店は、スローなカフェなので自転車ではなく歩いてきてください」とあったことを記憶しているからだ。この店の前は、幅の狭い道で、道にはみ出して駐輪すると、車、歩行者、自転車の通行の妨げになる。店としては近隣に迷惑がかかるし、かといって店のお洒落な外観をママチャリで覆うのは気が進まなかったので、前述の文言をサイトに掲げるに至ったと推察する。
店の前の素敵なスペースを駐輪場にしたくない、かといってその辺に駐輪されて近隣から苦情が来るのも困る、という店の気持ちは確かに理解できる。でもだからといって「スローなカフェだから自転車でなくて歩いて来てください」としなくてもいいのではないかなと個人的には感じていた。「道幅が狭く、駐輪場もないため、自転車でのご来店はご遠慮ください」で済むと思うのだが。「スローだから」というのを言動や規制の理由にするところが、気になったのだと思う。この店は、また「スローなカフェだから」注文してからしばらく待ってもらうといった意味合いの文言も掲げていて、それもなんだかなぁと思っていた。それから、長らく足が遠のいていたのだ。しかし、ママチャリ5台が容認されていたので、きっと自転車のお客が来たときは、店の前に駐輪させることにしたのだろう。現在は、臨機応変に対応しているようだった。またいこ。
我が家は屋上緑化をしているので、よくエコロジーに関心があると見られている。夏は冷房をいれないと思っている人もいた。屋上緑化しているのは、エコだからではなくて、楽しいからである。屋根に座ってぼーっとビールを飲みながら海をみたり、星を見たりしたいから。それに草屋根の手入れも大変だと公言している。エコのためだけに、こんなめんどくさいことはしない。冷房だって、暑くなったらもちろんいれる。ただ電気はこまめに消すし、ゴミの分別も守る。エコバッグ(この名前微妙)も持参している。けれども、これは「地球のため、エコのため」にやっているのではなくて、光熱費節約のためであって、ゴミの収集に携わる人の面倒を減らしたいからであって、スーパーの袋が有料だからである。ゴミの分別を守っていないときに、他人から「エコだろ!」と言われるよりも、「(収集の人に)迷惑がかかるから」と注意されるほうが素直に聞ける。
といっても、地球温暖化や町の緑化には関心がないわけでない。だからといって、人から何か頼まれたり、規制を受けたりするときに、いきなり地球規模で「エコのため」だの「スローだから」とか「これロハス」と言われると背を向けたくなってしまう。多分私は、この三つの言葉が気に入らないのではなく、言葉の使われ方が嫌いなのだと思う。ひねくれているかもしれないけれど。この三つの言葉を抜きにしても伝えられると思う。