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ヒマラヤスギ雑記

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『JIN』最終回前編

『JIN』の最終回前編を視聴。『JIN』は第一部の方が新鮮で流れがあったけれど、今回の第二部はとにかく全部ストーリーを終わらせることが最優先と言う感じで、前ほどの新鮮味はないのだが、毎週毎週クライマックスみたいなストーリーで、見ている間ずっと力がはいりっぱなしである。第一部を観ていないと、なぜにこれほどまでに仁が江戸の人に愛されて、信用されるのかがちょっとわからないかもしれない。昨夜の最終回前編も仁の周囲の人たちの仁への優しさが炸裂していてもらい泣きだった。

仁たちの治療の甲斐もなく、やっぱり坂本龍馬は誤差1週間で死亡する。史実と異なるのは、龍馬を斬った人物と最期は仁に看取られるというところ。だが、去年の大河の龍馬暗殺のシーンよりもこちらのほうが、龍馬のセリフがリアルに感じられた。仁に対して日本は生まれ変わってもまた暮らしたいというようなよい国になるのか、という問いかけを残して龍馬は死ぬ。龍馬の最期はこうあって欲しいという願望もあるけれども、なかなかによかった。

『JIN』のサイトに野風役を演じた中谷美紀のインタビューが載っていた。中谷美紀が語ることがほんと、野風の全てだと思う。中谷美紀は演じる対象の野風のことをよく理解しているし、よく理解しているから演じていてもリアリティがあって、とても感情移入ができる。美しいだけでなくて、中谷美紀はとても聡明な俳優だなぁとあらためてインタビューを読んでも思うし、また、中谷美紀と野風もとても重なると思う。『ケイゾク』で東大出身の美しいけど不潔で頭脳明晰の変な刑事のときから彼女は好きなのだが、その後彼女はとても品のある素敵な俳優になった。

最終回前編までの印象なのだが、このドラマはやたら男が泣くシーンが多い。涙を流すのだ。それが、嘘っぽくないし、暑苦しくないし、清らかな涙がつつつーっと流れるとこちらももらい泣きする。仁友堂の先生方の涙も、鼻水流しながら泣きじゃくる仁先生の涙もリアルだしいい涙である。野風の出産シーンの野風の涙も仁の涙も真に迫っていたというより、本当に泣いてるよね?と思って見ていたし、こっちも涙ぼろぼろだった。龍馬の目も最後はずっと潤みっぱなしだったし。よく泣くドラマだけど、あざとくない。それも来週で終わりである。寂しい。

仁はずっと自分は龍馬を暗殺から救うために江戸に送られてきたと思っていたが、そうではなかった。私は、どの時代でも最初からXXをする人として役割が決められていることはないと思っていて、どの時代でも人は、今出来ることを一生懸命にやることで道が開けてくるのだと思う。史実で龍馬を斬った人が悪で龍馬が善というのでもなくて、それぞれが正しいと信じることを精一杯やった結果が龍馬暗殺だったのだと思う。仁をタイムスリップさせることで、時代を超えた普遍的な人の生きる意味、みたいなものを仁の苦悩を通して伝えたいドラマなのかなと、あと一話残すところでなんとなく感じている。そういったことも全て来週で明らかになるようだ。寂しいけど、楽しみである。
by himarayasugi2 | 2011-06-20 08:18 | エンターテインメント | Comments(0)
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