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ヒマラヤスギ雑記

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『平清盛』第4回

清盛の父、忠盛は武士として初めて殿上人へと出世する。藤原の摂関家の貴族や、源氏などはそれが面白くない。藤原忠実は源為義に、豊明節会に出席する忠盛を闇討ちするように命じる。忠盛はそれを機転をきかせて防ぎ、このまま王家の犬で終わるつもりはない、と心のうちを源為義に告げる、というお話が『平清盛』の4回目だった(かなり要約している)。

この回の基になったエピソードは先日夫が買ってきた平家物語に関する文庫本ですでに予習していた。ドラマ向けに少し変えてはいるが、忠盛の冷静さや頭のよさが際立つエピソードだった。なによりも、中井貴一が演じる平忠盛は威厳があって隙がなく、表面の冷静さの奥に熱いものがあって、今のところドラマの中で最も魅力的で存在感のある人物である。源為義とさしの場面では、刀を抜く前から勝負はついているという空気があって、それは二人の俳優の演技力に拠るところが大きい。背筋をしゃんと伸ばし、大きく強く見える忠盛に対し、猫背でおどおどと追い詰められた血走った目で腰のはいっていないポーズで刀を振り回す為義という対照的な構図がドラマっぽい。このやり取りを見ていた清盛と義朝はどう思ったのだろうか。

藤原摂関家は、以前の勢いを失いつつあるとき、体面を保ちたいがために「犬」同士の喧嘩をふっかけてうさ晴らしをしたいだけなのだ。仮に為義が忠盛を斬ったところで源氏が利することなどなかったと思う。少しカリカチュアライズしているのかもしれないが、この時期の藤原摂関家は完全に悪者として描かれている。忠盛は自分に対する藤原摂関家の考えなどもわかっていたのだと思う。冷静なのだ。そしてその冷静さと頭の良さが貴族のカンにさわるのだろう。

このドラマのタイトル、『平忠盛』でもいいやん、と終わって夫と話す。やっぱり中井貴一って品がある。強いて欠点をあげれば、演技の幅という視点から言えば、下品で悪い役っていうのはちょっと想像できない、が、わざわざ中井貴一が下品で悪い役をやる必要ないか。一昨年の『龍馬伝』のときも主役よりも弥太郎にばかり目がいってしまったのだが、今のところ忠盛の出番ばかり楽しみにしている状態である。脇役が好きなのか。対して、清盛はなんだかまだ冴えないままである。父の本当の野心を知って来週からはやる気を出すのだろうか。清盛の強みがまだわからなくて、感情移入は全くできない。まだわめいているだけの人っていう印象である。来週に期待。でもドラマとしては次も視聴しようという気が起こるのだ。

意外と気にいっているのが、オープニングの曲である。それから、夜に舞を貴族が鑑賞するシーンがあるのだが、それが幻想的で本当にこんな感じだったのだろうかとかちょっと惹かれる。実際はもっと暗かったのだと思う。月明かりと蝋燭と松明の光だけだっただろう。そういう筋とは関係のないシーンが今回の大河はわりと好きである。あと、忠盛が豊明節会から朝帰るときに清盛と話すシーンの町の汚い様子も好きなのだ。結局、美しい場所などほんのわずかで、ああいった荒れた場所が京といっても殆どなんだろうなとか、想像している。

木曜の夜の鎌倉の公務員の中井貴一もいいと思う。

その後、宮根というアナウンサーが出ている情報番組をチラチラと視聴した。宮根というアナウンサーの話す関西弁はあまり好きではない。多分、このアナウンサー自体があまり好きでないんだと思う。昔、関西ローカルで土井善晴と料理番組をやっていたときの頃の彼は結構好きだったんだけど。あのときは土井さんがすっごくええ味だしてて、結構好きだった。
by himarayasugi2 | 2012-01-30 08:26 | エンターテインメント | Comments(0)
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