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ヒマラヤスギ雑記

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ミリオネア

『スラムドッグ$ミリオネア』をテレビで視聴する。公開時に映画館で観に行こうと思いつつ結局行かなかった1本である。初めて見る。これ、映画館の大きなスクリーンで見ていたら、かなりしんどい映画だったと思った。底抜けの貧しさと、それに打ち勝つ別次元のガッツとエネルギーをこれでもかと見せつけられる映画の前半部分がかなり重かった。歌の上手な子は目を潰して、歌う物乞いにしてしまうシーンはあまりのむごさに見ていられなかった。盲目の幼い子供だと料金も倍になる、といった説明もきつい。主人公のジャマールは歌が上手かった。ジャマールの兄は歌の上手い子供は目を潰されることを知り、ジャマールを助けて脱出する。

映画は、ジャマールが『クイズミリオネア』に出場し、出題された問題から過去を回想してゆくというもの。ジャマールはどんどん正解してゆく。それはジャマールが博学だからでは決してないのだ。彼の生い立ちが出題されているから、全問正解ができるのは彼だけなのだ。知っていることだけが彼の目の前に金額とともに現れる。ジャマールはそれを指すだけでいい。これはきっと運命なんだろう。忘れられないようなつらいことや悲しいことばかりの今までの時間を、運命が報いてやろうとしているのだ。

ジャマールは、司会者の妨害にも動ずることなく全問正解を果たす。そしてラティカと駅で再会する。これはファンタジーである。だからリアルな意味でのハッピーエンドでもない。教訓めいているようで、そうでもない。がんばれば報われる?そんな映画ではない。一人の貧しい生い立ちの野良犬のような生き方をしてきた一人の男性に、たまたまクイズの女神が気まぐれをおこしてチャンスを与えた話だと思った。ジャマールはクイズに全問正解して何を得て、何を失ったのか。人生は時々に相殺される。ジャマールの過酷な過去は映画の最後で相殺された。やっと出発点に立つ。人生は、ずっと勝ち続けることもなければ、負け続けることもないと信じたい。最後に勝ち越すためにはどうしたらいいのか。落ちても這い上がってゆく強さか、しつこさか。映画の最後は気持ちが少し軽くなる。

にしても、腹黒い人物(に見える)が司会者に選ばれるのは、日本もインドも状況は同じなのだろうか。日印の司会者たちは真っ黒(に見える)。そこだけは、ファンタジーではなくてリアリズムを追求していると思った。

『相棒』は録画しておいたので、後日視聴予定。

センスよし:
毎年、チョコレートを贈ってくださる奇特なTさんから、「おくれてすみません」(とんでもない!)と夫と私に素敵なものが送られてきた。Tさんはラッピングのセンスが本当にさりげなくて、上品でいつも素敵だと思う。真中の赤い箱(よく見ると小さな金のきらきらが紙についている)に白と黒の組紐で結ばれたものが、手作りのチョコレートである。で、ミルクティが好きな私へとミルクティ用のお茶の葉が、そして長野の七味。お返しに今年は何を送ろうかとあれこれ考えている。
ミリオネア_c0221299_8475532.jpg

by himarayasugi2 | 2013-02-21 08:50 | エンターテインメント | Comments(0)
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