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ヒマラヤスギ雑記

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いくつになっても本屋に行くのだ。

ご近所で一人暮らしをされているXさんは、どんなに若く見積もっても90歳は下らない。7年前に私が引っ越したときに既に85歳から88歳と言われていた。そのXさんは、少し前にブログにも書いたのだけど、毎日とにかく歩いて外出される。数年前に空き家の倉庫に閉じ込められた猫を救出するときに、私は初めてXさんと話をしたことがある。で、ほんの少しだけXさんのことを知っている。その外出先は、スーパーだったり、「会合」(なんの?)だったり。それに、先日はお洒落なカフェの健康惣菜ランチを食べに一人でいらしていたし。チャレンジ精神も旺盛なのだ。

Xさんは自炊をされていて、スーパーでは野菜やシシャモなどを籠にいれるXさんをよくお見かけする。シシャモが好きだというのは、以前ご本人から伺った。我が家近辺は高齢者が多いのだけど、駅までは遠い高台なのだ。駅まで行くのには下り坂だけど、帰りは上り坂である。この上り坂、私は幼少のころから上っているので、もう気にならないけど、以前遊びにきた院生たちはみな、坂の途中で膝が笑いだしたらしい。その上り坂も、Xさんは日没までの時間であったら、やっぱり歩かれている(行きはもちろん歩く)。去年の夏にアキレス腱を断裂したらしいのだが、すぐに気合いでリハビリをこなし、今ではほとんど杖に頼らず、ちゃっちゃと歩くのだ。

最近、母とXさんの話をすることが多い。母は、Xさんのことを偉いと言う。Xさんがもっと若かったころは、結構スパイシーなことを言うご近所さんであったらしいけど、あれから40年近くたち、母にとってはXさんは理想的な「アラ9」になっている。というのも先日母と父は、三宮のジュンク堂書店に入ってゆくXさんを目撃したから。Xさんは、カフェでも単行本を読んでいたのだけど、普段からも本屋はチェックしているようである。地元には一応、小さいながらも書店はいくつかあるが、Xさんは三宮のジュンクまで本を探しに行かれたという点に母は注目している。電車に乗って大きな書店にまで足を運んで、本をチェックする、なんてことのない日常の行動なのだが、これが90歳を越えた男性が(付き添いの人もなく)独りでやっていたとなると、やっぱりインパクトはある。ジュンク堂書店までは駅から結構人通りの多い道を歩くのだ。母は、おそらくXさんは、新聞に目を通して、そこで書評もチェックして関心のあるものについては大きな書店で買うようにしているのではないかと言う。きっとそうだろう。以前Xさんは、テレビではなくいつもラジオを聴いていて新聞を読むのだと話していたもの。どういう本を最近買ったのだろうか。

本を買いに行く、気に入った店でご飯をいただく、ってことは幾つになっても自分のペースで独りででも出来るようでいたい。

夕方のケン散歩は、桜のお散歩コースだった。もうほとんど満開の桜の横をケンとゆっくり歩く。ふんわりと桜餅の香りが本当にするのだ。桜はこのぶんだと来月早々にも散ってしまうだろう。でも、近所の桜イベントには行くつもり。このときXさんは来ないのだろうか。なんとなく、この桜イベントが少し楽しみになっている。

以前ブログに書いたカフェにいらしたXさんのこと
http://cedar2.exblog.jp/19141992/
by himarayasugi2 | 2013-03-30 09:11 | 雑感 | Comments(0)
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