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ヒマラヤスギ雑記

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テレビ日記

『半沢直樹』と脇役考:来週でとりあえず5億融資の件は解決しそう。来週が待ち遠しい。でも半沢直樹のやっていることって、見ていたら痛快で面白いのだけど、人の通帳を一時的といえども勝手にバッグから抜いたりして、犯罪じゃなかろうか。ものすごいリスクをとっていると思う。だから、視聴者はむちゃくちゃ面白いのだけど。

私はいつごろからか覚えていないのだけど、主役よりもその次くらいの役、脇役というか、準主役の役者のほうに興味を持ちがちである。大昔の大河ドラマ『黄金の日日』のときも、主役の市川染五郎じゃなくて、石川五右衛門を演じた根津甚八が好きだったし(ま、役柄的にも根津さんのほうが得だし、相手役が夏目雅子というのもある)。最近だったら『竜馬伝』では、福山雅治でなくて香川照之に肩入れしていた。ルパンよりも次元だし。映画『逃亡者』だったら、ハリスン・フォードよりもトミー・リー・ジョーンズだし。『ブレード・ランナー』だったら、ハリスン・フォードよりもルトガー・ハウワーだったし。

で、今回も通常は「好きな俳優リスト」のトップに入る堺雅人の姿を毎週楽しみにしつつも、香川照之が映ると、「わーお、映った、映った」とかなりテンションが上がる。今回は取締役会のときの場面と、あと常務の部屋に浅野支店長を呼び出したときの場面にくぎ付けとなる。彼はすべてお見通しなんだろうか。それでも何もしないのだろうか。浅野支店長にいつまでも「期待する」メリットなんて、とっくにないのはわかっているようである。それに、今回の五億円融資についても、全責任は支店長にあることもわかっているし、まだ裏もありそうだと勘付いている様子。そこまでわかっていたら、必ず自分が利益を得るように事態を操作するはずだと思うのだけど。照之には来週に期待。それにしても、怖い芝居であった。国税の愛之助もちらっと出番があって、嬉しい。ああいう癖のある演者が好きなのか。

全体的に面白いけど、どうも、1週間バイトして新しいブリーフケースを買ってあげるけなげな妻エピソードについては、ここだけ、ほかのエピソードから若干浮いているような。いい妻だと思うけど、男性からみた理想の妻像なんだろうなと、妙に冷めた目でみてしまった。あと、檀蜜と宇梶の中途半端な関西弁はやっぱりやめたほうがいいと思った。赤井英和以外は無理せずに共通語で話をされたらどうだろう。

『情熱大陸』:林真理子の特集だった。とても眠かったので、どうしようかと迷ったけど、見てしまう。見てよかった。ものすごく面白かった。あっという間に番組のエンディングだった。

林真理子の本は『ルンルンを買っておうちに帰ろう』は大昔に購入して読んだ。あとは直木賞受賞作を友人から借りて読んだ。どちらも面白かったけど、ずっと著作を読み続けるファンになるには至らなかった。たまに週刊誌のエッセーとかを読んだりはしている。誰かが林真理子のエッセーは、軽妙で、簡単そうに書いているけど、マネはできないと書いていたのを覚えている。「あれぐらいだったら私でも書ける」という風に思わせたとしたら、その人の文章は「相当うまい」のだ。そして、「私」はその人よりも「相当下手くそ」なのだ。わかる。わかる。わかる。この法則はなんにでもあてはまると思う。

彼女は気取らない。野心が本音であり建て前のよう。あまり自分をよく見せようとも思っていないみたいだし、欲望に忠実で、でも番組のサブタイトルにもあったように、「意外とイイ人」である。ファッション雑誌に連載していたかなり昔の小説で、主人公がある家庭に行く場面(見合い相手の実家だったかも)があって、そのときに門扉から玄関扉までのアプローチにディズニーの白雪姫と7人の小人の陶器の人形が並べてある様子を、野暮ったい趣味なのに、この家の住人はその野暮ったさを自覚していないと、主人公が考察するのだ。洋館のアプローチにディズニーの7人の小人がお出迎えしている家は、私も実際に何度か見たことはある。林真理子もきっとどこかで見たのだろう。で、「ださーい」ときっと思ったんだろうな。林真理子は、センスがないのに自分にはセンスがあると思っていて、それを周囲に押し付けようとする人物に対してはかなり厳しいなと思った。彼女自身は、自分はずっとそういうのにあこがれ続けてきたことを認めているし、公言しているし、でも、少しでも自分のすべてを磨こうとして立ち止まらない。昔は彼女に共感できなかったけど(なんか、ガツガツしてるなぁと思っていた、『アンアン』の最後のエッセーなんかを読んでて)、こういうドキュメンタリーを見ると以前よりも共感できるようになった。400字を4分半で書いてしまうし、30年間、ずっとベストセラー作家でいられるって、やっぱりすごいこと。
by himarayasugi2 | 2013-08-05 08:29 | エンターテインメント | Comments(0)
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