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ヒマラヤスギ雑記

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羽生さん、佐渡さん、ジブリ

土曜の夜は、久しぶりにEテレのインタビュー番組を視聴した。今回は指揮者の佐渡裕と棋士の羽生善治のスイッチインタビューである。指揮者の世界も将棋も詳しくないけれども、まだ佐渡さんの世界は音楽を介して少しは想像できそうなのだけど、将棋については、さっぱりわからなくて、それゆえに今回羽生さんの話は未知の世界で、圧倒的に面白かった。

佐渡さんも、羽生さんの話を聞くときはおそらく将棋に詳しくない視聴者と同じレベルだったと思う。表情が物語っている。こう、「はぁーそうですか」「ほほぉ(よくわからん)」と佐渡さんが言うタイミングが私と同じだし。それだけ羽生さんの生きている世界というのは、特殊なんだろうと思う。彼は20年間日本の将棋界のトップ10にとどまり続けていて、生涯勝率は7割。獲得タイトル総数が84(ウィキでは85とあった)。現在保持しているタイトルは3。この数字は、羽生善治という棋士のスペックのある部分を無理やり数値化しただけで、話を聴いていると、羽生さんはこういった数字で評価できるスケールを超越していると感じる。高性能のCPUが搭載されている印象だ。

数百先の手を読むのは普通にできるらしい。「でも、千単位の手を読もうとすると、30分とか1時間はかかりますね」とさらっと言うけど、そんな短時間で読めるのかと逆に驚く視聴者と佐渡さん。対局では互いに数百手先を読める棋士が指し合うわけである。どうやって勝敗がつくのだと不思議である。すると、羽生さんが「負けるときは、必ず理由があるんです」という。勝つときは偶然勝つこともあるし、相手が勝手に失敗して勝ちがころがりこんでくるときもある。でも、負けるときは必ず理由がある、と言う。だからなぜ負けたのかを考えると得るものは多いらしい。負けから学ぶなんて、こんな天才でもそうなのだ。親近感をおぼえる。

将棋は一手、一手を積み重ねていくもので、その中で自分らしさをどう表現するのか、ということを考えているらしい。勝敗が目的というよりは、少しでも新しい、あるいは自分らしい戦い方を最後までできたら勝つのだろう。そういう意味では芸術だなぁと思う。

住む世界が全然違うと最初は思っていた羽生さんだけれども、彼の話を聴いていると、自分のことに変換して理解できたような気がする。失敗から学ぶというのもそうだし、あと、対局とか、そういった舞台に出て行って初めて身につくこと、理解できることがある、とも言っていた。日常に練習することは大事だけれども、本番を、舞台を経験することで得られることは多い。また本番、舞台を前提に日常に練習することは日々の練習の質も高めるだろうし、問題意識を常に持つことにもなる。また、羽生さんは年間60ほどの対局をこなすのだが、満足した対局など1年にひとつくらいしかないと言う。満足しないから成長するのだろう。

佐渡さんのことも:
佐渡さんは、小澤征二に見いだされたのだけど、佐渡さんが駆け出しのころ小澤さんは佐渡さんを人に紹介するときに「汚い棒を振るけど、よい音を出す」と言っていたらしい。なんかいい話だなと思ったのだ。美しく指揮棒を振れる人が指揮者になるのではなくて、よい音を知っている人が指揮棒を振ればよいのだということである。佐渡さんはその言葉は嬉しかったと言っていた。

じぶり
宮崎駿監督が引退することをネットで知った。もともとジブリファンではないので、引退自体は特に感想もない。昨日ネットで見かけたのが、ジブリ作品で大人向けだと思うものをアンケートにとり集計した結果である。私は上位10作品のうち4作品しか見ていなかった。特にファンでないからこんなものだと思う。『トトロ』とか『魔女の宅急便』は大人向けでないから10位圏外だった模様。前にも書いたことがあるかもしれないけど、ジブリでは『風の谷のナウシカ』がダントツで一番好き。他のものをすべて見ているわけではないけど。でも、ヒロインに感情移入ができる唯一の作品かもしれない。作品の世界観も好き。オームも好き。ナウシカがとても魅力的で大好き。で、この作品は大人向けの8位だった。

ちなみに1位は『紅の豚』。見ていない。公開中の『風立ちぬ』も見ていない。テレビに出てきたら見るかも。賛否両論あるようだけれども、そういう作品は優れた作品だと思う。優れた作品というのは、観客全員が感動したり、好きになったりする作品である必要はないと思う。いろいろな意見や解釈が出るということは、それだけ多面的であるということだろうし、人々を議論させる力が作品にあるということだと思う。そのうちテレビでやるだろうから、楽しみにしよう。

もうエアコンの出番はないよね。涼しくて昨日は夜は部屋でもパーカーを羽織っていた。
by himarayasugi2 | 2013-09-08 08:58 | エンターテインメント | Comments(0)
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