*地元愛ダダ漏れ注意。
ゼミ発表が終わった。教室を出たらもう午後7時前である。まっくらやん。T君は家が学校のご近所なので、徒歩で帰宅し、他の人は図書館に本を返却しに行ってしまった。結局、先生が正門の前で拾ったタクシーに、私も駅まで乗せてもらった。乗るやいなや、来週のゼミの忘年会をどこでやろうという話になる。もう、さっき私が発表した内容から話題は「食べること、飲むこと」に完全に移行である。ドクターのゼミが始まる前の時間から、ずーっと研究室で、院生と先生たちは「どこでなに食ったら旨かったか」という話をしていたのだった。うちの研究室で一番盛り上がる話題である。
で、忘年会のお店は2軒まで絞られていた。最終候補は韓国の上品焼肉の店か、イタリアのステーキ、ビステッカ専門店が残る。そうだね、どうしようかね、と話していたら、いきなりタクシーの運転手さんも会話に参戦してくる。「やっぱり、いろいろな部位を、いろいろな食べ方ができる韓国上品焼肉がええんとちゃいます、僕、こないだ鶴橋で焼肉食べましたけど、上手かったですよ」(タクシー運転手)、みたいな流れになったので、「じゃあ、Tにそこ予約とるように僕、メールしとくわ」(先生)となる。
それからタクシー運ちゃんと先生と私で急にすき焼き談義となる。
「すき焼きに麩は入れるか」談義:
私「すき焼きに麩いれますよね?」
タクシー「昔はよういれたで」
先生「僕も、昔はよくいれた、あ、今もいれるかな」
私「東京に住んでたときに、東京の人に、すき焼きに麩をいれるなんて、信じられない、貧乏くさいって言われたことあるんですよ!(むか~)」
タクシー「なんやって、なにが貧乏くさいやねん、そりゃ問題発言やな」(激オコ)
先生「そこで、貧乏くさいって言ってしまうところが、逆に貧しいな」
……と、ボロカスである。ここから一気に車中の会話はヒートアップする。
「すき焼きに何をいれたら美味しいか」談義:
タクシー「すき焼きいうたら、こないだテレビで牛乳をいれると旨いいうてましたよ」
先生&私「まじですか、気持ち悪そう」
タクシー「いや、旨いらしい(厳かに)」
私「すき焼きいうたら、牛蒡のささがき入れたら美味しいですよ、最近定番です(*1)」
タクシー&先生「あ、それ、うまいにちがいない、わかる、わかる」
先生「卵に牛肉にごぼう、っていうたら、柳川なべの組み合わせだし、理にかなっているね、それ今度、うちもやろかな」
タクシー「そりゃ、ええですね、便秘もなおるし」(←私は便秘ちゃうよ)
「やっぱ、すき焼きは醤油と砂糖とお酒やで」談義:
タクシー「なんだかんだ、いうて、すき焼きは割り下でなくて、醤油に砂糖やね、」
私「うちは、昔から実家でも割り下は使ったことがないです、基本醤油に砂糖」
先生「うちもね、それは基本やね」
タクシー「やっぱ、関西の食べ物は日本一いうことだけは間違いないですからね(話いきなり飛躍)、そこんとこ、もっと認めてもらわなあかんと僕は思います(熱くなっている)」先生&私「んだんだ」(激しく賛同)
私「(我にかえり)なんか、このタクシー内での会話、異様なテンションなんですけど」
先生「確かに、この車中の関西愛って、今一時的にものすごい濃くなってるね、ちょっと笑えるね(と我にかえる)」
しかし、乗車時間にして10分ほどではあるが、車中ものすごい連帯感が生じたことは事実。やっぱり食べ物は人を団結させるのか。
*1:厚揚げをいれても美味しい。
すき焼きに割り下使う方、すき焼きに麩を入れない方、気を悪くしないでください。それぞれのやり方を尊重されて当然であります。
(いつも閉まっている扉があるのだけど、そこにリースがかかっていたので、撮影。私が所属している研究室は、夏でも冬でも年中、ドアあけっぱなしなので、こういう風流なものがかかっていたためしがないような。)