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ヒマラヤスギ雑記

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南仏料理/ゴンちゃん。

*最近の傾向として、食べたものの記録はどうしても長くなる。

夫の音楽仲間のXさんが、最近見つけたお気に入りの南仏料理とワインのお店を教えてくださる。ちょうど来週夫の誕生日が平日にあり、平日は仕事で帰宅が深夜になることがわかっていたために、じゃあ、少し早めに誕生日の食事会としてそこへ行くことにした。

Xさんはその店を応援されているようで、行ってみてその理由がなんとなくわかる。まず、塩味がとても控えめで、その加減が絶妙で美味しい。ワインにもとても合う味つけである(夫による)。それから去年の秋から本格的にワインと南仏料理のメニューを始められたということで、応援したくなる感じがする。若い夫婦がお店を切り盛りされていて、そのお二人がとても応援したくなる人柄なのだ。おっとりと、のんびりとしていて、とても感じがよくて、お話し好きで、あまり安易に使うのが好きな言葉ではないけどいわゆる「癒し系」である。実質カウンターで7席の、小さな、小さな、もとは喫茶店だったその店は、住宅街の中の、通り過ぎてしまいそうな場所でひっそりと営業していた。外から見ても、喫茶店にしか見えない。改装は換気扇と換気用のダクトくらいしかしていなくて、ほとんど居ぬきで入ったとのこと。

このお店は、まだあまり知られていない(と思う)ので、以下、ちょっと宣伝モードで書いてみる。

このお店はマンションの1階にある。1階には飲食店は3店舗はいっていて、北から香港チャイニーズ食堂、そしてこの店、そして最南は炭火焼き鳥の店である。で、ものすごく珍しいのが、この3店舗は互いの店に「出前メニュー」を置き合っていて、どの店で食事をしていても、出前をその店に頼めるのだ。例えば、炭火焼き鳥で食事をしている人が、〆で南仏料理店の出前メニューの中のパスタを焼き鳥屋経由で頼むことができる。実際に私たちが食事をしていたときに、藍染めの前掛けをしたいかにも焼き鳥屋の店員が「パスタの出前お願いしまーす」と突然やってきた。南仏料理店でも、途中で「あ、水餃子が食べたいなー」となったら、お隣のチャイニーズから水餃子の出前を頼めるのだ。なんか、面白いシステムだと思う。それから、これはこの南仏料理店のシステムなのだけど、ワインは1本700円の持ち込み料で持ち込み可である。この持ち込み料は安いと思う。私が知っているお店でワインの持ち込みができるお店では、持ち込み料として2-3000円はとっていたと思う。

なんだか喫茶店のような店内のカウンターに座って、手渡されたメニューを見る。喫茶店のような内装と裏腹に、メニューは魚介類を中心に、本格的なものばかり。夫とどれを頼むかでかなり議論になる。以下、食べたもの。あらかじめ断っておくが、撮影者の技術不足により、写真がちっとも美味しそうに見えないけど、視覚による印象と味覚による印象のギャップはかなりあるのだ。つまり、とにかく食べてみなっ、て感じ。

アミューズ
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(これは二人分。右のチーズと玉ねぎの温かいピザも、左のグリッシーニに似たスティックもスパイシーで、おいしい。)

前菜二種 
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(右から蕪のムース、真ん中だけ忘れちゃった、左がレンズマメのサラダ。ムース、美味!)
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(右から香住蟹の入った、春巻きみたいなの、鯛のカルパッチョみたいなの、カキのゼリー寄せ。前菜は一皿ずつ頼んで二人でシェアした。どれもあっさりしていて美味しい。)
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(パンの三種盛りを頼む。バゲット以外はお店の自家製で、黒豆パンとブリオッシュ。どちらもとっても美味しい!)
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(お米とチーズのコロッケ。熱々で、繊細で、美味。衣のパン粉が砂のように細かくて、見た目も美しい。)
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(お魚の裏ごしスープ。これは二人でシェアしないで、一人一皿ずつのオーダーである。東京時代はよくスープ・ド・ポワソンをいただいたけど、関西でこれを出すお店が見つからなくて、今回、メニューで見つけて二人で飛びついたのだ。おいしー。ご夫婦はマルセイユで修行をされたので、メニューも魚介類のものが多い。このスープはおすすめだと思う。)
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(舌平目、あっさりとした味付けでおいしい。二人でシェアした。)
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(フォアグラと洋ナシのソテー、蜂蜜ソース。洋ナシとフォアグラって合う。これ好き。)
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(足なんとかエビのパスタ、魚介ソース。具がたくさんはいっている。しかし、わたくしこのあたりでかなりお腹いっぱいであまり入らず。)
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(デザート6種盛りで、これは
私の分。ガトーショコラが、しっとりとしていて、大人の味で、とても美味しかった。)
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(これは夫のお皿。Xさんがお店の人に夫の誕生日祝いの食事会だとこっそり伝えてくれていたようで、このお皿はサプライズだった。嬉しそうに蝋燭を吹き消す夫。お店の人も拍手してくださって、ちょっとしたお誕生日会であった。また1年、健康で楽しく過ごしてほしい。)

これに、紅茶のポットサービス×2(しかもウーフのお茶!とても美味しくいれてくれる。)に、グラスワイン6杯(白4杯に赤2杯)に、ペリエ(330ミリリットル)で、なんとお会計が11000と数百円だった。コスパ良すぎである。

その日お店で流れていたBGMは、Xさんが編集したCDだそうで、ビル・エバンスのピアノや、ジャンゴ・ラインハルトの曲が流れていた。また常連のお客さんが撮影したパリの街角スナップ(超素敵なモノクロ写真)や、色鉛筆で描かれた食材の絵などが飾られていて、常連さんに愛されているお店だなぁと思った。

お店:http://tabelog.com/hyogo/A2801/A280105/28035110/


ゴンちゃん。
ここまで書き終わったところで、イラストレーターの影山直美さんの柴犬、ゴンちゃんが25日のお昼に天に召されたことを知る。ゴンちゃんはずっと闘病していたのだ。愛情いっぱいにゴンちゃんの看病をされていた影山さんご夫妻に、弟柴犬のテツくんに囲まれて、最後は幸せな旅立ちだったと思う。影山さんのブログはずっと読んでいて、会ったことのないゴンちゃんだけど、私の中では知っている柴犬の一匹だった。

ゴンちゃんはほんとうによく頑張ったと思う。影山さんの献身的な看病にいつも心がぎゅっとなっていた。影山さんの文章から、ゴンちゃんに対する愛情があふれ出ていて、読んでいて涙腺がゆるみっぱなしだった。

ゴンちゃんは賢くて、優しくて、かわいくて、味のある、ほんとうにいい子だった。大好きだった。だからゴンちゃんをブログでもう見ることができないのは悲しいけど、ゴンちゃんはいつも影山さんの近くで、見守っていると思う。

ゴンちゃんのことは忘れないよ。
by himarayasugi2 | 2014-01-26 10:05 | | Comments(0)
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