昨夜は、会社帰りの夫と待ち合わせて地元の大好きなお店で食べて帰った。1年に何度かどうしても食べたくなるメニューがあるのだ。美味しくて安い。昨日は料理8品と夫のお酒と私のドリンクで、美味しくて、お腹いっぱいになって、大満足だった。料金もびっくりするほど安い。もしかして、計算間違えた?
雨だったからお客もポツリ、ポツリだった。開店直後に私たちが入ってから、しばらくは二人だけで、30分くらいしたら、初老のスーツを着た男性が1人入ってきた。会社帰りだと思う。品のいい紳士といった感じで、お酒とアテを一皿頼んで、ただゆっくり飲んでいた。で、またお酒をお代りして、静かにゆっくり飲むのだ。店の人と話すわけでもない。それから30分ほどして、中年の女性が1人入ってきた。ガラガラっと扉を開けて、中をうかがうような様子を見せて、すぐ男性を見つけて横に座る。小さな声でぼそぼそと話している。男性は女性と店で待ち合わせていたのだ。女性も仕事帰りのようで、トレンチコートにブラウスにジャケットとスカートだった。
よく友人とも話すのだけど、飲食店の男女のカップルのうち、夫婦ってすぐわかると思う。まず、会話があんまりない。かといって、険悪というのでもなくて、呑んだり、食べたりがメインなのだ。だから、食事と食事の間に会話を挟むという感じで、その会話も業務連絡っぽかったり、食べ物の感想(「これ、美味しいね」「おいといてよ」「半分こね」とか)だったりする。
食事を終えて、会計を済ませ(安かった!)、二軒目に近くの山男と山女がよく集うらしい店(カナダの野生の動物のDVDが流れていた)に行く。夫は白ワインで私は紅茶と豆乳プリン(!)をオーダーする。そこで、さきほどの初老の男性と中年女性の話がどちらからともなく出る。私も夫も同じことを感じていたことが判明する。あの二人は断じて夫婦ではない。彼らは恋人同士である、ということで意見が一致した。根拠を挙げろと言われると、ちょっと困るけど、夫は「うーん、夫婦の場合はそんなに仲良い感じに見えないけど、あの二人はすごく仲がいいし、会えたことが嬉しそうな感じがこっちにも伝わってきたし」と言う。私もほぼ同じことを考えた。別に外食する夫婦が、仲が悪いっていうのではなくて、もう一緒にいることが当たり前だったりするから、安心して食べること、呑むことだけに集中しているって感じだ。だから、会話が少ない。待ち合わせた場所にちゃんと相手が現れてくれて、嬉しいっていう感じが、夫婦ってないんだなと。でも、まぁ、いいのだ。
山男と山女の店では、カントリーが流れ、店内はログハウス風で、そこでビーバーの生活を追ったDVDを鑑賞して、帰宅。このお店、個性的で面白い。