神戸に用事がない限り、ずっと八ヶ岳にいる母などは、八ヶ岳でもほぼ普段通りの生活である。しかし、私たちの今回の予定は三泊四日である。しかも片道6時間かかる地であり、今度いつ行けるかもわからないし、東京にいる妹のように週末に気軽に行けないのだ。なので、梅雨の合間に奇跡的に晴れた二日目は、思いっきりハレの八ヶ岳ライフを楽しもうとなった。
まずは、歩いて近くの美鈴池へ行く。平日だから別荘地はとても静かである。鳥の声だけが響き渡っている。朝も寝室のすぐ横の木にスピーカーでも取り付けてあるのかというくらい、大声で鳥が鳴いていて、あー、山に来たなぁという感じである。妹は、いつも早朝に野鳥観察のためにスナフキンみたいな恰好で、道から外れて山の中にずんずん入っているとのこと。この日も、朝食前に1人でコルリの姿を撮影するとかなんとかで、しばらくいなかった。帰ってきたら、靴を乾かしていたので、どうしたのかと訊ねたら、沢に足を突っ込んたので濡れてしまったらしい。朝食を食べて、人間3人と柴犬1匹で美鈴池へ。
「山が見えてきたよ」
「到着!」いいお天気で嬉しい。
池の周りをロングリードで歩かせてみると、近くに人がいないのが不安になって振り返るので、短いリードに取り換える。
私が回り込んで、中腰で何枚かケンを撮影する。
中腰で後ろ向きに走りながらケンを撮影する私を、後ろから妹が撮影した写真。
天気がよくて気持ちがいいし、ケンも上機嫌である。歩いても、歩いても森しか見えなくて、だからあまり歩いているという意識はないのだが、実は結構歩いていると思う。
美鈴池から戻ったら、身支度を整えて車で、出発する。妹の知り合いの方も偶然、自然郷に山の家を所有されていて、その方から犬と楽しめる場所について情報をいただいていた。それを基に行動計画を練ることにする。厳選して、とりあえずランチは「萌木の村」で、その後、「八ヶ岳倶楽部」へ移動し、時間があったら小淵沢のアウトレットに行こうとなる。
で、車を出して、自然郷の敷地内を走っていると、鹿を発見する。写真を撮ろうと車を出ると森の中に入ってしまったけど、根性で撮影したのがこれ。
(これは私撮影)
(こちら妹撮影)
気持ちがいいお天気なので、まずは敷地内の原っぱで、ケンを走らせることにする。ケンは呼び戻しが出来ないと思うので、9メートルのロングリードをつけて走りまくる。人間も走る。私はケンの写真を撮ろうと、中腰で後ろ向きに走り続けて、くったくた。
(広すぎる原っぱに茫然とするケン)
(走りだす)
(後ろ走りでケンを撮影する私を妹が撮影)
(車に乗り込んで、ランチへ行く)
萌木の村は、初めて行く。お洒落なレストランがどーんと何軒かあって、敷地内には、こだわりの素敵なお店が点在している。観光バスもがんがん立ち寄る場所のようである。そこで、情報によるとおすすめという、イタリアン「ネスト」のテラス席でランチをいただく。以下、ランチ。
(スープ、サラダ、好きなピザ、デザート、飲み物のランチセットにする。)
(ピザは目の前の石窯で焼いてくれる)
(これはマルゲリータ。生地がすごくあっさりとしていて美味しい。味付けも薄目で、とてもとても美味しい。)
(デザートのカタナーラ。とっても美味しかった。)
ネスト、味付けがあっさりしていて、どれも美味しかった。お勧め。
そのあと、萌木の村内をみんなでウロウロする。交代で店内を見たりする。ここのショップで、岩原果樹園の佐藤錦のジャムを購入する(今朝いただいたけど、超超美味)。
(これは、廃車に土を入れて、花壇にしているもの。なんか、『みどりのゆび』という小説で、主人公のチトが兵器に親指をつけて、兵器に花を咲かせた場面を思い出した)
そして、八ヶ岳倶楽部へ。ここはずーっと前からある八ヶ岳の界隈では老舗(?)っぽい場所である。昔、行ったときには柳生博さんがテーブルに挨拶に回られていたりしていて、華やかな感じだった。平日はわりと空いていた。ここでは、軽くデザートをいただいて、休憩する。八ヶ岳倶楽部は、造園業者内でも有名らしく、知り合いの造園業者は、ときどき見学のために日帰りで訪れたりすると言っていた。そういう場所なのだ。しかも、ナチュラルでおしゃれな草屋根が見れるし。こんな屋根にしたいな。
八ヶ岳倶楽部の次は、ちょっと買い物をしようと、いつも両親から八ヶ岳のお土産でもらっているジャムのお店、「ジャムクラフトとりはた」へ行く。外観からしてすごく素敵なお店!中もセンスのいいインテリアで、いろんな種類のジャムがずらーっと並んでいる。しかも、すべてのジャムが試食できるのだ。テンション上がるわー。結局、ラフランスのコンポートと、ルバーブのジャムを購入する。
(「ジャムクラフトとりはた」外観と、ドアの取っ手。お洒落。)
そのあと、夕飯のための買い物に、スーパーへ行き、それから妹と両親お勧めの「中村農場」(ここすごくいい!)で燻製玉子と鶏皮のフライを買い、「ヤツレン」で飲むヨーグルトとかチーズを買い、この時点でフラフラになったので、アウトレットはパスして、ゆっくりドライブしながら帰宅する。
(車内のお疲れケン)
途中、妹に鹿がよくいる場所へ案内してもらう。そこでとった写真がこれ!
妹は、鹿は見飽きているみたいだけど、私はニワカ動物写真家となり、必死で撮影するのだ。もっと近くで見たいけど。
山の家に戻って部屋でぼんやりしていたら、なんと、リビングの窓の手を伸ばせば届くくらいのところに鹿がいたのだ!慌ててカメラを取り出すも、私に気付いた鹿は、2-3回ぽーんと跳躍して、あっという間に視界から消えてしまった。悔しい。悔しいので鹿が見えた窓だけ。
(この窓のすぐ外に、鹿がぽーんと跳ねていった。)
夜に東京の叔母が仕事を終えて八ヶ岳にやってきた。途中、こちらにも顔を出してくれて、しばしお喋りを楽しむ。海抜1500メートルほどなので、夜はかなり寒い。
なかなか充実した1日。鹿も見れたし。
まだまだ続くのだ。
自然郷の中には、よく「鹿の飛び出し注意」という標識がある。朝夕は鹿がよく出てくるらしい。この標識を立てている場所は、実際に鹿が通る獣みちがすぐ近くにあるのだ。鹿の出る時間は、自然郷では特にゆっくりと運転しないといけない。以前、鹿を轢いてしまった方がいたようで、その後しばらくショックが抜けなかったという。自然郷には、他にキツネやアナグマもいるらしい。普通に動物が生活する場所をヒトがお借りして、別荘を建てている。