先週あたりから、ケンの朝散歩のときに見かけるようになった人がいる。その人は駅から、住宅街である我が家の近隣にむかって坂道を上ってくる。通常、人の流れは、朝は駅へと向かうから、逆方向に歩いてくる人は、すぐに覚える。
この人は、アラフォーくらいの丸刈りの男性である。がっちりとした体形で、背は170センチくらい。いつも、白っぽいグレーのダボダボのパンツにスニーカー、黒とか紺色の無地のTシャツに、キャンバスバッグを斜め掛けにしている。このバッグが、白地にかなり鮮やかなエスニックの模様がプリントされていて、そのデザインが強烈で、すぐに、あの人だとわかる。
彼の目的地は、我が家からすぐ近所の工事現場である。最近、近隣では高齢の方が、施設に移ったりして、空き家が増えている。その一つが売りに出されて、更地となり、新たに家が建てられることになったのだ。彼は、その工事現場で働く人である。今は基礎工事の最中なので、この人は配筋関係の人なのかと思う。家は、基礎工事が終わるまでは、意外と1人で作業している時間が多い。大工が複数名で作業を開始するのは、もうちょっとしてからなのだ。よく工事現場の横を歩くのだけど、暑い中、日陰もない場所で、黙々と仕事をされている。
夕方、ケンの散歩のとき、仕事を終えて駅へと向かう彼が歩いてきた。この日は、男性と一緒である。この男性も服装から工事現場で働く人のようだ。今日は二人での作業だったらしい。朝は、無表情で坂道を上ってゆく彼が、笑顔で話をしている。彼らとすれ違うとき、彼が「僕は長崎出身です」と言い、相手の男性が「おお、僕は熊本ですわ」と答え、一気に和やかなムードになった瞬間だった。故郷を離れて働いているときに、同郷の人と会うと、すごく嬉しくなるというのは、わかる。東京で働いていたときも、関西の人と職場で会うと、私も同じような気持ちになったので。
2人とも仕事を終えて、楽しそうに話をしながら坂道を降りていった。もしかしたら、一緒に飲みにいっているのかも。
前田彩里登場:
今、世界陸上で、女子マラソンが始まっている。担当美容師一押しの前田彩里は、現在のところ先頭グループである(@11Km)。がんばれー。