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ヒマラヤスギ雑記

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昨夜のドラマから思ったこと。

昨夜の『IQ246』の犯人は、売れない画家だった。画家の弟は証券会社勤務で、資産運用を相談しにきた男性(今まで地味にコツコツ働いてきた人)が、6億円の宝くじに当たったことを知り(あまりの嬉しさについ自慢してしまった)、その男性を殺して当たりくじを強奪する。弟が6億円の当たりくじを持っていることを知った画家は、弟を殺して6億円を横取りする。例によって、すぐに犯行は露見してしまうので、トリックに関して見どころは一切ないのだけど(IQ246もなくても解決できる感じだ)、今回は、売れない画家が弟を殺す前日に、海外に出品した作品が高く評価されており、それを知らぬまま殺人犯になったというストーリーが、ちょっと印象的だった。ほんのちょっとだけ。

織田裕二は、売れない画家に「あなたは、自分の才能を信じることができない」と言い放つ。自分の才能を信じること=自信を持つこと、は、確かに芸術家にとって必要な資質のひとつだと思う。そうでないと、芸術活動を続けるのは困難だろう。知人に、国内トップの芸術系の大学を出た画家がいるが、その人を見ていると、芸術家というのは、「自分には絵を描くことしか(ここには、他に彫刻や音楽や文学もあてはまると思う)できない」という思いが、全ての活動のモチベーションになっている。日常生活のすべてがその人にとっては、絵を描くことにつながっている。この人は、アラフィフになってから私費で1年間海外留学をしたのだが、帰国後にその経歴で箔をつけて儲けようなど微塵も考えてないのがわかるだけに、ちょっと心配だった。でも、その人はそうせずにはおれないのだろうなと、最近やっと理解できるようになった。儲かるかどうかではなくて、いかによい作品になるか、いかに自分のテーマを見つけられるか、それだけで動いているのだ。画家だけでは食べていけないから、画塾の経営・指導で生活を支えている。でも、絵だけで生活できる有名画家も、この人も、芸術家であることに違いはない。その人が芸術家であるか否かというのは、作品の評価や報酬(お金のために描くという行為)とは別で、本人がそれ以外のことで生きていくことを選ばない人だと思った。

ドラマで弟を殺した画家は、海外で高く評価されたので、才能はあったのだろう。でも、彼は売れない画家であり続けることに耐えられなくなって、殺人を犯して、お金でギャラリーの展示場所を買う。最後に芸術家であることを辞めてしまった。

ドラマ自体は、いつもの見どころのない感じだったけど、自分の才能をどうしても信じられなかった画家が、殺人を犯した後に、自分の作品が海外で高く評価されたことを知って、なんともいえない悲しい顔をするのが印象的だった。このドラマ、ここだけは悲劇だった。

今週から、忙しくなる。今までなにやってたんだろう。いつものことだけど。






by himarayasugi2 | 2016-11-21 09:40 | 雑感 | Comments(0)
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