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ヒマラヤスギ雑記

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名簿

母から聞いた話。
母の知り合いの知り合いの、知り合いに(遠すぎて実感がないけど)、90+α歳で一軒家に1人暮らしをされている未亡人の女性がいる。関西某所にお住まいである。仮にX夫人とする。X夫人は、どう控えめに言っても億万長者らしい。X夫人には亡くなったご主人の連れ子と自分の子供を合わせて5-6人くらい子供がいる。しかし、子供たちは誰一人X夫人には連絡を取っておらず、何年もX夫人は子供と会っていない。X夫人は子供らの結婚を反対し、彼らの人生の選択に口を出し、干渉してきたらしく、成人した子供たちは次々に家を出ていって戻らなかったという。X夫人は、自分のしてきたことを悔やむこともなく、「子供らには遺産を1円もやらない」と常日頃から公言しているらしい。

X夫人は、亡くなったご主人が遺した資産の運用や株式投資で莫大な富を築いている。日常のほとんどの買い物は、アマゾンや楽天で済ませている。パソコンにも強いのだ。生鮮食品などは、昔なじみの八百屋に品物を言って配達してもらっている。お手伝いさんを雇っているわけでもない。

「もうお金を沢山残す必要もないから」と、ノドグロやフィレステーキといった高級食材を普段から食べ、グルメ旅行にもどんどん行く。X夫人は少々足腰が弱ってはいるものの、健康なのだ。家事も自分で行う。本も沢山読む。

ある夜、すぐ外で妙な音がするのに気付く。その音はしばらく止むことが無かったため、もしかしたら泥棒かもしれないと、X夫人は110番をしようと受話器を持った。で、「1、1」まで押したところで、音が止んでいることに気づいたために、「110」をせず「11」で手をとめて受話器を置いた。神経質な年寄りだと思われたくなかったのだ。

ところが、そのあとすぐに警官が二名、X夫人宅に駆けつける。
「どうされましたか」と警官。X夫人は、変な音が外でしたけどすぐに止んだから、110番しかけたけど、途中でやめて受話器を置いたはずですが、と説明する。警官はX夫人に以下の説明をしてくれた。

界隈の泥棒たちの間で、「億万長者の独居老人名簿」というのがシェアされていて、警察もそれを入手している。そこにX夫人の名前もあったため、X夫人が110番を「11」まで押したところで、警察に「X夫人から着信」と表示されるようになっているとか。なので、警官が「X夫人宅で異変!」ということで駆け付けたのだ。X夫人は、それ以降、やや弱気になっていて、高級老人ホームへの引っ越しもちょっと考え始めたらしい。X夫人によると、セキュリティというのは、異変があっても警備員がかけつけるのは15分後らしいので、プロの泥棒にかかれば15分でほぼ金目のものはもってかれるらしい。

「11」だけで警察が来るのかどうかは、本当かなぁって思ったけど(X夫人は110番をしたんじゃないかと思っているし、そこはX夫人の創作かとも)、「億万長者の独居老人名簿」というのは、ありそうだなと思う。母と、そういう情報はどこから漏れるんだろうとさっきも話をしていたところ。そういう話を聞くと、お店とかで住所とか名前とかを書くのが怖くなってくる。ま、そういう名簿には一生縁がないけど。









by himarayasugi2 | 2018-01-12 10:45 | 雑感 | Comments(0)
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