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ヒマラヤスギ雑記

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カテゴリ:エンターテインメント( 293 )

面白いと思うのだけど

ほとんど回し者かもしれないが、『直虎』面白いから、もうちょっと盛り上がって欲しいのだった。布教活動に余念のない私。

サイトよりあらすじ引用:
直虎が今川の下知に背いて徳政令をはねのけたことに怒った寿桂尼は、政次を呼びつけ、直虎に駿府へ申し開きにくるよう命じる。以前同じように駿府へ呼び出され、道中で惨殺された直親の記憶がよみがえる家臣一同。政次は直虎に虎松の後見を降りるよう勧めるが、直虎はそれを拒み駿府へ向かうことを決意する。途中、命を狙われた直虎だが、家臣・直之と入れ替わる策により、無事駿府に到着し寿桂尼と対峙する。命に背いたことで追い詰められる直虎だが、そこへ徳政令を願い出た甚兵衛ら百姓たちからの「直虎の後見を望む署名状」が届く。寿桂尼は、直虎を後見とすることを認める。

中野直之は、直虎にずっと反抗的だったが、今回、直虎危機一髪のところで大活躍して助ける。ツンデレだった。でも、ツンデレの本命は、政次である。最も直虎の身を案じているのは、政次だということは、視聴者にはバレバレなのになぜか井伊家の人にはバレないのが不思議。唯一、なつだけが気付いた模様。こちらは政次の運命を知っているだけに、つらくて見てられない。高橋一生はいい役もらったと思うし、彼にぴったりだと思う。屈折した、切ない役なのだ。寿桂尼と直虎が対面したシーンは怖かったけど、よいシーンだった。百姓に字を教えることがどうつながるのかと思っていたのだが、署名状となって直虎を救うという伏線回収となった。寿桂尼は、直虎が実質的に村を統治できていることを認め、直虎は言い分を受け入れられる。認めざるを得なかったといえる。

『小さな巨人』初回視聴:
じわじわっとこれは面白いと思う。香川照之が、半沢直樹に続いてまたしても日曜9時の悪役である。長谷川博己も全く濁りのない爽やかな人かといえば、そうでもなく、ややヌメヌメしていて悪役を演じてもとてもよい人である。そういう人が、警察官の良心に目覚めた「元本庁のエリート」役というのが面白い。香川照之が出てきた途端に、「ああ、裏切るな」とわかる。香川VS長谷川の構図は、わりと濃い。所轄のたたき上げの刑事役の安田顕も濃い。濃い人ばかりの中に吹き抜ける爽やかな風が、岡田将生である。いいわー。キャストがすごくよいので、来週も視聴する。香川照之出演ドラマにハズレなし、だと思っている。


ぼさぼさの荒れ放題の庭が、年に一度美しくなる季節がやってきた。庭の姫林檎とジューンベリーが満開になった。嬉しい。白モッコウバラも今年は沢山蕾がついて嬉しい。クリスマスローズも咲いている。なぜか、白い花ばかりの庭である。 
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(ジューンベリー。知らない間に成長していた。6月に甘酸っぱい赤い小さな実をつけるので、ジューンベリーというらしい。実がつくと、あっという間にヒヨに食べられてしまい、めったに食べられない。)
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(姫林檎。満開。)
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(蕾が沢山ついた白モッコウバラのブッシュ。毎年、剪定というか、伐採で、大変なのだけど、咲くとすごくよい香りがするのだ。黄モッコウバラのほうが花は多いけど、香りがない。白モッコウバラのほうが好き。ただ、育ちすぎて、全体像はお見せできない。庭全体だって、ぼっさぼさだから、引いて撮影できないところが悲しい。)

裏の石垣には、勝手に飛んできて生えてきたハゴロモジャスミンがGWの開花の準備をしている。これもすっごい香りがする。








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by himarayasugi2 | 2017-04-17 09:37 | エンターテインメント | Comments(0)

最近はまっているドラマとレシピ。

最近はまっているドラマ:
巷ではそんなに話題になってないのかもしれないけど(それすらよく知らない)、実は、今年の大河ドラマ『直虎』にはまりつつある。大河ドラマは、男性が主役の年と女性が主役の年がある。女性が主役のときは、だいたい1月、遅くとも2月の初旬でリタイアしてしまうのだけど、今年は3月も終わりだというのに、ちゃんと視聴している。面白いから。

初回から、かなりシビアな展開で、『真田丸』とはまた異なる角度から見た戦国時代のドラマである。真田家と異なり、井伊家は、よい意味でこずるさがなく、相手の裏をかくことをしない。で、相手に裏をかかれてやられてばかり。真田昌幸みたいな優れた戦略家は、実は例外中の例外だったのかなと思うほど、井伊の人はあっけなく消えてゆく。シビアな世界なのだ。昨夜なんて、直親が殺されちゃって(ほんとにひどいよね、今川!)、ついに家督を継ぐには幼すぎる2歳の虎松だけになってしまう。で、柴咲コウが直虎として井伊家の領主となるところで、続く(虎松の後見人となる)。ドラマはここから始まるって感じ。どう巻き返してゆくのか。

高橋一生が演じる小野政次が、父親と同じような立場になってゆくのが見ていてつらい。おそらく彼は、井伊家を守ろうとして動いているのだろうけど、もう本音はオトワにすら言わないで、ヒールとして生きてゆくと決めたみたいだった。切ないよう。高橋一生は、どんぴしゃにこの役にはまっていると思う。影のある孤独な男で、聡明ですべてを見渡せてしまうだけに、悲しみも苦しみも一人で背負っている感じなのだ。また、直親役の三浦春馬とのコントラストも素晴らしい。太陽の直親に月の政次である。個人的には、政次がタイプだけど(誰も聞いてないけど)。

主役の柴咲コウは、やっぱり顔がくっきりしているから、なに着ていても美しい。アップが絵になる。目力もあるし。最初はどうかなぁって思っていたけど、だんだん良くなってきたと思う。和尚さん役の小林薫は、ほんとによい!彼が出て来ると場面がぐっと格が上がる。直親の死を悼むシーンでは、ほんとにもらい泣きしてしまった。あと、マッチョな僧侶の傑山もいい。こういう僧侶がいたらなぁという願望を満たしてくれる存在である。市原隼人って、よく知らないけど、この役はすごくいい。この先、市川海老蔵が織田信長役で出演するらしい。


最近はまっているレシピ:
https://oceans-nadia.com/user/14762/recipe/143750
セロリとカシューナッツのクミン炒め。簡単で、美味しい。もう3回くらい作った。クミンが好きなら絶対におすすめ。カシューナッツがまたセロリと合う。セロリもこうやって食べたら、美味しいと気づく。 







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by himarayasugi2 | 2017-03-27 10:01 | エンターテインメント | Comments(4)

個人的エンタメ的ウィッシュリスト的な

美容院のアシスタントの男性が、目をキラキラさせて「僕、こないだ生まれてはじめて相撲を見に行ってきたんです」と報告してくれた。大阪場所らしい。「どうやった?」「もうね、すっごいよかったです、どれくらいよかったかというと、小さいころに相撲を生で見てたら、絶対にお相撲さん目指してたと思うくらいです」いつになくめちゃめちゃ饒舌な彼である。

アシスタントの男性によると、テレビの相撲中継とは全く別の世界がそこにはあったそう。あー、いいな、いいな、私も行ってみたい。以下、アシスタント男性が熱く語ってくれた「相撲生観戦の魅力」;

まず、会場の鬢付け油のニオイにテンション上がる。でもって、ぶつかり合いの迫力がすごい。音もすごいけど、振動というか。かなり興奮する。それに人気の力士が出てきたときの会場の盛り上がり方が、半端なアイドルとかとは比べ物にならなくて、鳥肌が立つ。横綱の土俵入りっていうのも、あれこそ実際に見てなんぼ。とにかくカッコいいの一言。稀勢の里の登場のときは、めちゃめちゃ会場が沸いたそう。アシスタント男性は、すっかり稀勢の里のファンになったようだった。あと、前の方の席には、カタギっぽくない人も「ようけいました」とのこと。「靴とかネクタイがキンキラキンの人で、あきらかにえっ?みたいな人も」

生で見る方が絶対にいいと言われたのは、相撲以外にもあって、それは漫才。夫が2年前の会社の忘年会で吉本新喜劇を見に行ったときに、新喜劇の前に6本漫才を見たのだ。夫によると、「テレビの漫才番組でちょろっとやる漫才と、吉本の舞台でお客さんの前でやる漫才は、別ものやで」とのこと。1本の時間が長く、そしてテレビではできないネタとかもあるらしい(そしてそれが面白いんだそう)。中川家は、テレビよりも絶対に生漫才のほうが面白いと力説された。他の漫才師も、みんなめちゃくちゃ面白かったとのこと。

吉本新喜劇と大相撲はやっぱり生で見てみたい。行かなきゃ。新喜劇は、すっちーが座長のときで、漫才に中川家が出演するときがいいんだけど、その組み合わせは人気らしくて、なっかなかチケット入手が難しいみたい。でも、どうせ行くなら、すっちーと中川家と銀シャリみたいっしょ。


『スリル 赤の章』終わってしまった。あー、めっちゃ面白かった。たったの4回か。10回くらいやって欲しかった。続編やって欲しい。 






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by himarayasugi2 | 2017-03-16 18:38 | エンターテインメント | Comments(0)

週末順不同

星野源と渡辺えり子:
スプリングコート、探していて買ってしまいました。候補は2つあって、それぞれの店に行って試着させてもらった。両店には、候補が他にもあることも正直に話している。A店で接客してくれたのは、星野源に似たソフトな男性で、商品の説明もよどみなく、過剰な「ヨイショ」発言もなく、感じがよかった。B店で接客してくれたのは、渡辺えり子に似たベテランの女性で、こちらも商品説明もぬかりなく、押しつけがましくなく、普通に感じがよかった。両店で試着して、しばらく考えた結果、星野源から購入する。私は、商品が気に入ったことと、あと、私に合いそうなのはこっちかなという印象で決めたのだが、夫は「A店の店員が星野源に似ているから、A店のコートを買ったんやろ」と帰りに言うのだった。小さい男である。そんなわけないやん。早くこのコート着たい。

ザ・行列:
ホワイトデーのお返しを買いに行く。毎年律儀に手作りのアマンドショコラを送ってくださる方には、いつも神戸でしか手に入らないものを選んでお返ししている。今回は、先日Nのご主人からいただいたお菓子があまりに美味しかったから、その店の焼き菓子にしようと考えていた。が、ホワイトデー直前の週末ということをすっかり忘れていた。ものすごい行列で、列の最後に並ぶと店が道路の向こうに小さく見える。1時間並んだところで入店できるかどうかも怪しい。入店できても商品はほとんど残ってなさそう。というわけで、あきらめる。少し遅れるという事情をメールして、後日にゆっくり買い物に行って送ろうかなと現在検討中。

その後、駅の近くの焼きたてタルトの店で自分達用にタルトを買いに行ったら、ここでもかなり待った。並ばないと美味しいものは買えないんだ~。

『ラ・ラ・ランド』:
『セッション』の監督が撮ったミュージカルというので、興味があった。『セッション』は、音楽にのめり込むあまりに狂気じみてくる主人公と、音楽と自分だけを愛する傲慢な教官との「セッション」をえぐぐ描いた作品だった。音楽をやや粗末に扱っているような印象はあったものの、こういうえぐさを表現できる監督が、どんなミュージカルを作るのだろうと思っていた。

(以下、ネタバレを含むので未見の方はご覧にならないほうがいいです、また、この作品を気に入った方とは意見がやや対立するスパイシーなコメントかもしれません。あくまで個人の感想ゆえご理解くださいませ)


この作品は、見る前から賛否両論あるときいていた。率直に言って、うーん、凡庸な作品だったと思う。悪くはないけど、これがアカデミー賞の作品賞の候補になったことも驚きだった(当然ながら、受賞せず)。ミュージカルなのに音楽がよくなかった(*1)。主人公の女性の心を揺さぶった「いい曲」ですら、そんなにいいだろうかと思った(この曲こそ、映画館を後にするときでも観客の耳に残っていなければならないはずだが、今、メロディを思い出せない)。そもそもこれはミュージカルなんだろうか。

女優を志す女性と、ジャズピアニストとしての成功とジャズクラブを持つことを夢に見る男性の下積みから成功までの物語に、二人の恋愛を絡めているのだが、ストーリーもなんとなく既視感がある。女優としていきなり成功しちゃっているし、プロセスが一切描かれていないのが残念。ここは、ミュージカルに活かせそうだと思ったけど。もっとエグイ感じで、この監督でないと描けない「なにか」をミュージカルという媒体に載せて見せてくれるのかと期待していたので、こういうミュージカルとしても凡庸な作品になるとは思わなかった。ミュージカル作品としても、そうでない作品としても中途半端な印象である。

女優の卵の最初の彼氏(お金持ち)と別れなかったら、彼女は女優として成功していなかっただろう。ピアニストの男性と出会ったからこその成功だと思う。しかし、二人は自分の夢の途中で出会ってしまったために、結局別れることになる。二人が一緒にいたら、どちらかの夢をあきらめることになる関係だったから。お互いのことを理解できていたからこそ、別れるのは切ないのだけれども、まー、そういうもんでしょっていうドライな感じで見ていたのだった。この辺のストーリーが、ありきたりかな。

ケニーGの曲を女性が「エレベーターBGM」と言ったところでは笑ってしまった。

*1)ミュージカルでなくても楽曲がよい映画は沢山あるのになって感じだ。たとえば、『はじまりのうた』とかなんて、サントラを擦り切れるくらい聴いたし。

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by himarayasugi2 | 2017-03-12 19:21 | エンターテインメント | Comments(2)

『スリル』面白い。

今期は、あまりテレビドラマを楽しめていない。朝ドラは、主人公の反抗期の娘の話ばかりになってから視聴をやめたし(去年と今年でドラマの雰囲気があまりにも変わってしまってついていけない)、大河は前の『真田丸』ほど前のめりにならない(前回見損ねてしまったけど、今回は頑張って視聴予定)。『東京タラレバ娘』もリタイアした。辛うじて視聴しているのは、『相棒』(とはいっても前後編のあった回はめんどくさくなって見ていないけど、前々回の「パスワード」は面白かった)と『嘘の戦争』(面白いけど、テーマが暗いから、待ち遠しいってほどじゃないのと、世界観が苦手)と『バイプレーヤーズ』(これ好き)である。もうちょっと気軽に楽しめるものはないかなーって思っていた。

昨日、『スリル 赤の章』の初回を視聴して、今期久しぶりに来週が楽しみと思えるドラマだと大喜びの私。コメディベースのミステリーで、面白くて楽しめると思う。見ていて楽しくて、謎解きも楽しくて、主人公の設定もドラマだからこそ生かせるものである。主人公の中野瞳は、警視庁の庶務で旅費清算書の処理を行う事務職である。彼女の失踪中の父親は詐欺師で、幼少のころは彼女も詐欺に加担していたこともあり、犯罪に詳しく、スリの腕前はプロ級で、推理も的確である。彼女は、捜査一課の刑事を巻き込んで事件を解決する。とにかく彼女が魅力的なのだ。演じる小松菜奈という女優さんは今回初めて見たのだけど、演技が上手で、コケティッシュで、ひたすらかわいい。他にこの役はどういう人ができるかなぁと考えたら、多部未華とか、満島ひかり(ちょっと年齢オーバー?)、二階堂ふみとかかな。かわいいだけじゃなくて、ちゃんとコメディもこなせて、演技力がある人用の役柄だと思う。それから、1歩間違ったら野暮ったくなるようなファッションを纏ってもスタイリッシュに見せるセンスのある人がいいと思う。

ファンタジックで、なぜか往年の人気雑誌の『オリーブ』っぽいドラマの世界がツボである。主人公の妄想の中で、ダンスを踊ったりもするし、主人公がいれる庶務の3時のお茶もとてもかわいい。リンゴを薄くスライスして、ティーカップの中にバラの花びらみたいに盛り付けて、上から紅茶をそそいで、ワゴンで運ぶなんて、ありえないけど、ありえないからかわいくて、すごく気に入ってしまった。毎回3時のお茶が筋と関係なく紹介されないだろうか。登場人物たちの服装も好き。脇の山本耕史も小出惠介も好きな役者である。

そういう感じで、今期はこの『スリル 赤の章』と『バイプレーヤーズ』がお気に入りになった。録画予約もしておこうかな。 







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by himarayasugi2 | 2017-02-23 09:08 | エンターテインメント | Comments(0)

パイプオルガンは深い。

まだ視聴していなかった録画がハードに残っていたので、昨日再生した。おそらく夫が予約録画して忘れていたのだろう。パイプオルガン奏者の冨田一樹さんを取材した『情熱大陸』である。冨田さんは、取材当時28歳で、2年に一度開催される2016年の国際バッハコンクールのパイプオルガン部門で日本人初の1位になった方である。演奏の卓越性だけでなく、バッハの楽曲の解釈の深さでも審査員をうならせたのだ。

音楽の国際コンクールで1位をとった直後の取材なのに、番組冒頭からテンションの低い冨田さんである。彼は、28歳という年齢なら、もっとちゃんと稼いでいないといけないと悩んでいたのだ。パイプオルガンの本場のドイツですら、パイプオルガン演奏だけで食べてゆくのは難しく、たいていはパイプオルガンのある教会の専属オルガニストとなることで収入基盤を維持する。しかし、クリスチャンではない冨田さんにはそれはできないのだ。それに彼は、ドイツの大学院の留学を終えたら帰国するか、ドイツに残るかでも揺れていた。コンクールで1位になったぜ、うわーい、みたいにまったく浮かれていないのだ。真剣に将来を憂えていた。

冨田さんは、15世紀や17世紀につくられた聖堂の当時のままのパイプオルガンを弾くことを許可されている。誰でも自由に弾かせてもらえるものではないし、技術的に誰でも弾けるものでもない。沢山のボタンにピアノの鍵盤みたいに並んでいるペダルに鍵盤にと、四肢を駆使して体全体でパイプオルガンを操るのだ。番組で冨田さんが演奏したパイプオルガンは、みな聖堂に設置されたものである。聖堂の「声」の部分なのだ。彼は、パイプオルガンを通して15世紀の聖堂の声を再現することができる。音色はドームに反響し、その聖堂だけの声となるのだ。これが中世の聖堂の声かと思うとゾクゾクする。彼は選ばれた人だ。演奏する彼は、番組冒頭の悩める青年ではなかった。横顔は神聖ですらあった。

中世のパイプオルガンを弾き終った彼の顔からは、悩みは消えていた。「パイプオルガンは絶対にやめないです」と言い切った彼は、生涯をかけて取り組むべきものを手にした喜びで輝いていた。旅費をけちったために、演奏を終えた帰りの電車では、席に座れず車両の扉付近の地べたに座っていたけど、なんだか楽しそうだったし、見ていて嬉しくなった。冨田さんは、大学院を修了後に帰国することを決めたという。

冨田さんは、夢中になれる好きな対象があり、その対象にも受け入れられる才能をもつ一握りの選ばれた人だと思った。日本にも冨田さんの演奏を待つパイプオルガンは沢山あるし、演奏活動だけでなく作曲活動などでもどんどん活躍されると思う。その後の冨田さんをまた見たいなと思った。







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by himarayasugi2 | 2017-02-16 09:31 | エンターテインメント | Comments(0)

『ツナグ』の一部を視聴した。

昨夜、たまたまつけたテレビで、『ツナグ』という映画をやっていた。ツナグは、死んだ人ともう一度会いたいという願いを叶えてくれるイタコのような職業(というか、ボランティア?)である。死んだ人と会いたいと願う生者は、ツナグに連絡を取る。連絡が取れたら、会いたい人の名前と会いたい理由を告げる。その依頼を受けてツナグは、死者にこういう人がこういう理由であなたに会いたがっているが、会うか?と死者と生者の仲立ちをする。

映画は、3つのエピソードで構成されている。全てを見たわけではないのだが、一番心に残ったのが、死んだ親友に会う女子高生の話だった。

女子高生エピソードを見て思い出したのだが、女子中高時代の友人関係というのは、「濃密で繊細で脆弱」だったということである。濃密すぎて、排他的になりがちで、ちょっとした行き違いで友情は、簡単に殺意に近いものに変わりうる。映画でも、親友に殺意を抱く女子高生が描かれていた。10代のころは、世界はほぼ100%が友人との時間であった。親の言う事よりも友人の言うことを最優先する。友人の存在が親への反発につながることもある。それだけに、友人との衝突は、世界の中で居場所を失うほどの事件になる。ヒリヒリするような時代なのだ。未熟なもの同士が四六時中つるむわけだから、楽しくないときだっておおいにある。そういう時代を乗り越えた友人は、貴重である。

大人になったら友人を作りにくいというのは、10代のころみたいな衝突が1度でもあれば、そこで完全に切れてしまうからだと思う。10代のころのように、とことんぶつかることもなくなってくる。ぶつかりそうな相手には、最初から近づかない。一度人間関係を解体し、再構築するには年を取りすぎたかもしれない。

映画の女子高生は、死んだ親友が自分の殺意のせいで結果、死んだのではないかと思い詰めていた。死んだ親友は、自分の殺意を知っていたのだろうかと。死んだ親友の前で、殺意に気づいていたかを訊ね、謝罪したかったが、できなかった。後で、死んだ親友が女子高生の殺意に気づいていたこと、そして女子高生に謝罪のチャンスを与えようとしていたことを知り、女子高生は泣き崩れる。

映画の女子高生を演じた2人の演技が圧巻だった。殺意に気づきながらも、あえて相手が言うまで知らない顔をする女子高生、死んだ親友を前にして結局、勇気がなくて言い出せなかった女子高生、どちらも難しい設定だと思うが、見事に演じ切っていた。もし、謝罪を拒否されたとしても、後悔はなかったと思う。エピソード冒頭で、死ぬことになる女子高生が「やらなくて一生後悔するのは嫌だ」と言って主役のオーディションを受けるのだが、それが最後の「謝れなくて一生後悔する」ことになった女子高生と対比になっている。個人的に、死ぬ前に言っておくべきだった「ごめんなさい」と「ありがとう」は、全て言っておきたいと考えてしまった。

すごくよいお天気。









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by himarayasugi2 | 2017-02-04 12:25 | エンターテインメント | Comments(0)

本とドラマ感想(長め)

佐藤優さんの『君たちが知っておくべきこと』(新潮社)を読み終わった。内容についていけない難所もあったけど面白かった。ここに書いてあることを、「ふんふん、そーか」ってさらっと読めるようになるのが理想じゃ。いまさらながら灘校生って、すごい。佐藤さんと対話が成立しているんだもんなぁ。スーパー高校生だわ。

最初にこの本、面白いなと思った箇所(イギリスがマルコフ理論を使って戦争に勝った話)を長いけど以下に引用;


イギリスはナチス・ドイツとの戦いにおいて、物量面でも技術面でも勝てる見込みはまったくなかった。そこでイギリスは数学者を集めて、半分は暗号解読班に、半分はマルコフ連鎖理論を使ってシステムリフォームを考える班に分けた。(中略)システムリフォーム班はマルコフ連鎖を使って樹形図を作り、イギリス軍の弱いところと強いところを書き出していった。それで弱いところは切り捨て、強いところを伸ばすシステムを考えた結果、具体的に出てきたのがイギリス空軍のモスキートという爆撃機だった。これはドイツの海上封鎖によって鉄鉱石もアルミニウムも輸入できなくなることを予想して機体を木材で作ったという異色の爆撃機です。でも作ってみたら思わぬ利点が出てきた。木材だからレーダーに引っかかりにくい。この飛行機で深夜にドイツ上空に飛んで行って適当に爆弾を落とし、ドイツ人に、いつ自分のところに爆弾が落ちてくるかわからないという恐怖心を植え付けることで戦況を変えていった。これがイギリスの勝利に大きく貢献したんだ。(35頁から36頁)



マルコフ理論、説明されているけど、はーっそうなんですか、みたいなリアクションしかとれない。でも、このエピソードはなんか、がつーんときた。私の感想は、本筋から大幅に外れているのだが、木製の爆撃機がレーダーに探知されにくいってことと、だから有利に働いたってところに、うわーっと思ったのだ。ゴージャスな爆撃機よりも、手持ちのカードをうまく使う戦略こそ大事なんだと思ったことと、弱いところを切り捨てて、強いところを伸ばすというところが印象に残った(まるで真田昌幸みたいだ)。

強いところを伸ばすって、大事。考え方としても、「私はこれがダメ、あれがダメだから、ダメな人」って考えるよりも、「これがダメやけど、あれならできるかも」って思うほうが精神衛生上もいいし。もともと楽天的なので、いつもこういう風に考えて乗り切ってきたところはある。イギリスの戦略と比較にもならないレベルだけど。

ここ?って言われそうな箇所ではあるけど、ここからずっと本が面白くなっていったのだ。

ごく一部だけど面白かった項目をあげてみると、
恐ろしくレベルが低い日本の大学院/アメリカとヨーロッパその教養の差/リエゾンの流儀(この話、リアル007みたいだった)/反知性主義に「上から目線で対抗する」/人の気持ちになって考えること/情報は事実・認識・評価/論理力をつけよう/サイバー最強国・北朝鮮/情報の真理は細部に宿る/他者の視点を獲得しよう/知識がなければ始まらない/「東大主席弁護士」の問題点etc.

この本は、「自己啓発本」では、ない。なんか見出しが「自己啓発本」みたいだけど、全然違うので。外交の第一線にいた佐藤さんの視点で、世界の話とか、教養の話とかを語る本である。出版社の個性についてとかの話も面白かった。また、気になる見出しとかは、ときどき読み返して、足りない知識を補えたらと思った。もっと、うまくまとめられたらよかったのだが、コンテンツ満載すぎて、私ではまとめきれない。


もしかしたら今期ナンバーワンのドラマかも:
『バイプレーヤーズ』の初回を録画視聴した。これ、面白い。素敵だ。名わき役と言われる6人(大杉漣、遠藤憲一、光石研、寺島進、松重豊、田口トモロヲ)が、本人の役で共同生活を送るという設定である。脇役だから主役をやったことがないという話のときに、誰かが「いや、でも、この人は主役もやってるよ」と言えば、また誰かが「この人だって主役経験ある」と言い、そして「俺だって主役やったことあるよ」と言う人もいる。それに対して、「でも、テレ東だろ」とか「でもBSでしょ」なーんて言い返すのだ。これをテレビ東京がやっているというのが痛快。全員が、本人役で出演して成り立つというのは、全員が素晴らしい役者だからということ。絶妙なキャスティングだと思う。最近のドラマって、まずは人気のある(でも演技力には疑問符のつく)タレント(俳優とするにははばかられる)をキャスティングしてからストーリーを考えるというのが多くて(普通逆だと思うんだけどね)、そういうドラマって全然面白くない。でも、このドラマに関しては、まずはキャストを決めてからストーリーを考える方式だからこそ、面白いのだ。この人にぜひ出演してもらいたいって思う人しか出ていないドラマ。だから、面白くないはずがない。次回も絶対に録画する。

大杉漣が、ラインをやるところがすっごく可愛い。スタンプ3連発押したりする。光石研が出ていて嬉しい。プレゼント交換って、なんだよ。









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by himarayasugi2 | 2017-01-18 09:44 | エンターテインメント | Comments(0)

孤高の人

市川海老蔵の密着ドキュメンタリーを視聴した。去年の6月の記者会見に遡ったところからドキュメンタリーは始まった。彼の妻の小林麻央さんが闘病中ということが、スポーツ紙にすっぱ抜かれ、マスコミが妻の周囲にうろつくのを防ぐために記者会見を開いたのだ。会見の様子はテレビで放送され、日本中の知るところとなる。市川海老蔵に対しては、会見を見るまでは、歌舞伎界のトップの役者で、派手で、やんちゃでモテる人、程度の認識しか持っていなかった。会見で市川海老蔵の強くて、家族愛にあふれた面を初めて知るところとなった。

ドキュメンタリーは、海老蔵が父親として子供たちとすごす映像と、歌舞伎役者として舞台に立つ映像を代わる代わる見せる。優しい父としての笑顔と歌舞伎役者としての厳しい横顔の両方から、ときどき彼が抱えている孤独のようなものが垣間見られる。あの強靭な肉体は、まるで鎧のようだ。彼は常になにかと闘っている。

麻央さんは、海老蔵の父、市川團十郎が亡くなってから、家族でも埋めることのできない歌舞伎役者としての孤独を、海老蔵が抱えていることを感じる、とインタビューで答えていた。それは見ていてもなんとなく伝わってきた。海老蔵の前向きで、率直で、明るい態度は、大きなものを背負う自分を励ますためでもあるのかなと思う。

妻や家族のことを語る彼は、傷を見せまいと振る舞う野生の動物のようだった。そして、闘病中の麻央さんと、麻央さんがいない寂しさに耐える子供たちが、そんな彼を支えている。

最後に、闘病中の小林麻央さんがインタビューに答えていた。可愛らしい、透き通るような声で、一生懸命に話をされていて、その清らかな佇まいに胸を突かれた。彼女は、自分が病気になって海老蔵が感じている歌舞伎役者の孤独がわかるようになったという。今ならもっとよいパートナーになれるとも。だから歌舞伎役者、市川海老蔵を支えるチャンスをくださいと、神様にお願いしているのだと、笑顔を見せる。

市川海老蔵の声は大きくて、暖かくて、耳に心地よかった。


海老蔵の長男のかんげん君が、初めて舞台で挨拶する様子も紹介されていた。舞台上で海老蔵に促されて、自己紹介(?)するだけなのだが、初日から千秋楽までの期間で、大きく進歩していた。全然違うのだ。初日は大きな声ながらも、たどたどしいけど、千秋楽では大きな声で、はっきりと、堂々としていて、明らかに舞台の上で求められる自分の役割を理解している様子だった。かんげん君は、生まれた瞬間から生きる道が決まっている。職業選択の自由というのが実質ない。そういう世界で生きてゆくということは、外の人間には想像もできない。生きること、イコール、歌舞伎役者であることは、起こることすべてが舞台の上に還元されてゆくことを意味する。強くなるのもわかるような気がする。










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by himarayasugi2 | 2017-01-10 09:07 | エンターテインメント | Comments(0)

年内最後の『べっぴんさん』

よいお天気。夫は窓ふきに、OA機器周辺の埃とり。私は、掃除洗濯に勤しむ。ケンは、「なにやってるの、みんな?」と私と夫の間を行ったり来たり。

年内最後の『べっぴんさん』を視聴した。実は、気がついたらはまっていて、毎日見ている。隣の実家の母も、神戸が舞台やし、ファミリアやし、ということで見ているため(母にしては珍しい、『あさが来た』ですら1度も見ていなかったから)、毎朝、二人で紀夫へダメ出ししている。紀夫みたいな人、いるのよね。なんともリアリティのある紀夫くんである。私と母が疑問に思うのは、なぜ、紀夫は坂東営業部を辞めるのも、キアリスの経理をやるにしても、すみれに事前に相談をしないのだろう。みんなの前で「キアリスの経理をやることになりました」って、当然のように言うのが、なんか、なんかな、って感じである。

すみれには、父親譲りの商才がある。マーケティングの才能は、4人の中で一番ある。君枝ちゃんは意匠の才能が、良子ちゃんはパタンナーの才能が、明美ちゃんには知識がある。明美ちゃんは、現実的で、秘書っぽい。この4人の中だったら、私はまだ明美ちゃんに近い。実際に秘書の経験もあるし。そして、紀夫くんみたいにはならないように普段から気を付けている。というのは、キアリスの中なら、紀夫くんに一番近いと気がついているから。すみれには最も遠い私であった。すみれみたいなのが、憧れなのだ。

今週に入ってからずっと、紀夫くんは、数字でしかキアリスを理解していないとか、ぶつくさテレビに向かって愚痴っている私に夫が、マーケティングするときは、市場調査の結果を参考にしていてはあかんねんて、という話をしてくれる。これは、夫が人から聞いた話だけど(夫は財務系)。市場調査のデータというのは、結局必要なときには古くなっているから、ということらしい。「今」なにが求められているか、なにが売れるか、というのはデータだけでは読めない。

食器セット、飛ぶように売れてよかった。大急の小山もきっと内心は、「うわーっ!これ、めっちゃかわいいわ、めっちゃいいわ」と思っているに違いない。

今から、原稿の仕上げ作業にはいる。30日と31日は、家のことをしたいから、今日明日でなんとかまとめあげたい。


追記:ちなみに母が一番好きなのは、君枝ちゃん。昭一を適当にあしらうところがすごく気に入っているらしい(なんか屈折している母である)。私は最近気に入っているのは、大急の小山。最初はイヤやったけど。

追記2:今朝、午前2時46分に外に出て遊びたい!とハイテンションのケンに起こされて、寝不足気味。ケンは吠えたりしなくて、ひたすら布団を鼻でめくって、冷たい風を入れて来る作戦なのだ。あと、お布団を前足でカリカリしてくる。







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by himarayasugi2 | 2016-12-28 10:53 | エンターテインメント | Comments(4)