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ヒマラヤスギ雑記

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季節はずれの話

先日帰京した叔母からきいた話。

今年の8月15日の早朝5時ごろに、ベッドの中で叔母は目が覚めた。ベッドの足元に、真夏だというのに、グレーのコートにエンジのマフラーを巻いた祖母が立っていた。祖母は、「ったく相変わらず、部屋ちらかってるわね」と言い出しそうなあきれはてた表情で、寝室を見渡していたそうだ。叔母は、声にだして「あれ、おばあちゃん、死んだんとちゃうの?」と普通に話しかけたものの、祖母は聞えないようだったそう。叔母がふっと枕元の時計を見たその瞬間に、祖母はいなくなったとのこと。「もうね、夢とかそういうのじゃないんよ。生身の人間がそこにいるのよ。リアル、リアル。普通におばあちゃんが、立ってたんよ。あれ、生きてたっけって、なんで此処にいるのって本当にそのときは思ったもん。全然怖くもないし。」お盆だし、帰ってきて何か言いたかったのかなぁって話を、ケーキを頬張りながらする。

私が祖母と最後に話したのは、亡くなる一週間前。病室で二人っきりで話をした。そのとき「私の集めた骨董とかのことやけど。気に入ったものがあったら、みんなで使ったらええから。でも、業者さんに売ってお金に換えたりはせんといてね。約束ね」と言った。業者は祖母が生涯かけて集めた大事な骨董を安い値段で買い取って高く売るから、絶対にプロに売り渡さないで欲しいということだった。大切に使って欲しいのだと思った。もし、骨董を大事にできないことが身の回りで起こったら、そのときは大事にしてくれる人にお譲りする。

「へー、ちゃんと約束を守ってくれそうなあんたには、そういうことおばあちゃんは、言うんや。私には特になんも言うてくれへんかったわ。ふーん」と叔母。だから叔母にだけ、祖母は何かを言いに出てきてくれたのだと思う。何を言いたかったのかなぁ。

東京の叔母についていうと、こういったエピソードは、枚挙に暇がない。霊感みたいなのがあるのかもしれない。
季節はずれの話_c0221299_8453446.jpg
(なんとなく選んだストック写真)
by himarayasugi2 | 2009-12-09 08:47 | 雑感
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