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ヒマラヤスギ雑記

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自転車と逆上がり

『探偵!ナイトスクープ』を途中から観た。最後のエピソードで、名刺で割り箸を叩き割る練習をする小学生の女の子が登場。名刺を手に、上から振り下ろして固定された割り箸を割るというもの。簡単そうで難しいのは、集中して思いっきり振り下ろすことが要求されるから。気合で紙をも刃物にかえてしまうといった感じ。私は別に名刺で箸を割ることには興味はないのだが、小学生の女の子が必死で名刺を振り下ろして練習する姿から目が離せなくなって暫く見ていた。1時間ほど振り下ろしても全く箸を割ることができなくて、ついに女の子は泣いてしまう。おそらく低学年の彼女にとっては、人生最初の挫折だと思う。悔しくてお母さんのお腹に顔をうずめてシクシクなのだ。

番組スタッフは、彼女が立ち直るまで辛抱強く待つ。暫くして練習を再開、彼女は3時間ほど練習して、353回目のトライで見事割り箸を叩き割る、喜ぶ彼女の笑顔でVTRは終わった。彼女の達成感あふれる顔を見て、小さい頃そういえば、必死で練習したことってあったなと思い出した。夫はこのVTRを観て、彼が初めて自転車を乗れるようになったときのことを思い出したらしい。ああ、わかる、わかる。自転車ってあの感覚を体で覚えない限り絶対に乗れなかった。何度こけてもサドルに跨る。乗れるようになる瞬間は急にやってくる。いつもこける場所にさしかかったときに、サドルに座ったまま、なんの苦労もなくその場所を通過して2秒ほど経って「ああ、自分は自転車に乗れるようになったんだ」ってわかるのだ。初めて見るサドルからの風景も新鮮だった。そして乗れたとき、「おかあさん、見て見て、乗れた!」と報告する人がいたことも幸福な子供時代だった。

私は逆上がりのことを思い出していた。小学校の1年生のとき、逆上がりがいつまでも出来なくて、仲のいい友達はみなできるのに、自分だけが出来ないことが恥ずかしかった。自分でもいつ練習していたのか覚えていないのだが、ある日、朝礼が始まるまえに校庭で友達と一緒に鉄棒をしていたら、偶然にくるっと体が回って、鉄棒の上で上体を支えていたのだ。友達が担任の先生の腕をひっぱってきて、「先生、ヒマラヤスギちゃんが今逆上がりができてん、見て」って叫んだことも覚えている。先生の前でもう一度逆上がりをやってみたら、無事成功。よかったね、よかったねと言われたこともなんとなく覚えている。で、そのまま校庭で朝礼が始まったのだ。その日の記憶はそこで終わっている。季節は秋から冬だったと思う。先生が黒いカーディガンを着ていたから。体がくるっと回った瞬間は嬉しかった。友達が先生を呼んで来てくれたことも嬉しかった。40年近くたっても覚えているくらいだから。
by himarayasugi2 | 2010-09-25 09:23 | 雑感 | Comments(0)
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