ちょっと前にA嬢がメールで「バイト代請求の書類の書き方、ちょっとわからないところがあったので教えてください」と書いていた。夏に研究室のお手伝いをしたのだが、ささやかながらもバイト料が出るのだ。大学が振り込むので細かい書類の作成が必要で、それがちょっとややこしい。私は、大昔から自分が作成する「請求」「還付金関係」の書類については、どんなに書式が変わっていても、くらいついて作成する。もらえるものは、がっちりといただくというわけ。これもハングリーというのだろうか。
学生のころ、こういう細かい書類なんて作成したことなかったから、ちょっと戸惑うのもわかる。自分のバイト料請求書を作成しながら、大昔に新卒で就職した会社のことを思い出した。新卒で就職した会社は、入社式が終了してその足で新人研修の宿舎へと全員で移動する。人里離れた山の中の脱出不可能な宿泊施設(大袈裟に聞こえないくらい山奥)で、確か2,3週間ほど早朝から深夜まで研修を受けたのだ。そして研修が終わってバスで本社に移動するときに、当時の研修課長のH氏がバスの中でちょっとレクチャーをした。
「これからみなさんは配属先に戻るわけですが、ついたらすぐに入社式の日から今日までの旅費精算をしてください。旅費精算書の用紙をもらって書いて、交通費などを請求し、上長のサインをもらって会計に送ります。」とH氏は指示をする。そして「簡単な書類作成ですけれども、これはあなた方がする最初の実務です。たかが旅費精算だなんていい加減にやらないで、きっちりやってください。書類の作成は基本的な実務です。」と続けた。そのとき初めて「実務」という言葉を耳にして、書類を作成するってそんな大変なんだと、昨日まで女子大生だった私は、わりに「緊張した」。ジツムかぁ、難しそうと思ったものだ。H氏のことはあまり好きではなかったのだが、このバスの中での彼のレクチャーだけはちゃんと覚えている。
請求書も旅費精算も、書類作成に過ぎないのだが、実務の最初の一歩なのだ。その後も似たような書類は沢山作ることになる。やっと国勢調査の書類を完成させた。本日投函。
『ガラスの仮面』その後:
A嬢に『ガラスの仮面』を貸したら、「中毒になりました」とメールが。すぐに読むので多めに持ってきて欲しいとのこと。ああ、わかるわかる。でも45巻買ったけれども、フラストレーションだけがたまる展開で、連載を終える気があるのかどうかとても心配だ。ゼミ生の中で漫画の貸し借りが流行っている。私がA嬢から借りている漫画は、M2の先輩の間でも読まれているらしい。テルマエロマエの2巻も、先に買った私がA嬢に貸すことに。この研究室ってやっぱりちょっと変わっている。おたくっぽい。そういうところが居心地がいい。