人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

「犬と泊まれる宿」考

先週末に約1年ぶりに我が家の柴犬、ケンを連れて旅をした。今回は二泊三日だった。これで犬と泊まれる宿(以下、犬連れ専用ホテル)は3施設経験したことになる。犬連れ専用ホテルといったら、行ったことが無かったらきっと「臭い」とか「汚い」とか「ご飯がまずい」などなど連想する人も少なくないと思うのだが(実際私も行く前は、そう思っていた)、いい意味で裏切られた「犬連れ専用ホテル」について思ったことをまとめて記録しておこうと思う。

犬連れ専用ホテルの最大の特徴:犬連れ専用ホテルの場合はツアー客や団体客が皆無であることが特徴である。連れてくる犬の性質、サイズなども異なるため、ツアーを組むことは現実的ではないので、宿泊客はみな個人客となる。人数が増えたとしても、せいぜい犬好きの友達とのグループ旅行もしくは、家族旅行である。団体客がいないということは、宴会場やらミラーボールが回るカラオケ会場もないということで、泥酔して夜に騒ぐ人もいないし、喧嘩する人もいない。カラオケの音が会場から漏れてくることもない。とても静かなのだ。犬の無駄吠えがうるさいのではないかと指摘されそうだが、3ホテルに宿泊して、泥酔客よりも迷惑な無駄吠えは皆無だった。それに、みな犬と旅ができることが嬉しいので、少々他の犬が騒いだところで「お互いさま」の精神で、非常に寛容な気分になっている。イライラしないのだ。また、早朝に犬を散歩させる人が多いので、夜が早い。夜通し飲んで騒ぐということは、犬連れ旅行の場合はありえない。そもそも旅行の目的が異なるのだ。また、ホテルは敷地内ほぼ全て禁煙である。

犬連れ専用ホテルの努力:犬連れ専用ホテルは、最初からその目的で建設されたものもあるが、少し前からあるホテルは、以前は人間専用だったホテルがなんらかの理由で廃業し、その後建物をリノベーションしたものが多い。今回の高山、鳥羽のホテルはあきらかにそうだった(おそらく去年の鳥取のホテルも)。今回の高山のホテルは客室も広く優雅で、個室貸し切り風呂も10棟以上あり(露天風呂もあり)、大変凝ったデザインで広くて気持ちよかった。お料理も地元の食材を利用した、工夫された懐石料理で、よくある温泉旅館の冷えたてんぷらなどを並べるような野暮ったさとは無縁だった。品よく、センスよく、犬連れホテルだからといって、料理がまずいとは言われたくないというホテル側のプライドがよくわかるメニューだった(但し、鳥羽のホテルは微妙)。また、犬が沢山いるから汚いと思われがちだが、かえって清潔である。要所要所に掃除道具やら、ゴミ箱があり、汚れていたり臭かったホテルはなかった。宿泊客がお互いにマナーを守って気持ちの良い滞在にしたいと願っているから、犬が粗相をしないようにまめに散歩にも連れ出すし、散歩中、館内滞在中でも排泄物をきちんと処理する。ホテルと宿泊客がお互いに無理せず自主的に行動して、居心地をよくしているという印象を受けた。

今後の犬連れ専用ホテル:犬連れで旅行する人は今後増加するとは思う。それに比例して犬連れ専用ホテル、もしくは犬も宿泊可のホテルも増えると推測できる。が、売り上げを伸ばすためにただ「犬連れ可」の条件を追加しただけだとおそらく利用する人は増えないだろう。犬の性質をよく理解して施設内の設備を考慮する必要があるし、人間だけのホテルと全く同じで、ホスピタリティが大切である。犬連れの宿泊客は、たとえ犬連れ専用の宿といっても、自分達の犬が迷惑をかけないだろうか、と常に気にしている。そういう宿泊客を安心させるような接し方のほうが、施設や備品の充実よりもアピールすると思う。今回、夫と今までで1番よかった犬連れ専用のホテルは、去年泊まった1番小さな鳥取のホテルだと意見が一致した。その理由はやはり「ホスピタリティ」だった。犬と飼主を安心させる笑顔に、話し方。犬の足拭き用にバケツに汲んである水は、いつも温水で足を拭きやすい場所においているなど、細かいところまでよく考えていることが、なにげない動線ひとつとっても伝わってきたのだ。高山のホテルもとてもよかったし、鳥羽のホテルもまぁまぁだった。ホテル滞在を気持ちのよいものにするのは、ホテル側だけでなく、飼主にも求められることは多いし、それは当然である。犬達の楽しそうな顔のためなら、飼主はみな協力的だ。
「犬と泊まれる宿」考_c0221299_8213323.jpg

印象的な出来事:最後に今回の旅行で印象に残ったことは、家族に大切にされている犬を沢山見ることができたこと。高齢のゴールデンレトリーバーはご夫婦、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に来ていた。大病をし、手術を経て回復したラブラドールレトリーバーも飼主家族と一緒に楽しそうにゲームに参加していた。仔犬のときが可愛らしいのはどの犬も当たり前なのだが、その後、年をとり、病気をして弱っても、ずっと家族として大切にしてもらっている光景を見ると嬉しい。我が家のケンにとっても、これからさきもずっと私達は家族でいたいと思う。
「犬と泊まれる宿」考_c0221299_8242821.jpg
(柴犬のゴンとテツと暮らしているイラストレーターの影山直美さんデザインの、「柴犬手ぬぐい」。妹が先日、静岡の影山さんの版画展で買ってきてくれた。もったいなくて使えない。)
by himarayasugi2 | 2010-11-16 08:29 | | Comments(6)
Commented by さわ at 2010-11-16 09:19 x
ああ、その手ぬぐい!素敵すぎ!!(悶絶)
Commented by くもり at 2010-11-16 12:25 x
ケンが楽しんでいる感じが写真からも伝わってくるようでした。
水玉のネッカチーフ(って今言いますかね?)も可愛い。
犬を飼っていない人も泊まれるのだろうか、とふと思ってしまいました。
Commented by himarayasugi2 at 2010-11-16 16:33
さわさん、
素敵でしょ!でも、手を拭いたり、ケンの首に巻いたりはさすがにもったいなくて。飾っておくか、夏のお出かけ用のハンカチにするか考え中です。
Commented by himarayasugi2 at 2010-11-16 16:36
くもりさん、
犬連れが条件でないと宿泊できないところから、犬連れでもOK
のところまで、宿によっていろいろあるようです。犬連れ宿泊棟とそうでない宿泊棟を少し離しているところなど。素敵なところも多いみたいです。ネッカチーフは外出のときに、たまにつけてやります。
Commented at 2010-11-16 18:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by himarayasugi2 at 2010-11-16 18:48
鍵コメント@18:17さま、
OKです。確認のためメールを後ほどいれますね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 関西人の「いらち」 『龍馬伝』46回:後藤象二郎と... >>