研究室の新年会があって、少々帰りが遅くなった。二次会では一次会よりも人数がぐっと減って、全員で1つの話題を共有できるようになった。大学という場所にこの年齢で戻って思うのは、研究室を出入りする人たちの間では、私が企業内で働いていたときは使わないネット用語がよく使われているということ。これは、若い人だけではなくて先生、研究員でも日常会話(もちろん授業の外)でわりに出てくるので、夏ごろまではよくわからんかったこともあった。こういった言葉は、自分では使わない語彙なのだが、使われている意味はわかるようにはなった。例えば「フラグが立つ」とか「リア充」とか。特にみな「リア充」という言葉には反応するなぁという印象。
二次会では、かなりお酒が回って饒舌になっている研究員(♂)が「リア充じゃない人、手を挙げて!」と叫ぶと「おおっ」というざわめき、笑いと共に音頭をとった研究員も一緒に、はいはいと手を挙げていた。三十代中盤の既婚研究員(♂)Iさんが、「リア充ってなんなん?」と聞いたら「リアルの生活が充実してるってことですが、それは、もうほぼ異性関係が充実しているかってことを言っているようなもんス。だからIさん(研究員)はリア充なんすよ」と誰かが説明する。「ということは、ヒマラヤスギさんとか先生もリア充なんか?」「そうす」とのこと。続けて「要はね、結婚はゴールってことなので既婚者は黙っててください」と酔っ払う23歳がちゃかす。「でもね、結婚はゴールじゃないよ」と私が反論すると、半ば酔っ払った先生が「ヒマラヤスギさん、そんな本当にリアルなこと言っちゃだめだよ」と制止される。本当にリアルってなんやねん。先生によると、彼らはヴァーチャルの世界にいたいんだよと。意味よくわからない。
そうすると、黙って話を聞いていたC先生が「いやね、結婚も20年過ぎるとリア充じゃないよ」と発言されて、場内は大盛り上がりだった。「ヒマラヤスギさん、その辺りどうなんです?」と聞かれたので「私、まだ20年過ぎてないもーん。リア充だよ」と返事をした。で、生まれて初めて「リア充」という言葉を発したことに気づいたのだった。
私の印象では、23、4から30歳くらいまでの若人の頭の中は恋愛でいっぱいなんやなぁということと、あと「彼女・彼がいる・いない」とはっきり言うよりも、リア充だとかリア充じゃないとかって言うほうが婉曲的で言いやすいのかなと。それと2ちゃんねるってよく見てるんだなと思った。スマートフォンに買い換えた理由のひとつが2ちゃんねるが見やすいからって言ってる子がいて、驚いたのだった。
帰宅して、ささっと着替えて寝る。夫から「ケンが帰ってくる30分くらい前から玄関マットの上でオスワリしてじっと待ってたで」と聞かされて、ケンかわいいよって頭をぐりぐりしてやる。『外交官 黒田康作』は録画をまたゆっくり見る予定。
(ケンは、リア充なん?)