人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

すれ違う美しい女性のこと



ケンの朝の散歩でよく会う女性がいる。20代後半くらいで、瀬戸朝香にちょっと似た、色白のふっくらとした美人である。仕事に行くのだろうか、駅に向う彼女とほぼ毎朝すれ違うようになった。暫くしたら彼女の方からちょっと口角を上げて笑いかけるような表情を見せながら、軽く会釈をしてくれるようになる。こういう美しい女性に朝から笑顔付きで挨拶されるのは、同性の私でも嬉しいくらいだから男性だったら、「かなり」朝が楽しみになると思う。

彼女はいつも髪の毛をシニヨンにして、ベージュのステンカラーのコートに花柄のシックなスカーフを首元に添えたり、紺色のシンプルなショートジャケットに大き目のチノパンを合わせて、細い足首を見せたり、バッグも籠バッグやらトートバッグとちゃんとコーディネートしていて、品がよくてお洒落なのだ。いつも今日はどんな装いだろう、とちょっと楽しみにしていた。

彼女はどうやらヒトヅマのようで、散歩途中にある4世帯が暮らす小さなアパートに住んでいた。ここは駐車場の車のナンバーが県外のものばかりなので、転勤で関西に来た人が借りることが多いようなのだ。彼女が住んでいるのは、二階の南西角部屋である。そこから出てくるときに前を何度か通りかかったことがあるから知っている。玄関ドアの横のスペースには折りたたみの自転車をいつもたてかけていた。アパートの部屋の中もきっときちんとしていて、洋服と同じように品がよくて、趣味がいいのだろうと、前を通る度に想像する。

そんな彼女と最近散歩の途中にすれ違うことがなくなった。最初は時間が違うからかな、とか、彼女はお勤めを辞めたのかなとか、適当に事情を推察していたのだが、何度か彼女のアパートの前を散歩時に通ってわかったのだが、どうやら引っ越した模様。彼女が住んでいる部屋はどの時間に通っても、雨戸が閉めてあって、立てかけていた自転車もなくなっていた。ドアノブになにか紙が紐でぶら下がっていたし。4月からご主人の転勤でどこか他所の町に行かれたのだろう。

彼女が引っ越したということを確信したとき、全く知らない人なのにちょっと寂しかった。と同時に、一瞬だけどストーカーの心理みたいなものを垣間見たような気がしたのだ。私は彼女と「おはようございます」以外の言葉は交わしたことがないし、ご主人と一緒にいるのも見たことがないのに、あらゆる状況証拠から前述のストーリーを組み立て、室内のインテリアなどを想像したりしたのだ。「美しい」だけでここまで注意をひくのだ。

ケンに「あの人、引っ越したみたいよ」と話しかけるように1人呟いてみた。ケンは飼主と違って興味はないようだった。

昨日の間食:
ヴァンホーテンココアのチョコレート半パック 175カロリ
ミルクティ
ひたすら黒豆茶を飲む
by himarayasugi2 | 2011-04-14 08:52 | 雑感
<< 同じ服を着て嬉しいとき、気まずいとき 家に人を招く、ということ >>