ちょっと前にネットで目にしたコラムが印象に残っている。関東と関西の女性に「彼氏に求める基準」を訊ねたところ、東と西では相手に求める基準が違うという話。記事を読むまでもなく、関西の女性が相手に求めるものの1位はわかった。おそらく「面白い人」とか「笑わせてくれる人」と予想したら、ずばりそうだった。で、全く見当もつかなかった関東の女性が彼氏に求める基準は、「優しい人」だった。
関東の女性は彼氏に笑いは求めないとのこと。で、悲しい夜の「今すぐ来て」の要求に応じられる優しい男がいいらしい。その「今すぐ来て」というのは、「ゴキブリが出たの、今すぐ来て」とか、長野でのサークルの合宿で彼氏のことでからかわれて恥ずかしいから、東京から長野に夜中だけど「今すぐ来て」も含まれるらしい。こういう「今すぐ来て」に応じる男の優しさというのがよくわからない。西と東の違いだけではないとは思う。で、関東では面白い男は彼氏に昇格できないらしい。面白い男っていうのはテレビの面白くない芸人さんみたいなのを思い浮かべているのだろうか。多分、関東の人の考える「面白い」と関西の人のそれとは違うのだと思う。というより、私は「面白い」というのはインテリジェントなことだと考えている。
遠い、遠い昔の記憶をたぐりよせると、学生時代の合コンとかサークルとかでは、ルックスとかが同じくらいだと絶対に「面白い人」がもてたと思う。面白いといっても、なにもお酒の席で芸を披露するとかでなくて、会話にユーモアのセンスがあるということである。うまく話しに入っていけない女の子に上手につっこんだりして、盛り上げたりとかそういうスキルも「面白い」に含まれる。具体的に言えば、1番面白かったころの明石家さんま(*1)の「恋のから騒ぎ」におけるさんまの話芸がその最高峰である。さんまのように会話を盛り上げるのは無理にしても、それに近いことが出来ると結構モテたと思う。さんまがあの番組で見せた素人相手に番組を盛り上げる話芸というのは、一見簡単そうで、めちゃくちゃ難しいのだ。場を読み取る能力、頭の回転の早さ、気配り、観察力などが要求される。会話の反射神経だって必要だ。
それに関西のお笑いによくあるパターンとして、誰も傷つけないで笑いをとり、場を盛り上げるというのがある。これは優しさだと思うのだけど違うのかな。なんか、必死で書いてしまったけれども、関西では笑わせるだけの男がモテるみたいにとられたら心外なので、弁護してみた。私自身は、ユーモアのセンスのない人は苦手である。別に毎日わらかしてくれなくてもいいけど、ユーモアを理解できる、笑いをとるときは自分を落として笑わせて絶対に他人を傷つけない、思いやりの延長に笑いがある、というのが老若男女問わず大事なことではないかなと考えている。
つらつら書いてみたが、私の夫は面白さでいえば普通だと思う。私とは面白いと思うポイントが同じなので、同じものを見て一緒に笑える。これで十分平和が保たれるのだ。
参考URL:http://career.cobs.jp/level1/yoko/2011/08/vs_6.html
*1:今はバラエティを見ないので、さんまがどんな感じかしらない。何年か前の『恋のから騒ぎ』のさんまの仕切りは、ほんとに上手だと思って観ていた。変らず面白いと思って視聴し続けているのは『探偵ナイトスクープ』だけ。探偵はみんな好きだけど、特に石田探偵は面白くて優しいと思う。
ショックなこと:昨夜、ボクシングのミニマム級の防衛戦が放送されていた。夫が「井岡が出る」と言うから「え、井岡って引退したのに、また復活したん?」と聞いたら、夫も「さぁ、そういうことちゃうんか」と言うのだ。で、テレビを観たら、引退した井岡の息子だということが判明。すごいショック。年月がたつのが早いのにもショックだし、こういうちょこちょこっとしたことで、年齢を感じるのだった。