人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

拾いませんわよ

*お食事中には読まないことを推奨いたします。

中高友で近所友のNちゃんとは、ご近所の噂話みたいなのもよくする。先日小耳に挟んだのは、Nちゃんが住んでいるマンションのまん前に早朝、特大の固形排泄物(要するにウンチである)を残していく存在についてである。だいぶ前からNちゃんは、マンションのエントランス付近や横断歩道のど真ん中に大型犬のウンチが拾われずにそのままになっていることが気になっていた。横断歩道のど真ん中だと何度も車が往復して、それはそれは無残な姿になっていつまでも残っていたりするという。

ケンの散歩に行くようになった経験から言えることは、拾わない飼主というのはだいたい同じ人である。お散歩バッグを携帯し、いかにも拾うように見せかけてそのまんま去っていく人は何度か街中や公園で目撃したことがある。そういう人は、注意をしたら間違いなく逆切れしそうな感じの人で、飼い犬がウンチをどこでしようが我関せずといった態度が、さもありなんという人であることが多い。誤解を恐れずに言えば、犬のウンチ案件以外でもネガティブな意味合いで近所の有名人じゃないかと、つい思ってしまうタイプである。

そういった自説を展開すると、Nちゃんは「まぁ普通はそういう感じの人が、置いていくって場合が多いかもしれんけどね、あんまり腹が立つからどんな人があんな人も通る道の真ん中にウンチを置き去りにしているのかずっと気になっていてね」と言う。なんとNちゃんは偶然、「ウンチを拾わない大型犬飼主」と遭遇したという。

「どんな人なん?」と私が身を乗り出して聞く。Nちゃんによると犬はX(あえて伏せている)という犬種だそう。めったに飼っている人を見かけないかなり大きい犬である。Nちゃんは珍しいから前からその犬のことを覚えていて、大きな体に愛くるしい雰囲気がカワイイなぁと思っていたらしい。つれているのは、上品な感じの中高年女性で、最初その人が拾わずに立ち去ったのを目撃したときは信じられなかったとか。偶然ウンチを拾う袋を忘れてうろたえているとかそうでもなくて、「私は、拾いませんのよ」といった感じで堂々としていたそう。排泄場所や、ブツの大きさから判断して、間違いなくいつも迷惑している置き去りウンチの主とその飼主だとNちゃんは確信した。「いや、上品なマダムがそういうところのマナー違反をするっていうのにびっくりしてんけどね、実はその人、近所の人なんよ」とNちゃん。その人はNちゃんの住居からほど近いところにある、大きくて素敵な洋館の住人という。

「へー、あそこの家の人?」「うん、間違いないよ。犬連れておうちに入っていくのを見たよ」あのセンスのよい洋館の住人が、そういったことに無関心だというのでがっかりしてしまう。Nちゃんもがっかりやわ、と言う。その人は相変わらず拾わずにいるらしい。

我が家の前でも早朝、たまに小型犬のウンチがそのままになっていることがある。夫は、「このウンチを全て集めてその人の家の前に置いていってやりたい」と怒っている。が、犯人はわからないままである。

昨日のテレビ:宮部みゆきの『魔術はささやく』のドラマを視聴。原作は大昔に読んでいる。細かいところは忘れているが、どういうトリックかは知っていて観ていたけれども、やっぱり面白かった。小道具が携帯電話になっていて、主人公が誰からの着信かをつきとめるために、辺りを見回すものの、その場の全員が携帯電話で通話中という場面が、なぜかとてもこわかった。あれだけ人が集まっているのに、その場に居合わせている者同士は会話せず、それぞれが耳に小さな金属のバーをあてて視線も合わさずに話しているなんて、ホラーである。木村佳乃が好演。奥田瑛二が催眠状態に陥るときの演技もこわかった。木村佳乃の弟役の男性も好演。六角さんとか、大杉蓮とかを普通の脇役にするという、えらく豪華な作りだった。小池栄子の憎たらしさが本当に上手い。宮部みゆきのストーリーは、筋自体は流麗であっという間にはまるのだけれども、わくわくというよりは、底から冷えてくるような恐ろしさがある。
by himarayasugi2 | 2011-09-10 07:45 | 雑感 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 柴犬も忙しい 週刊誌を立ち読み >>