思春期真っ只中の女子中高生だった私は、クリスチャンでもないのになぜ賛美歌を歌わなきゃいけないのかと妙に反発していた時期もあった。でも、賛美歌はとても美しくて、すぐに好きになった。毎年クリスマスの時期に開催されるクラス対抗の賛美歌コンクールを密かに楽しみにしていた。私はヘタクソなのでクラスの足をひっぱらないように適当に口をぱくぱくさせて、友達のデスカントやコーラスをうっとりと聞いていた。学校ではノリのいいクリスマスキャロルももちろん歌ったけれども、よく覚えているのは静かな曲ばかりである。クリスマスになるといつも「地味と言われようともAway in a mangerが1番好きだもん」と思っていて、12月には1人で必ず口ずさむのだ。夫に聞かれないように。夫によると私は信じられないくらい音痴らしい。