人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

ボード/鯛焼き/チャカ・カーン

ちょっとなごむ駅前
最近わりと多く見かけるのに、お店の人がボードに一言書いて道行く人に語りかけるという手法がある。例えば、アロマのお店なら「寒くなりましたね、冷えを防ぐにはXXがおすすめですよ」とか「風邪の季節におすすめのハーブティはエキナセアです」みたいに書いてボードを店頭に置く。通行人の足を止めさせることが目的だと思う。それ自体は珍しくもないのだが、土曜の夕方に大阪で夫と待ち合わせをしていて駅に向っていたとき、不動産屋の前を通ると、そのボードが通行人に向けて置いてあった。そこには「澤選手が、世界の最優秀選手におくられるバロンドールを受賞されました。おめでとうございます。すごいですね。私たちも澤選手のように頑張りたいと思います」と書かれてあった(ほぼ原文まま)。これを書いた不動産屋の言いたいことは、わからんことはないけど、頑張るって、何をどう頑張るねん、と条件反射的につっこんでしまう。ちょっと笑ってしまった。

駅を走る少年
電車に乗ってドアの横の席が空いていたので座る。通路を挟んだ正面の席には近所の学習塾の鞄(というかリュック?)を持った小学校の5,6年生くらいの少年が座っていた。その少年は椅子に浅く腰をかけていて、落ち着きがないのだ。彼の手には近くの美味しい鯛焼き専門店の袋がぶら下がっていて、どうやら電車に乗る前に駅前で鯛焼きを数尾買ったようである。ここは焼きたての熱々をいつも入れてくれるのだ。車内のアナウンスが「次はさくら夙川」と流れると、少年は立ち上がった。で、もう降りる準備を走る車内でしている。で、さくら夙川駅に着いて扉が開くや否や、脱兎のごとく電車を降りてホームを走ってあっという間に消えてしまった。私は彼が車内からして急いでいた理由がわかった。熱々の鯛焼きが冷めないうちに家に持って帰りたかったのだ。お母さんが「今日は塾の帰りに、みんなの分を鯛焼き買ってきて」とお願いしたのだろう。きっと、少年は鯛焼きが冷めないように、あのまま袋を握って家までずっと走って行ったのではないだろうか。そう考えると楽しくなって、しばらく1人でずっと笑っていた。

お誕生日おめでとう
大阪に行った理由は、夜にチャカ・カーンのライブを予約しているためである。チャカ・カーンの生のステージを見るのはこれが初めてである。ライブ会場は、チャカ・カーン世代が中心である。男性はスキンヘッドにサングラスに髭にという強面も多かった。女性はブティックオーナーとか、クラブのママ風とか、結構「マダーム」な人が多くて、毛皮率も高かった。やっぱバブルのときに『フィール・フォー・ユー』で踊った人なんだろうか。若い人もちらほらいた。私と夫は安い席の後ろの方である。でも狭いライブハウスなのでこれで十分なのだ。チャカ・カーンが登場すると異様な熱気に包まれる。彼女は思ったよりもずっと小柄でびっくりした。なのにすっごいオーラである。ライオンヘアに、テールの長いデコラティブな上着(フィギュアのコスチュームっぽい)にスリムパンツである。数曲歌って観客に「前にも私のステージに来てくれた人はいますか?」と訊ねると数名が手をあげていた。ステージの真正面で1番前の席の若めの女性がそのときチャカ・カーンに何か英語で話しかけていた。その後の展開でわかるのだが、その女性は「今日は私の誕生日なんです」と話したようだった。で、チャカ・カーンがその場で彼女のために「ハッピーバースデー」を歌い上げたのだ。なんて素敵な。最初はアカペラで始まって途中からバンドが控えめにかっこよく演奏をいれてあげていた。チャカ・カーンがお誕生日の歌を歌ってくれるなんて、羨ましい。暗くてよく見えなかったけど、お誕生日の女性は嬉しくてちょっと泣いていたようだった。わかる。私もチャカ・カーンに歌ってもらったら泣くと思う。

チャカ・カーンのライブはよかった。本当によかった。ひとつだけ残念だったのは、アンコールがなかったこと。そして「フィール・フォー・ユー」を歌ってくれなかったことである。生で「フィール・フォー・ユー」を聞けるのはこれが最後のチャンスだったかもしれなかったんだけど。

チャカ・カーンの場合は、歌が上手いとかどうたらという次元ではなくて、ステージの存在感とかアピールとかオーラとかの議論になるのだ。しかもバックコーラスの二名の女性の上手すぎるほどの歌唱力。一歩間違えば超有名になりそうなレベルだった。アメリカってこういう上手い人がきっとごろごろいるんだろう。バックバンドもとにかくこなれていてカッコイイ。ドラムのソロがあまりにかっこよくて、興奮して血管が切れそうになる。うーん、やっぱいい。最後の2曲はやっぱり立って腕を振り回して一緒に歌ったため、ちょっと疲れた。

でもなかなかよい土曜日だった。

ライブでは残念ながら歌われなかった「フィール・フォー・ユー」を貼り付ける。

by himarayasugi2 | 2012-01-15 08:46 | エンターテインメント | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< わかっている柴犬 金曜日のいろいろ >>