昼間、FM cocoloをつけていたら「ショートカットの女優が人気だそうです」と、関連記事を紹介していた。で、そのあとミクシにアクセスしたらラジオで紹介されたのと同じ内容の記事があって、エキサイトにも同様の記事があったのだ。ショートカットがさらさらロングヘアとついに同等に扱ってもらえるようになったということか。なんか私が中学、高校、大学、そしてバブルOLのころの価値観から変わったようである。
私は中学の間はヘルメットを被ったようなショートマッシュルームカットだった。部活をやっていたためでもある。高校にはいってクラスメートの頭がいっせいに聖子ちゃんカットになったとき、「硬くて、太くて、ごわごわで、多くて、クセがある」髪にも関わらずやっぱり私の頭も聖子ちゃんカットもどきであった。似合ってないことは薄々感じていた。大学に入るころには浅野温子とか石原真理子とか(あ、高木澪も)の「ストレートロング」とか「ワンレングス」の波がわが女子大にも押し寄せてきて、暫くは肩がバリバリに凝る、ほとんど苦行のストレートパーマをあてて(*1)ワンレングスを維持していた。が、すぐに友人に「長庵先生」(おそらく江戸時代の医師のイメージ)などというあだ名をつけられて、ヤケクソになってロングにソバージュパーマをあてて枝毛を量産した。このロングソバージュヘアは今の夫と付き合うまで続けていた。シャンプー後もなかなか内側が乾かなくて、ほんと大変やった。
結局、夫と付き合いだして暫くしてからショートボブにして、結婚後に東京で再就職するときには完全に耳をだしたショートカットにした。それからはちょっと耳より長くなったり短くなったりしながらもずっとショートである。やっぱり私の独身時代ではベリーショートにするには勇気がいると思う。当時キョンキョンとか『夏の扉』以降の松田聖子のショートカット以外は、「ロングにできない人の髪型、次善の策」的な見方も少なからずあったと思う。一般女子が「ほら私のショートカットって、キョンキョンとか聖子ちゃんとかと一緒だし」などという発言をしても失笑を買うだけだった。特に私は中学高校が女子校だったので、そのあたりの審判はシビアだったと思う。
ソバージュロングを普通の耳が隠れるくらいのショートに24-5歳でしたときは、45センチほど切った(美容師さんが測ったのだ)。そのときの爽快感といったらなかった。シャンプーも楽になったし、すぐ乾くし。それにショートだと嫌いな髪のクセも目立たないし、意外と洋服が似合うようになった。帽子も似合う。私はどちらかというとスポーティな印象をもたれることが多いので、ショートカットの方が褒められた。だからロングヘアに戻ることは今後ないとは思うし、それでいいと思っているのだが、でも一度くらい浅野温子みたいな細くてさらさらのロングのワンレングスを(けだるく)かきあげてみたかったなぁと思っている。やっぱりあれは、バブル時代に大学生やらOLを経験したものにとっては、いい女とかお洒落な女性を表すひとつの「記号」だったと思うのだ。
追記:キョンキョンのショートカットは強烈に似合っていた。あの細く尖った顎が彼女のショートカットをものすごく都会的で洗練されたものにしたのだと思う。あと好きなショートカットは古いけど『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンとか、『ゴースト』のデミ・ムーアのもの。オードリー・ヘップバーンもデミ・ムーアも輝いていた。
*1:関西ではパーマを「あてる」と言うのだけど、それは全国でもそういうとばかり思っていた。東京で指摘されて気がついたのだが、「パーマをあてる」「アイロンをあてる」「歯を洗う」って関西弁らしい。みんな「かける」とか「歯を磨く」って言うのね。