人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

伊達選手と糸井さんの対談

よく見るフォルダーの中のブックマークのひとつに、糸井重里さんが運営している「ほぼ日刊イトイ新聞」がある。といっても、月に1,2回ブイヨンのかわいらしい姿をまとめて見るくらいで終わることがほとんど。が、最近ひょんなことで「ほぼ日」の更新を楽しみにするようになった。それは現在、糸井重里さんとテニスの伊達選手の対談が連載されているからである。伊達選手は、シングルスの世界ランキングで4位まで上りつめた人で、1996年に一端現役を引退後、また2008年に選手として復帰し、現在も現役テニス選手として競技を続けている(数字はウィキによる)。復帰のニュースを初めて知ったときは、とても驚いた。たしか彼女はテレビで「日本の若い選手の刺激になれば」みたいなことを答えていたけど、その後の雑誌のインタビュー記事を読んだときは「真剣勝負の場が欲しかった」と理由を語っている。私は後者が本当の現役復帰の理由だと思っている。「ほぼ日」の対談は、糸井さんののんびりと穏やかな雰囲気もあって、伊達選手はリラックスして結構興味深い話を率直にしてくれている。伊達選手の笑顔から、対談がなごやかな雰囲気であることはすぐわかる。連載自体はあと数回残っているのだが、ここまででちょっと思ったことなどを伊達選手の発言の抜粋も混ぜて記録しておくことに。

伊達選手が、体はいつもどこかが必ず痛いんだという話
「でも、痛いところがあるぐらいのほうが調子よかったりするんですよね。テニスも調子いいし、体も調子いいし、なにもかも絶好調、っていうときは、けっこう結果が出ないことのほうが多いです。」

これ、テニスでなくても言えるかなぁと思う。以前、食中毒で2日間絶食してヘロヘロになって準備して当日も水しか飲まないで臨んだゼミ発表は、えらく先生に褒められたことがあった。後日「あの発表はすごくよかった」とメールが来たからほんまによかったのだろう。で、次の発表のときは体調も万全で頭も冴えているなぁという状態だったけど、発表後の先生のコメントは「ま、きれいにまとめときましたって感じで、もうちょっと追究できたんじゃないの」だった。どこか不調を抱えていると、それを補おうと普段よりも頑張れるのかなと思ったり。で、体調もよく絶好調だと自覚しているときは、つい余裕をもたせてフィニッシュするのかも。ま、伊達選手とはレベルが全然違う話だけど。

結局テニス選手としてトップに行くには何が大切かという話
「やっぱり、テクニックとか、身体能力とか、 持って生まれたセンスっていうのも、 絶対あると思います。ただ、「情熱」っていうものだけは、 教えることができないですからね。」

これは、ジュニア時代に彼女よりもずっと上手だった選手たちが意外にもその後は戦績が振るわなくなったという話の中で、なぜあのときヘタだった自分が残れたのかについて、いろいろ語っているときの一言である。彼女がどれだけテニスがジュニアのころから好きだったのかが窺えるエピソードも沢山紹介されている。彼女の口から「情熱」という言葉が出てくると、ぞくぞくする。「ただこれが好き」「これをやりたい」っていう説明できないけど、心の底から突き動かされるような衝動がないとやっぱり10年以上のブランクを経て現役復帰はないだろう。情熱を持ち続ける、なんて書くと青臭くてどうしようもないけれども、その大切さは、40歳を越えるとわかる。

そして、現役復帰のきっかけとなったナブラチロワとグラフとのエキシビションマッチに出場するために練習を開始して、だいぶ勝負勘が戻ったところで若い女子選手と練習試合をするのだが、なかなか勝てないのだ。そしてそのときの気持ちを振り返ってこう語る。

「なにかがどこかで噛み合えば、 勝てる気配があると思ってたんですよ。だけど、その噛み合うところまで、 行けそうで、なかなか行けない。そんなふうに感じはじめたとき、そういうことを考えている自分、っていうのに気づいたんですね。あれ? なんでそんなこと思ってるんだろう、と。なんで勝つ必要があるんだろう、と(笑)。」

ここで彼女は自分の中に勝ちたいという気持ちが出てきたことを自覚する。そして、現在のご主人が、現役復帰へ彼女の背中をもう一押しするのだ。それが次の言葉。

「ぼくは見てみたい、って。エキシビションマッチとかじゃなくって、 真剣にやってる公子が見たい、って言ってたので。」

素敵なご主人。「いい年してやめといたら」とか「テニスコーチでいいやん」とか「僕の世話は誰がするん」「ご飯はー?」「練習は週3日くらいにしてね」みたいなくだらないことは言わないのだ(でもこういうこと言う人もいそう)。輝いている彼女を見たいから、応援してくれるのだ。この言葉はとても嬉しかったんじゃないかなと思う。

で、対談はその後全日本選手権にも復帰して、優勝するあたりの話も語ってくれているのだ。で、対談の連載は今日の分もいれてあと4回。楽しみ。

伊達選手の対談(「ほぼ日」の中のURL)ブログ中の伊達選手の発言は、すべて「ほぼ日」からお借りしました。
http://www.1101.com/kimiko_date/2012-06-11.html これは第一回目。
ご興味のある方は、是非最初からごらんになってください。
by himarayasugi2 | 2012-06-22 08:49 | スポーツなど | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 携帯 特記事項なし、走り書き >>