夕方ケンの散歩をしていたら、すぐ近所の白柴のハッピーちゃん(1歳半の女の子)も丁度お散歩に行くところだった。ハッピーちゃんの飼い主のお姉さんは、いつもケンを見かけると「ケーンちゃん、かわいー」とわざわざケンのところまで来て、ニコニコ笑ってケンをいっぱい撫でてくれるから、ケンはハッピーちゃんのお姉さんが大好きなのだ。お姉さんは、若くて、優しくて、かわいいから、ケンの好みなのだと思う。犬にはあまり興味のないケンは、お姉さんが気になってしょうがなくて、いつものように僕のことヨシヨシしてくれないの?という感じで、ととととっとお姉さんに近づこうとしたら、いつも「あたし、ハッピーちゃん!」とニコニコフレンドリーなハッピーちゃんが、マズルに皺を寄せて「あたしのお姉さんなんだからっ!あっち行って!」とお姉さんとケンの間に立ちふさがって吠えるのだ。ケンはハッピーちゃんの迫力にびびってその場で地蔵のように固まってしまう。ケンは13キロで、ハッピーちゃんは8キロあるかないかなのに、完全に負けているケンちゃん。吠え返すこともできず。
お姉さんは「すいません、ハッピーがガウガウ言って」と謝るから、ハッピーちゃんはケンがお姉さんと仲良くしようとするから焼き餅を焼いているんだと思うって私が言ったら、お姉さんはハッピーちゃんに、「ケーンちゃんはかわいくて優しいから、仲良くするのよ、ハッピーちゃんもいい子にならないとダメでしょう」と優しく話しかけていた。神妙にお座りをして聞いているハッピーちゃんだった。ハッピーちゃん、かわいい。ケンは私がハッピーちゃんを撫でても、全然怒ったりしないのだ。それも、なんか、さみしい。焼き餅もちょっとは焼いてくれたっていいと思うのだけど。ケンは私がどの犬と仲良くしようが関係ないのかなぁ。
「僕はただ、お姉さんにヨシヨシしてもらいたかっただけやねん」
(おもちゃを散らかして注意をひいてみせるケン。)
(で、レオを選んで逃走する。)
最近、空耳ならぬ空目が多い。大抵は2,3秒のうちに「あ、読み間違えた」と気づくのがまだ救いである。金曜日の読み間違いは、ネットであるお店のメニューを読んでいて、「特製野性ソース」とあって「なんだー、野性ソースって、どんな味なんだー」と思ってもう一度目をやると(案の定)「特製野菜ソース」だった。
夜、寺尾聡がコミカルな探偵役で出ているドラマをちらと見る。サングラスをかけるとまるで『西部警察』のリキであった。ものすごく懐かしい。寺尾聡って、幾つになってもジーンズが似合う。顔とか全然、いわゆるハンサムでないのにね。やっぱり雰囲気があるっていうか。粋な感じ。顔が整っていても雰囲気のない俳優は、年齢とともに野暮ったい感じになるんだけど、寺尾聡は若いときより今のほうがいいと思う。