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ヒマラヤスギ雑記

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ためらうな

昨夜、歯を磨いていたら、リビングで夫が裏返った声で悲鳴を上げるのが聞こえてきた。「でたーっ、でたでたでた」と。文脈から推察するに、ついに今シーズン初のGが台所方面からリビング方面へと疾走してきたらしい。歯ブラシを口につっこんだまま現場へ駆けつける私。夫は「ゴキブリ凍止ジェット」とノズルが装着済みの「ゴキジェットプロ」を両手に握りしめGを追いかけている。まるで漫画のようである。が、夫はなんとなく腰がひけているのだ。「まず、凍止ジェットをかけて動きを止めてから、殺虫剤をピンポイントでかけて!」と指示する私。「お、おう」と言いながら、凍止ジェットを夫はかけたのだが、タイミングがずれていて、一部しかかからなかった。当然、Gは逃げる。このタイミングのずれ、というのは夫の腰の引けていた体勢に起因していると思われる。もっと踏み込まなくては。テニスでウイニングショットを打つ時みたいに。

Gはオーディオを乗せているキャスターと床の隙間に必死でもぐりこみ姿を消した。夫に「すぐにノズルをつっこんで、キャスターの下に噴射!」とまた指示するも、夫は腰がひけたまま、「どこにいるか見えへんし…」と言う。何を言っているのだ。姿が見えなくても、Gはキャスターボードと床との間の隙間にいるに決まっている。他に出口はないのだ。だから、ノズルを入れて噴射すれば、そのうち「ゲホゲホ」と苦しくなって新鮮な空気を求めて必ず姿を現す。そこを待ち伏せてしとめるのが、セオリーである。こういったことを早口で歯ブラシを口にいれたまま、夫にまくしたてたのだが、「え、そうなんか」とまだ腰がひけたままやってくれない。このままではGの逃亡を許すことになってしまう。それは絶対に阻止しなくては。私は「ちょっと、貸して」と、夫の手から殺虫剤をもぎとりキャスターボードと床の隙間に毒ガスを吹き付けた。待つこと10秒、案の定、苦しくなったGが出てきたので、そこを一発で仕留める。死体の処理は夫にお願いした(実はこれは苦手←めちゃ自分勝手な私でもある)。

「Gと闘うときはね、躊躇したらあかんのよ、見つけたらとにかくすぐ殺す、必ず殺す」と先ほど凍止ジェットの噴射のタイミングが遅れた夫を責める私。夫はのんびりと笑いながら、「ヒマラヤスギは、あれやな、引金をためらわずに引けるタイプやなぁ」と言う。「僕は、拳銃を持っても、なかなか引金が引けなくて、逆に殺られるか、逃げられるタイプかなぁ」とも。そうかもしれない。映画とかドラマとかで、人を殺すシーンでよく「冥途の土産に教えてやろう」とかいって、すぐに引金を引かないで、セリフを喋っている人を見るけど、そんなことしてるから、反撃をくらうのだといつも思って見ている。冥途に土産なんて持たせる必要なんかない。すぐに引金を引かないと。ためらってはいけない。

一応、Gの駆除の話だった。脱線しまくり。
by himarayasugi2 | 2013-07-06 07:42 | 雑感
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