貼り紙:
朝、出勤する夫と一緒にケンを連れて散歩に出る。可燃ごみの日だった。夫がゴミ袋を持ってその少し後ろをケンとついていく。すると、久しぶりに上(北)に住んでいる豆柴ちゃんとも会う。飼い主さんと「おはようございます」と挨拶を交わす。なんのストレスもない、平和な朝の穏やかな会話である。すると、見慣れない車が曲がり角のど真ん中に「にゅっ」と変な停め方をする。30代後半くらいの女性が紙を手に降りてきた。表情はとてもぴりぴりしていて、どうしたんだろうと思う。女性はゴミステーションのすぐ横のコンクリートの柱に最初、手にしていた紙を貼ろうと位置決めをしていた。夫とその横を通るときに貼り紙をちらと見たら、「猫を探しています」と大きく書いてあった。手作りの、カラーで、鮮明な猫の写真が印刷されている。立ち止まって読むことはできなかったけれども、女性のあのぴりぴりした表情の理由はこれだったと確信する。
女性は車の中の人物(おそらく子供)に「この位置はどう?」と訊ねていた。どういう返事があったのか知らないけれども、そこに貼るのはやめたようだった。猫の身をとても案じている。当然だろう。車で回っているのだから、遠くから来られたんだろう。思わず、ケンのリードを持つ手に力をこめる。もしケンのためにこういう貼り紙を作ることになったら、どうしよう。考えただけでも身体がこわばる。私は、迷い犬の告知もつらくてちゃんと読めない。動物の安否が気になるのはもちろんのこと、飼い主さんがどれだけ不安かがよくわかるからだ。大切な犬や猫がある日突然いなくなったら、すべての飼い主さんは、眠れない日々をすごしていると思う。猫を探していたあの女性も、憔悴していた。あの女性の猫が1日も早く無事に見つかりますように。
ラジオ体操:
先日行った体の歪みをとることを謳った整体のトレーナーが、筋肉の繊維の柔軟性に差がありすぎる場合、やみくもにストレッチをやると、ときに固い筋肉を傷めることもあるという。で、「そういうときは無理なストレッチより、軽くラジオ体操のほうがいいですよ」と忠告される。ラジオ体操!懐かしい。なので、朝、基本のストレッチをしてからユーチューブでラジオ体操の第一と第二の動画を探して、やってみる。
意外と疲れた、といっても心地よい疲労感ではないか。驚いたのが、私の体がラジオ体操の第一をほとんど覚えていたことである。第二は部分、部分で覚えていた。小学校のときからやっているから、当然といえば当然だけど。それに、あのころはあくびしながら、よそ見しながら、ときにウトウトしながら、ラジオ体操など軽く流せたのに、今はそんな余裕はない。全神経がラジオ体操に集中してしまう。小学生時代の体と現在の体とのすさまじい乖離を体感して、笑える。
東京時代に、高田馬場のイタリア語教室に通っていたのだけど、そのときに留学生のイタリア人の講師が、日本にきてめっちゃびっくりしたのがラジオ体操だと話していた。幼稚園児も、大人も、みんなおんなじ体操をやっていて、しかもみんな知っていることに驚愕したそう。集団でやるのも珍しいのかもしれない。イタリアにはそういう体操がないんだと思う。
ラジオ体操をやって思ったのは、この体操は省スペースだなということ。パソコンで動画を再生しながらそれを見てやったのだけど、パソコン机と後ろの壁って2メートルも離れていないし、壁際には本棚があるし、で幅1メートルちょっとくらいのスペースだけど、ちゃんとできた。ヤムナボールとかだと、かなりスペースを要するので、やっぱりこれだけみても、ラジオ体操って狭い日本向けだ。毎日、1、2回はやろうかな。第二も覚えよう。
そういうわけでラジオ体操である。ご一緒にどうぞ。