人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヒマラヤスギ雑記

cedar2.exblog.jp

『刑事ゆがみ』が好きすぎる。

『刑事ゆがみ』が面白くて、今期一番気に入っている。木曜の夜が楽しみでしょうがないのだ。演技する浅野忠信を見たのは、このドラマで初めだけど、こんないい役者さんとは知らなかった。浅野演じる弓神刑事は、表面的には、ヘラヘラしているけど内に結構な闇も抱えている。でもって、本当は繊細で優しい、そして刑事としては超優秀という難しい役柄を、魅力的に完璧に演じている。で、こういう優れた役者とずっと画面に映るという大役を、神木隆之介は、これまた完璧に果たしている。神木隆之介演じる羽生刑事は、エリート志向が強く、腹黒で、童貞で(という設定)、世渡り上手で世の中斜めに見ているようで、実は、純粋で真面目で優しい、というこれまた複雑なキャラクターである。へたくそな若手俳優が演じたら、もう目も当てられないと思うのだけど、神木隆之介は、やっぱ、めちゃくちゃ上手で、浅野忠信と一緒でも、まったく負けていない。

やっぱり、ドラマは、脚本と演技の上手い(あたりまえだけど人気があるという意味ではない)俳優が揃ってなんぼである。このドラマ、ストーリーもなんか切なくてよいのだ。

昨夜のストーリーは、かなりつらかった。定年退職した元銀行員で、ずっと独身で家族のいない初老の男性が、年配の資産家女性を狙って詐欺を行っていたのだが、それに気づいた女性を殺してしまうという話。女性は、浅野忠信が昔逮捕して、今、キャバ嬢やっているシングルマザーで、施設にいる息子と一緒に暮らすために、更生して必死に生きているのに、殺されちゃう。この人のストーリーもかなり切ないのだけど、結構、がつーんときたのは、初老の男性の「事情」だった。

この男性は、今まで必死で働いてきてそれなりの生活を築いてきたのだが、なんせ今まで仕事一筋で、趣味もなく、友人もなく、家族もなく、だったので、引退後の有り余る時間を持て余す。なにをして過ごしてよいのかわからなくなる。時間が経つのがこんなに長いのかと毎日思い、はりあいのない生活に絶望していた。そんなときに投資詐欺をやらないかと誘われる。詐欺をやりはじめて、彼は生き生きとしだす。元銀行員だった知識を活かして投資詐欺は順調に結果を出してゆく。詐欺グループにおだてられ、必要とされる自分に戻り、「仕事」を再び手にしたことに喜びを感じる。その詐欺を告発しようとした女性を、せっかく手に入れた仕事を奪われまいと殺してしまうのだ。

逮捕された彼は取調室で、刑務所内でも仕事はあるのかと羽生刑事に訊ねる。羽生は、「凶悪犯と一緒に雑居房で働くことになる」と告げると、彼はほっとした表情を見せるのだ。仕事があるなら刑務所も悪くないと。

あー、これは他人事ではないなと思ってしまった。私も長く続けられるものをもたなくては。先日友人のメールで「やらないといけないこと、やりたいことがあるのは幸せだ」と指摘され、先日読んだ本でも「目標」の存在が日々を充実させるとあって、これからの生活に必要なのは、お金(これはないとなにもできない)と「やらないといけない、やりたいこと」と「目標」だなとずーっと考えていた。


前も書いたけど、稲森いずみもすごくよいのだ。このドラマ、笑わせる場面も多いのだけど、犯罪の背後の「人間」をきっちり描いているところが好き。笑わせる場面も、すかっと爽やかでなくて、なんかこう、ブラックなところが好き。オープニングも大好き。このドラマに関して唯一の不満は、なんでこんなに視聴率が低いのかってこと。なんでー!はっきり言えば、今期の『相棒』よりもぜーーーーったいに面白いけど。



今日から12月。あっという間に1年が終わる。はー。
大型論文案件が一段落してから、よく眠れるようになってきた。夏前の睡眠に戻ってきた。やっぱりいろいろとストレスだったんだなぁと思う。 








by himarayasugi2 | 2017-12-01 10:30 | エンターテインメント | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 少しだけ社交的になった柴犬 まとまらなかった。 >>