うちには書斎がない。パソコンコーナーはキッチン横に設計してもらったが、プリンター、ファックス電話、ルーターとかモデムとかバックアップサーバーとかの黒い箱が4つ、その横にノートパソコンを置くと、奥行きが狭いカウンターは、いっぱいになる。何冊も文献を広げるスペースはない。パソコンコーナーは、文字通りパソコンを使うためだけのコーナーである。おまけにエアコンも床暖もこのエリアは届いていないので、冬場の長時間の使用は厳しい。
DLした資料とか、論文とか、テーマごとのファイルなどは、パソコンコーナーに面した壁つけの本棚に押し込み、そこから溢れたものは、パソコンコーナーのカウンター下に置いた引き出しワゴンにいれている。本は、小さな本棚と、オーディオコーナーの上部のシェルフやトイレの横のシェルフの空いているとことか、使っていないダイニングチェアに積み上げたりしている。ちょっと古い資料などは、1階の寝室の本棚とか、廊下の物入れに押し込んでいる。ものすごく高価な本は、まめに借りてきている。借りている本をシェルフにしまい込むと行方不明になりそうなので、常にリビングの目の届く場所に置く。故にリビングは、雑然としている。
作業は、ほぼダイニングテーブルで行っている。ワイヤレスLANである。文献をいくつか広げて基地を作り、手を伸ばせば必要なものに手が届くようにしている。コックピットみたいな感じ。ワゴンもテーブル下につける。ご飯を食べるときは、文献同士を交互に重ねてパタン、パタンと栞になるようにかませて閉じ、ブックタワーにし、それを崩さないようにしてテーブルの端に移動させる。1年のほとんどがこういった感じで、来客時を除きテーブルはぐちゃぐちゃである。
夫が在宅で仕事をするときは、長方形のダイニングテーブルに対角線上に座り、パソコンの正面スペースにはモノを置かずに、残りのスペースを分け合って作業をする。飲食時には、パソコンをぐいっと前に押して、手前にスペースを作り、飲食するのだ。
先日の研究室の集まりのときに、上記の窮状を訴え、独立した書斎があったらなぁと言ったら、K先生(子育て真っ最中のお母さん)が、「私も、いつもダイニングにパソコンと文献持ち込みで、ヒマラヤスギさんと同じように文献を交互にかませて、重ねて移動させている」とおっしゃる。先生の御主人も研究者で、やはりダイニングテーブルに奥様のK先生と対角線上に座り、スペースを分け合ってらっしゃるというではないか。食事時にパソコンを前にぐいっと押して手前のスペースでご飯を食べるのまで同じだった(それが判明したとき大笑いとなる)。なかーま!K先生夫妻にはちゃんと書斎はあるのだが、部屋はとうに文献に侵略されていて、書斎は書庫になってしまったらしい。あとK先生は、ノートパソコンは本棚に縦にしてしまうことにされている。「うちにはノートパソコンを水平に置くスペースがない」(冗談とは思うけど)とおっしゃるのだ。
それを横で聞いていたゼミ先生とY先生が、「僕らもダイニングテーブルでやっている」と話に入ってこられる。やはり書斎が文献でいっぱいになり、パソコンを持って家の中を放浪しているのだとか。Y先生の奥様も研究者で、奥様はリビングのコーヒーテーブルで、Y先生はダイニングテーブルで作業を行う。猫がY先生の文献の上とか、パソコンのキーボードに座って邪魔するとかとか。証拠写真も見せてもらう。ほんとに邪魔してる!
私は先生方に比べて、持っている文献も圧倒的に少ないから、独立した書斎があったらダイニングで作業することはなくなるとは思うけど(どのみち無理な話)、先生方は、それでもダイニングでやるほうがいいんだとおっしゃる。
「光熱費の節約になる」「滅入らない」「子供もダイニングで宿題するから」とかとか。
DLした資料は、PDFでも持っているのだけど、紙を処分する思い切りがない。読みながら書き込んだメモとか、すごくあとで役に立つし。紙で読まないと頭にはいらへんし。先生方もそうなんだろうか。というよりも、PDFにする時間もなさそう。
ここでいきなり結論:
結局は、「書斎」的な機能を、各自が確保する努力をすることが、大事だということだろう。書斎とはこうあるべきというのはなく、十人十色なのだ。カフェのような適度に人がいるザワザワっとした場所は、集中できることは知っている。そこで作業をすることもあるし。私には、ダイニングテーブルと、散歩道と、カフェが書斎の代わりとして十分かなと。
大坂なおみ:
優勝したー!すごい。完全になにかが目を覚ましたって感じだ。みてても負ける気配が全然なかったし。おめでとうございます。4大大会でもタイトル取れるんじゃないかと期待している。
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