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ヒマラヤスギ雑記

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テレビとか激怒とか

昨晩視聴した番組は、どちらもとても面白かった。最近、テレビのことしか書いていない。駄目だわ。危機感ないけど。

視聴するドラマを減らさなくてはならないのに、昨日の『コンフィデンスマン』が面白すぎた。どうしても視聴をやめられない。昨夜は、美術評論家を騙すエピソードだったけど、脚本にあれやこれや小ネタが詰め込まれていて楽しい。フリーダ・カーロの扮装で、ダー子がフェルメールの《真珠の耳飾りの少女》の贋作を制作してみたりする。そのフェルメールもどき画が、まるでちょっと前に騒ぎになったスペインのキリストの壁画の最悪の修復後にそっくりだった。脚本家が、あらゆることを風刺していて、それが最高だった。

「絵は、心で見るのではなく、知識と情報で見るものだ」というのは、正しいと思う。そして、「美術評論家は、ゴッホを最初に発掘した評論家になりたがり、ゴッホの才能を見抜けなかった評論家にはなりたくない」というのも、正しいと思う。このあたりのセリフが聴かせる。脚本家は、美術評論家()のうさんくささや、絵画の価格設定の根拠のなさなどをこれでもかと皮肉る。長澤まさみの振り切った演技が、すんばらしい。『コンフィデンスマン』だけは、視聴ローテーションからどうしても外せない(そんなドラマばかりでどうしたらいいのだ)。

そしてその後、NHK で『プロフェッショナル仕事の流儀』を視聴する。一万円で、その人の心に届く本を選んでくれるという、「一万円選書サービス」が話題の北海道の岩田書店の店主、岩田さんが、今回のプロフェッショナルであった。このサービスは、岩田さんがその人の境遇、読書体験などを細かく書き込んだ「カルテ」をもとに、予算1万円でその人のためだけの本を選んでくれるというもの。3000人もの人が、岩田さんに自分のための本を選んでもらうために待っているのだ。岩田さんは、ものすごい時間をかけて本を選ぶ。それなのに、書籍代金と送料しかとらないのだ。オンライン書店の効率性とは真逆のビジネスだけど、だからこそ今必要とされるのだと思う。私も選んで欲しい。

ちらちらと映る本のタイトルの中に、読んだことのあるものを見つけるととても嬉しい。岩田書店では、岩田さんが面白いと思った本しか仕入れないという。お父さんを2月に長い闘病の末に亡くした女性に、岩田さんは選書の1冊に詩集を選んだ。詩の一節が紹介されていたけど、ちょっとぐっと来た。親を失ったすべての人の心に届く本だと思った。岩田さんは、本を処方するお医者さんみたいだ。

番組を見ながら夫と話していたのだが、この「一万円選書」に応募する人はみな、自分のことを理解してもらいたいという願望があるのではないかと思う。本を介したカウンセリングのような感じである。そしてこのような取り組みは、本を愛し、本を知り尽くす、岩田さんのような書店員の存在なしでは成立しない。

私の読書は、偏っていると思う。翻訳ものが多く、ジャンルはミステリー、ファンタジー、ノンフィクションってとこだろうか。なので、こういう偏向をやわらげ、かつ、心の奥にどーんと入ってくるような本を、誰かに決めてもらいたいという願望がある。出会う本が、新しい世界の扉をほんとに開いてくれるんじゃないかという期待は、今も昔もずっと抱いている。最近は、あまり娯楽の本を読めていなくて、よろしくないなと思っている。

岩田さんは、どんなに経営が苦しくても、「一万円選書」をやめなかった。本屋も畳まなかった。やめてしまったら、自分のそれまでの人生を否定することになるからという。岩田さんがやめなくてよかった。プロフェッショナルとは、信念のある人だと思った。


激怒:
アメリカの古本屋から一か月ほど待って買った本、「良品」だとあったのに、使用感ダダ漏れで、ボロボロなものが届いたことは先日書いた。読み進むうちに225ページから240ページがごっそり抜けていることが判明する。途中でページを抜いた痕跡はないから、最初からこのページが抜けている落丁本だったのだ。くーーーーーー。こんな中途半端な場所のページが抜けているとは!書き込みまくったし、古いし、相手はアメリカだしね、今、読まないといけない本だしね、交換する気力も時間もないしね、もうね、怒りブルブルである。なにが顧客満足度94%だよ。新品買ったら、むちゃくちゃ高いから、中古本にしたのに。それでもそんなに安くはなかったのに。足元みてるよね。腹立つ。







by himarayasugi2 | 2018-04-24 09:11 | エンターテインメント | Comments(0)
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