私は、タバコを吸わない。吸ったことがないし、今後も喫煙するつもりはない。夫は、結婚して半年後にタバコをやめて以来、吸っていない。
私はタバコの煙が漂う空間が苦手で、ニオイにもとても敏感である。喫煙者が視界に入っていなくても、ニオイですぐに、近くで誰かがタバコを吸っていることがわかる。また、そのとき吸っていなくても、目の前にいる人が喫煙者かどうかニオイでわかることも多い。世間では私のような人は、嫌煙家と呼ばれるのかもしれない。25年以上も喫煙から離れている夫も私と同じである。
私が新卒で就職した会社は、部署ごとで喫煙に関するルールがあった。ほとんどが喫煙室においてのみ喫煙可能だったけど、私がいた部署は、就業時間以降は席でも喫煙可で、それがとても嫌だった。残業している間はずっと受動喫煙状態なのだ。あの時代はそうだった。
今は分煙が当たり前で、その分煙方法も、パーティションを1枚置いておくといった(煙が禁煙席に漂ってくるような)「手ぬるい」ものではなくて、しっかりと「喫煙室」が設けられているところが多い(*1)。喫煙可能な飲食店(居酒屋とか)でも、少なくとも研究室の人たちは、絶対に食事の場では吸わない。吸いたいときは、店の外に出て吸っているようだけど、ほとんどそれもしない。そもそも昔のヘビースモーカーみたいな人がいないから。
私は、嫌煙家かもしれないが、喫煙者を嫌悪しているのではない。ただ、マナーを守らない喫煙者が苦手なのだ。また、お店自体が喫煙可であっても、その業態によっては喫煙可にすべきではないと思うお店もある。
喫煙可のドッグカフェが、たまにある。喫煙可の店だとわかると入店しない(テラスのみ喫煙可とかでなくて、室内席でも喫煙可の店を指す)。人間よりも体重の軽い犬が集う場所をわざわざ喫煙可にする店主とは、きっと根本的な考え方が違うのだなと思う。その人は、小さな子供や赤ちゃんの目の前でタバコを吸えるのだろうか。
先日の鳥取旅行のとき、トイレ休憩で何度かSAに立ち寄った。最近では、ドッグランがあるSAが多く、こちらもできるだけそういうSAを選んで休憩している。これまでケンとのドライブ旅行で立ち寄ったすべてのSAには、(記憶が正しければ)喫煙コーナーが設けられていて、そこ以外では喫煙はできないようになっていた。ところが、山陰のあるSAのドッグランで、喫煙している人がいた。喫煙コーナーは、ドッグランからかなり離れている、SAの端っこにあった。そこまで行くのが面倒くさいのだろう。ドッグランには当然、灰皿なんか置いていない(だって喫煙不可エリアだから)。その人は、いつもやっているかのように、ごく自然に、タバコの灰を地面に落としていた。この人とはお友達にはなれないなと思った(お互いにそう思うだろうけど)。
喫煙コーナー以外での喫煙は、トイレ以外の場所で立小便することと同じだと思う。
*1)東京横浜時代にキンローしていた英国資本の企業にも、3畳ほどのガラス張りの喫煙室があった(目張りがバッチリされていた)。いつのまにかそこに、誰かが「GAS CHAMBER」と書いた紙を貼っていた。その貼り紙は、オフィス移転までずっとそこに貼られていた。なんか、余裕である。こういうのを怒りくるって剥がす人が誰もいない会社だったからか、働きやすかった。
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