*字のサイズが途中で小さくなるのですが、なぜだかわかりません。大きさを揃えられずすみません。
Nが数日前に「チケットをいただいたから、生田神社である曲水の宴に一緒に行かない?」と誘ってくれた。曲水の宴とはなんぞやということで、ウィキで調べてみる。
水の流れのある庭園などでその流れのふちに出席者が座り、流れてくる盃が自分の前を通り過ぎるまでに詩歌を読み、盃の酒を飲んで次へ流し、別堂でその詩歌を披講するという行事である。流觴(りゅうしょう)などとも称される。略して曲水、曲宴ともいう(『広辞苑』第2版)。
これを最初読んで、「え?私が歌を披露するの?」と壮大な勘違いをやらかして「いくらなんでも無理や、ハードル高すぎるし、何を着ていくんだ」と考え込むも、他の神社の曲水の宴について書かれた記事などを読んで、すぐに「なーんだ、観客なのね、よかったー」と安堵する。最初から必要のない心配をして、勝手に自己解決しただけなんだけど。
曲水の宴を描いた山本若麟の1790年作の『蘭亭曲水図』
2時過ぎに三宮で待ち合わせて生田神社へ。お天気がよくて暖かでよかった。ただ、観客席は木陰にあるから、Nから絶対に冷えるから暖かい服装でと指定されていたので、ユニクロの薄いダウンを持っていった。
生田神社の奥には生田の森というのがあって、そこに水が流れていて、その水辺に歌人が座り盃が2回目に流れてくるまでに歌を詠む(間違っていたらごめんなさい)という流れ。といっても歌は既に出来上がっていて、歌人たちはその場で「詠む」ふりをしている。
開場を待つ人の列はかなり長い。みなさん良い席で見たいのだ。ただNは、お年寄りが多いから私たちは席がなければ立つか、空いていても最後列の席にしたほうがよい、と事前にアドバイスが。確かに年配の方が多い。
始まった。以下、式次第の順に取った画像。
(参宴者(歌人)のみなさん。一応、顔が映っていないものをセレクトしました。とはいっても全員お名前はパンフレットに書いてある。)
女性は、みなさん十二単みたいなのをまとっていて、裾を持ってもらっている。
この日のお題は、『初(はじめ・はつ)』である。
神酒の注がれた盃が歌人のもとへと流されるところ。最初はうまく流れず、このポイントを通過するとスムーズに流れだした。
この盃のアップがこれ。
この形は由緒正しきもので、いろいろ説明があったが、失念。なかなかにかわいい。
詠み終わった歌を披講者(近衛忠大さん:宮中歌会始披講会の方)へと届ける。
和歌朗詠をされる近衛さん。独特の詠み方だけれども、聴きとれる。全員の歌を詠み終わったら、退場となる。
入場の順番で、退場である。
会場の様子。
生田神社の桜も少し。
私の隣に座ってらした年配の女性(アラエイトくらい?)は、地模様のパンツセットアップの上に墨黒に白のストライプが入った着物を洋服にリフォームされた上着を羽織って、足元がピンクのナイキのスリッポンだった。これ、ニット?メッシュみたいで、かわいらしいのだ。思わず、「素敵な靴ですね」と話しかけたら、「うふふふふ、子供みたいでしょ」って笑ってらした。で、この人、iPadで撮影されていた。かっこいい!
出口でその日の歌の一覧と、お菓子をいただく。歌は、春の情景が浮かぶもので、ひとつだけここにも記録しておく。
初あかり低くさしつつ草原の霜の衣の融けゆく早し
新屋修一(兵庫県歌人クラブ副代表)
兵庫県知事の井戸さんも詠まれていた。
木陰の席は、やっぱり冷えたのでこの後Nと星乃珈琲に行ってパンケーキセットを食べてあれこれ話をして帰る。Nとは近所なので、帰るタイミングも同じである。いろいろ話すことはあった。
この日は、午前中は大学であれこれあって、一度帰宅して、ケンにトイレをさせてから、お昼ご飯にチキンラーメンをお腹に入れて、すぐに慌てて三宮に向かった。めちゃくちゃ疲れて、夜は気絶するように眠る。
新学期が始まった。
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