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ヒマラヤスギ雑記

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NHKのドラマをよく観ている。

最近、NHKのドラマをよく観ている。

『ハムラアキラ』
金曜日の『ハムラアキラ』は面白かった。民放ほどキャスティングありきって感じではない。ドラマの世界観にあう人選が、結果としてドラマを面白くしていた。俳優のイメージもアップしている。主役演じるシシドカフカの手足の長さと、中世的な体型に、修正が一切不要の整った美しい顔立ちが、ドラマの「格」を上げている。シシドカフカの演技力はよくわからないけど、とにかくあの不可思議な雰囲気のドラマに彼女の個性がぴったりだった。

このドラマでいいなと思ったのは、主人公ハムラアキラが究極のミニマリストというところと、あんなにスタイルがよくて美しいのにファッションはいつも黒中心のシンプルモノトーンというところ。黒いリュックに、黒いアウターに黒いスリムなパンツでも、隠しきれないセンスの良さに美しさ。喪服のワンピースに一連パールネックレスでも、セレブのパーティウェアに見えてしまう。

謎解きとしてはどうかとか、初回だけではよくわからない。でも、世界観を楽しむという点ではとても面白い。次回も視聴決定である。

『心の傷を癒すということ』
第二回も視聴する。今回、登場人物らのセリフで耳に残ったのは、「申し訳ない」というものだった。近所の家がみんな全壊なのに我が家だけは壊れなかったけど、それが申し訳ない、とか、亡くなった人がいるのに生き残って申し訳ないとか、病院は壊れたけど怪我しなかったから他の人と比べて申し訳ないとか、被災者それぞれが「申し訳ない」を抱えていた。

私は震災が起こったときは東京にいた。朝起きて、テレビで神戸が震度6というのを見て、何度も何度も神戸の実家に電話をかけて家族の安否を確認しようとした。今でも思い出しただけで心臓がどきどきする。神戸がこんなときに、自分だけ東京で被災を免れて後ろめたい気持ちでいっぱいだった。地震の12日前の1月5日に夫と阪急会館で映画を観たのだけど、その阪急会館の崩れた様子をテレビで観て震えてしまった。だいぶ経ってからコートのポケットにそのとき観た映画の半券を見つける。私が親しんだ神戸が記憶の中だけの存在になってゆく。旧居留地にあった生まれ育ったマンションも全壊だった。

このように感傷に浸れる私は甘いのだ。実際に神戸で震災に遭われた方の恐怖や苦しみや悲しみはどれほどだったか。私は現地で被災した経験がない。だから被災者の想いを共有できない。そしてそのことに負い目を感じている。神戸の人間なのに、神戸がピンチのときに私は部外者だった。このドラマを視聴している間もずっとそのことを考えていた。

視聴の間ずっとヒリヒリするドラマであるが、目が離せない。

『スカーレット』
今週、2度の穴窯の失敗のあとも、「次は絶対に成功するから」と3度目の窯焼きをやりたがる喜美子をおいて八郎は家を出ていってしまった。子供のためにためたお金を「いざというときのために使うお金だ」となんのためらいもなく穴窯につぎ込もうとする喜美子は、狂っているようだった。出て行った八郎の気持ちは理解できる。結局3度目の穴窯も失敗に終わるのだが、やる前に「絶対にうまくいく」と言い切る自信はどこからでてくるのだろう。まるで、ギャンブラーである。結局、亡くなった父、常治に一番似ていたのは喜美子だったのだ。執念というか、情念というか。目が完全に座っている。

きっと何度目かの穴窯は成功するのだろう(だってドラマだもん)。この喜美子と八郎の対立はいろいろなことを考えさせる。制作活動において「いくら儲かるか」を一切考えないで、それを行うこと自体が目的みたいに突き進むのが芸術家なのかも。八郎は、堅実な商業作陶業従事者なのだろう。だから喜美子と対立する。それからもうひとつ、よく媒体で目にする「努力は夢中に勝てない」という言葉があるが、そのまま「八郎は喜美子に勝てない」とあてはめられると思った。ただ、絵画芸術と異なり、陶芸には、焼成過程という、ちゃんとした知識に基づいた正確な手順が必須である。それが芸術活動と完成作品の間に存在しているため、窯をあけてみるまでわからないという怖さやもどかしさがある。


最近:
ドラッグストアを4軒回るも、手ピカジェルは売り切れていた。やっと買えたのは、マスク5枚だけ。感染者数も死亡者数も毎日更新されていて、どうなるのだろうと不安である。奈良も大阪も神戸に近い。 












by himarayasugi2 | 2020-01-30 13:57 | エンターテインメント | Comments(0)
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