四捨五入して60に手が届くようになると、ほんとうに不思議なのだが普段の生活の中で「おわり」を意識する瞬間がでてくる。これは40代ではなかったことだ。今のところ最も「おわり」を意識するのは、食べ物以外の買い物のときである。具体的には家具、食器、衣類である。実は外出自粛期間中に古い和家具でガラスのショーケースをネットでずっと検索していた。実家の母経由で我が家にやってきた祖母の骨董や、私がちまちまと収集しているオブジェや小さなガラスの作品を収納するものを探していたのだ。埃の心配をしなくていい場所に並べて眺めて楽しみたいなぁと思っていたから。
しかし、考えた末にショーケースは購入しないことにした(現時点では)。もし、高齢になって独りの住まいに移ることを考えた場合、こういうショーケースは真っ先に処分対象になるだろうなと考えてしまったからだ。こんなことは5、6年前には思いもしなかった。そもそも独りの住まいに移る予定は現時点でないというのに。ただ、新聞の折り込みチラシで介護付き老人ホームの個室の面積などを目にすると「もし、ここに移ることになったら私は何を持っていこうか」と妄想することが増えた。
家具はもちろんのこと、食器や衣類も先発メンバーしか持って行けないだろう。介護付き老人ホームのチラシのお陰(?)で最近はイメトレすることが多い。今から少しずつでも不要なものを処分していこうと思うようになった。
夏には、全く出番のなかった来客用のクリスタルのビールタンブラーセットとショットグラスセットをバザーに寄付した。箱ごと渡したので、かなりのスペースが空いた。先日神戸に帰っていた妹に、ほとんど使っていなかったバッグと着ていないモヘアのセーターをもらってもらった。それからセカンドストリートに靴を4足売りにいってみた。一度やってみたかったのだ。4足で売り上げは1670円だった、やすっ。数年前に古本屋で少し本を売ったときの売り上げを考えると、本を売るほうがセカンドストリートで靴を売るよりも効率がいいことに気づいた。靴とかはメルカリで売りたい値段をつけたほうが売り上げにはなっただろうけど、写真撮影してあれこれ書いて載せて、応対して、売れたら梱包して送るというのが面倒だったので……。
今後は;
食器はシビアに絞り込む。好きなものだけ持つ。祖母からの骨董も普段使いする。来客用などの数合わせの食器は処分する。新たに買うときは慎重に。
衣類についてはコロナ自粛期間で買わないことがデフォルトになったので、それを継続する。買った10秒後には着用・使用するくらい必須と考えるものだけを熟考して買う。何年も着ていないもの、くたびれてしまったカットソー類は、潔く捨てる。部屋着ももうちょっとちゃんとする。スマホポシェットとかネックゲーターとか欲しいのはあるんだけどさ。
それから今LDKにある家具はすべて先発メンバーなので、その先発メンバーを大事に手入れして使う(LDKにある家具の中でもMVP的な家具についてまた記録したい)。
本とかCDとか文房具とか、こまごましたものの整理は全くできていない。ガラスとかオブジェとか絵画(大げさなものでなくて版画とか)は、気に入ったものに出会ってしまうと物欲を制御できないので、そのためにも家にある減らせるものは減らしたいと思っている。
捨てられないものってなんだろうと考えると、やはり感傷的価値があるものは実用的でなくても手放せないことに気づいた。たとえば私が生まれたときに実家にあったダイニングチェア(一脚だけもらった)とか、母の嫁入り道具だった小さな小引き出しとか。前者は背もたれがガタガタでもたれられないし、後者は引き出しが固くてものの出し入れに一苦労する。でも、もう存在していることが価値になっている。
加古川のN様へ、
なぎへの優しいお心遣い、嬉しいです。ありがとうございます。年末年始に妹が神戸に帰ってきたときにいただきます。なぎも楽しみにしています!
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