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ヒマラヤスギ雑記

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ついてない、不活発な日々

半年ごとの歯科定期健診だった。昼前の終了をみこして午前中に予約を入れる。健診終了後に評判のよい蕎麦屋で食べて帰ろうという魂胆だった。健診のご褒美である。健診後に天ざるを食べることまで決めていた。

歯科健診で虫歯が見つかってしまった。1年ぶりの虫歯。歯と歯の隙間、接地面に発見された。ほんの少し削って白い樹脂をかぶせることになる。えええええええ。麻酔を歯茎にぶすっと刺され、左の下あごの感覚が無くなる。施術が終わってうがいをするように言われるも、感覚がないので水が口から流れ出てしまう。こ、これはこの後の天ざるは無理ではないか。お店で蕎麦やら汁やらを周囲に飛ばしそう。

「あの、麻酔はあとどれくらいで切れますか?」麻酔を打たれたのは確か10時50分をすぎたところだったような。今、11時8分だけど。
「そうですね、こればっかりは個人差があって1時間で麻酔が抜ける人もいらっしゃれば、2時間、3時間となる人もありますし」

というわけで、蕎麦は諦めて家に帰ることにした。ショック。ちょっとうろうろしようかと思ったけど、雨だし寒いし(最近外出するときはいつも雨で寒い、夫からは「最強の雨女」と呼ばれるし)。

帰宅後、浴室用にと購入した時計が届く。2週間くらい前にネットで買ったもの。もっと早く届くと思ったけど、どうしてこんなに時間がかかるのだ。海外発送だからみたい。防水された時計で、文字盤が大きくて背中の吸盤でお風呂場の壁とかガラスに設置できるというもの。

しかし、納品された時計はとんでもなシロモノだった。接触が悪いのか、電池を入れても時計が動かなかったり、やっと動いたかと思えば(適当に振ってみたら急に動いた)、後ろの吸盤が全く役に立たなくて、壁につけても2秒後に落下するのだ。何度やっても落下。ただ、時計はかろうじて動いているし、吸盤がつく、つかないも微妙なところで返品案件になるかどうかは、意見が分かれそう(数秒程度なら確かに壁についてはいる、しかしだ……)。問答無用で返品とはならないにしても、よくこんなもの販売するなと思う。ちなみに国産ではない(察していただければ)。粗悪品。吸盤で壁につけることができないから棚に置いている。壁にひっつかないのであれば最初から買う必要なかった。無駄な買い物だった。

この日はほんとについてなかった。ちなみに歯茎の麻酔は午後2時すぎてやっと全面解除となった。私は部分麻酔もそうだけど、内視鏡のときの鎮静剤もよく効く方みたいで、通常になかなか戻りにくい。



雨が多いし、寒いしで家にいる時間が長い。家で地味に作業をしている。院生のころは、文献を読んで、ノートにペンで書き留めて、それを見ながらまとめて、とやっていたのだけど、夫に「OneNote」が使いやすいと勧められて、使い始めたら使い勝手がよい。シンプルで使いやすい。私にはこの程度の機能で十分なので、OneNoteを現在活用している。ただ字を書くことが減って、漢字の書き順があやしくなってきた。どこかで「書く」というプロセスをいれたほうがいいかも。数年前、EvernoteをMKちゃんに勧められたけど使いこなせず。EvernoteってMAC使いのおしゃれIT強者が使うイメージがあって、使うに至らず。



朝から雨。今日は一日降ったり止んだりらしい。部屋でじっとしていると冷えるので、今さっき床暖を半面だけつける。低気圧に弱い私にとって、こういう日が続くのはしんどい。テンションあげて今週を乗り切っていこう。














# by himarayasugi2 | 2024-03-25 11:00 | 雑感 | Comments(0)

問題は人の目にどう映るか

『落下の解剖学』を観る。先日の『パーフェクトデイズ』を観に行った際に予告が流れていて興味をもったのでみぞれの降る中シネリーブルへ。『パーフェクトデイズ』も長い映画だったが、『落下の解剖学』も2時間40分もある。寝たりしないだろうかとやや不安だったけれども、映画が始まったらあっという間だった。

公式サイトによる粗筋は以下の通り;

人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。
はじめは事故と思われたが、
次第にベストセラー作家である
妻サンドラに殺人容疑が向けられる。
現場に居合わせたのは、
視覚障がいのある11歳の息子だけ。
証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露され、
登場人物の数だけ<真実>が現れるが──。


というもの。

ここからはネタバレも含みながらになるので、これから観賞予定がある方はご注意を。完全なネタバレ箇所は、文字を赤くしている。

(ネタバレなし)
本作は脚本賞を先日のアカデミー賞で獲り、主演女優賞はおしくも逃したが、候補に挙がっていたらしい。それも納得の中身がびっちり詰まった映画だった。主演女優の演技はもうね、すさまじかった。

映画館にいる観客に呈示されるのは「限定的な事実」だけ:山小屋の前で主が頭から血を流して死んでいた。第一発見者は視覚障害のある息子。妻は山小屋の中にいたが、耳栓をしていて昼寝をしていたため気がつかなかった。山小屋から落下して死んだのは間違いないが、不審な点もある。

最後まで状況に関することはこれしかわからないのだ。落下する瞬間の映像は観客にも見せられない。観客だからといって真相を無条件に教えてくれる映画ではない。妻には殺人容疑がかかり、裁判となる。裁判の場面では観客は「妻が殺したのだろうか?事故?やっぱ自殺?」とぐるぐる考えながら気がつけば傍聴席の傍聴人となっている。映画を見る側も、映画の中の裁判関係者と同じ情報しか与えられない。仲がよいように見えて実は不仲だったことが明らかになり、死んだ夫はキャリアについてずっと悩みメンタルを病んでいて、死の前日には壮絶な夫婦喧嘩をしていてしかもその一部始終が夫によって録音されていて法廷で詳らかになる……。どれもこれも衝撃的ではあるものの、死の真相を断定するには十分ではない。その中でも決めないといけないのが裁判なのだ。(ネタバレなしここまで)

ネタバレ
判決は「無罪」となるが、全然すっきりしない。妻は無罪を勝ち取った後の打ち上げ(中華料理店だった)で、弁護士に「勝ったらなにか報酬があるのかと思ったら、そんなん何もないわ」みたいなことを言う。無罪放免となっても、夫が死ぬ前には戻れるわけもなく、すっきりしない。でも映画では結局彼女が殺したのかとか、自殺だったのかとかは一切明かされなかった。見た人が考えろ、というスタンスみたい。あー、もやもやする。でも、私は妻が殺したんじゃないかなーーーーーと思っている。あの妻、かなり冷酷で自分勝手でしたたかな感じだもん。ネタバレ終わり

ネタバレじゃない感想
冒頭から不安な気持ちにさせる仕掛けがされていたと思う。小説家である妻のもとへ論文を書くために女子学生が取材に来ているのだが、夫は二人が会話ができないくらいの大音量で音楽を流し続けて妨害?する。その音量が本当に大きくて、私もイライラしたくらい。息子がうっすらとしか目が見えないのも、なにか意味があるのだろう。普段は夫が音を出すから耳栓をして仕事をする妻も異様である。妻の母国語はドイツ語で、夫の母国語はフランス語、でも家族は英語で会話をする。夫はそれを不満に思っている。聴覚と視覚を部分的にはぎとられた中でのいびつな家族を描いているよう。

脚本はよく練られていてとても面白い。情報も多くてまばたきできないくらい。フランスの法廷では、検事も弁護士も裁判官も制服みたいなのがあって、ちょっと中世っぽいふんわりとした袖の膨らんだ上着(検事と裁判官は赤い見ごろに白い袖だったかと、弁護人は黒い服だった)を法廷では着用していた。わりとラフな感じでみんな話す。たとえば弁護人が出した証人に対して検察が「…でも、事故じゃない可能性もあるってことですよね(殺人の可能性もあるよね、という含み)」と言えば証人がシレっと「可能性?私が大統領になる可能性もゼロじゃないけどね」みたいに返すのだ。そういうやり取りが面白かった。あと、フランスの裁判制度が興味深かった。

スヌープというボーダーコリーが出ているのだけど、めっちゃかわいい。かわいい。

ネタバレじゃない感想ここまで



作品の「問題は君が人の目にどう映るかだ」という弁護士のセリフが印象的。それはつまり、問題は検察側の真実と被告側の真実のどちらを司法が最終的に選ぶかということ。そして選ばれた真実が常に事実とは限らない。事実であるかどうかはもはや関係ないのだ。


お気に入り:
最近使い始めたHABAのローズの香りのフェイスオイルがお気に入り。ものすごくよい香りで、朝晩の洗顔時にいつも深呼吸してバラの香りを楽しんでいる。

一昨日の朝、うっすらと雪が積もっていてびっくりした。冬と春をいったりきたり。雨も多いし。風も強いし。

三ノ宮センター街を歩いていて思うのは、落ち着かないということ。街の年齢ターゲットから完全に外れているからだろう。本屋と文房具屋くらいしか落ち着く店がない。服もネットで買うことが増えたから人混みをかき分けて服を探す気力がないよ。こんなんではダメだけど。

スポーツ賭博:事実が詳らかになることはあるのだろうか。誰の真実が事実認定されるのか。依存症は病気かもしれないけれども、そこまでの金額になるまで本当に家族も周囲の人も気がつかなかったか。憂鬱な事件。

















# by himarayasugi2 | 2024-03-22 15:00 | エンターテインメント | Comments(0)

靴と鞄

今年に入ってから夫は、朝の通勤時に時々「ちょっと謎の男性」を見かけるようになった。その男性はいつも電車を降りて改札に向かうときに気がついたら夫の前を歩いているという。改札を過ぎてもしばらく男性と夫は同じ方向に歩いているそう。夫は男性の顔を見たことがないのだが、「あ、あの人だ」とすぐわかる。その理由を尋ねると「靴」だという。

男性はいつも革靴を履いている。その革靴が、原形をとどめないくらいにボロボロなのだ。最初は「そういうダメージド加工してあるお洒落な靴」なのかと思ったらしい。が、よくよく見てみると靴底がすり減りすぎてほぼ「無い」状態で、かろうじて靴本体とつながっている底も、歩くたびにパタンパタンと離れて、男性の踵部分の靴下が見えるんだとか。これは、ダメージド加工じゃなくて、本気のダメージドだと気がついたのだ。

「何歳くらいなの?着ているものもボロボロ?擦り切れてるの?鞄は?髪の毛は散髪行ってない感じとか、シャンプーを何日もしてない感じとか?」と疑問をぶつけてみる。夫によると男性は30歳前後、アウターもパンツも、持ち物も高級品ではないにしても、汚れたり、破れたり、擦り切れたりしていなくて「ごくごく普通」らしい。頭髪も普通に散髪していて、社会人のマナーとしての清潔感は十分に維持されているとのこと。

「だからよけいになんであんな靴を履いているのか謎やねん、絶対に本人はあの靴が崩壊寸前の状態ということくらいわかっているはずやねんけど」うーん、なんでやろ。「訊いてみるとか?」「無理無理、よう訊かんわ」

続報を待っているのだった。


大谷選手の奥様の画像も、動くお姿も公開された。日経新聞にも写真が載ったくらいだから、ものすごい関心事なんだ。高校の野球部のエースで4番を打つキャプテンと、バスケット部のマドンナのカップルがそのまま大人になって結婚したような、爽やかで見ていてちょっとくすぐったくなるような二人だと思った。

テレビやネットの論調はだいたい同じで「この人がお相手でよかった」といったもの。そう感じるポイントは人それぞれだとは思うけど、私は彼女が移動中に持っていたでっかいスポーツバッグを見て、なんか部活帰りの女子高生みたいでいいなと思った。あれだけのお金持ちのスター選手の奥さんになってはじめて姿が公開されるときって、もうちょっと気合を入れるものなのかなと思っていた。

移動中の服装が全員が球団スポンサーのナイキのジャージっていうのは仕方がないにしても、ブランドもののバッグで「大谷の妻アピール」するのかなとこっちはちょっと予想していたけど、なんだよあのバッグ!私が高校のときに持ってたのによく似たスポーツバッグは!一番の好感ポイントである。「機内持ち込み用のバッグにこれちょうどいいやん」とあの部活バッグを選んだのだろうか。適当に選んだ感がよい。しかも無造作に地面に置いて写真撮影してたし。でかすぎるバッグを「ぐわしっ」とたくましく持って、「ああ、ここを通り過ぎて早くバスに乗りたいわ」といった感じで歩く姿を、私はいいなと思った。

お幸せに。


追記:
ハイブランドのリュックとバッグを持っていた山本選手はちょっと浮いていたかな。



『グレイトギフト』の最終回:
最終回にいろんなものを詰め込みすぎでは。お茶碗におせち料理を無理やり盛り付けた感。でも全体としては面白かった。これは続編をやるのでしょうか。











# by himarayasugi2 | 2024-03-17 17:29 | モノ | Comments(0)

おやつ事情

恐ろしいことに来年の夏に還暦を迎える。二十代の頃の私にとって、還暦も古希も、そして米寿も同じである。還暦を過ぎるとみな「年寄り」であり「高齢者」であり「おばあさん」というのが、二十代の頃の私の乱暴な認識だった。乱暴すぎるやろ。殴りたい。

このように「二十代の頃の私」をかろうじて客観視できるほどには内面も成長したとは思うけれども、本人的には中学生の頃からあまり中身は変わっていない気がする(あくまで自分目線)。でも、生き物としての肉体は確実に経年変化(劣化じゃなく変化、ね)をとげており、最近特に感じるのが、脂っこいものはたくさん食べられなくなったこと。

数年前からサーロインステーキは3×7×1㎝程度のを一切れが限度になった。ふた切れ食べたら、胃がもたれる。肉は赤身じゃないとダメだし、霜降り肉とかバラ肉系の調理法はしゃぶしゃぶ一択である。グラタンも大量になってくるとしんどい。朝のパン食はやめて久しい。でも、グラタンもパンも好きなのだ。ただそのへんは量が食べられなくなった。また唐揚げとか揚げ物類からは距離を置き始めた(でも体重が減らない、コロナ時のMAXから1キロ減っただけ)。

おやつも、ケーキは大好きだけど量は考えないといけなくて、洋菓子は、すごく美味しいものを少しいただくという感じだ。食べ過ぎると胃がもたれるから。消化器専門医に胃カメラ検査のときに「最近、サーロインとか脂っこい肉をたくさん食べられなくなりました、大丈夫でしょうか」と訊ねたら(胃の画像を見ながらめっちゃ冷静に)「みんなそうです、普通ですね」と返ってきたけど、夫の母はめっちゃ食べるんよね、個人差あるわー。

前置きが長いけど、そういう胃腸の曲がり角を迎えたお年頃(私)が最近よく食べているおやつがある。





アーモンドは甘い味付けで、カルシウムせんべいはしょうゆ味。どちらも薄味で美味しい。


それからこれ

しっかりゴマの味と黒蜜の味がする。一つでだいぶ満足する。

健康おやつは、夫が通りかかったドラッグストアの店頭で見つけて試しに買ってきたのが始まり。少量で満足できて、必要な栄養素も摂れるから重宝している。味も美味しい。実家の母も気に入って何度もリピートしている。ひとくちセサミンも個包装で、一個お茶うけに食べるようにしたら、あすけんでも鉄分が足りていると出るようになった。どれも薄味でおすすめ。ドラッグストアだとめちゃくちゃ安くて、タニタ食堂のおせんべいは二つとも買って350円しなかった。リピート中。

で、ホワイトデーのお返しに夫からもらったお菓子も美味しくて気に入っている。
ここの


今年の初めにMKちゃんと芦屋でランチしてから、うろうろしていて見つけたお店。和菓子屋とは思えないお洒落な店構えに驚いたもの。ここの詰め合わせをお返しでもらった。やさしい味の和菓子。黒豆甘納豆が特にお気に入りである。さくっとしっとりで、甘さ控えめ。最中も美味しかった。



多様性:
某政党の和歌山県連が会合に肌の露出の多いダンサーを呼んであれやこれやで顰蹙をかった件、言い訳が「多様性をテーマにした会合だから、ダンサーを呼んだ」だって。最初にこの言い訳をきいたときは、笑いに変えてお咎めなしを狙っているのか、にしては笑いのセンス悪すぎと思っていた。ここで多様性を出してくるのはさすがに無理がある。


ドラマの最終回ラッシュ。二階堂ふみの恋愛ドラマは3週間前に離脱した。玉木宏主演ドラマも途中でリタイア。最終回は、『相棒』『となりのナースエイド』までは視聴。あと楽しみにしているのは『グレイトギフト』と『不適切』と『厨房のアリス』。『となりのナースエイド』は、何度もリタイアしそうになった。脚本がちょっとあれすぎて。最終回とは思えないような内容だった。『相棒』はなかなか面白かった。『ブギウギ』が終盤に入ってちょっと失速気味?内藤剛志を捜査一課長のパロディ的に出演させるのは、私はあんまり好きでなかった。


















# by himarayasugi2 | 2024-03-14 14:47 | | Comments(0)

なんとかなった

母の実妹である東京の叔母(以下、S叔母)が、帰国した。年明けにフランスへ旅立ち、一か月のホームステイ&語学研修を終え、その後単身「コンポステラ巡礼の旅路」を巡ってきた。S叔母は79歳。出発前のS叔母は、Wi-Fiが何かも知らず「ウィーフィー」と呼んでいるレベルで、ネットは普段から全く使わない人(スマホはライン使用のみ)。当然、Myパソコン持ってない。だのに、フランスの語学研修は、行く前からオンラインでの手続きが必要だし、研修中は生徒が各自の端末を使って課題をこなし、授業に参加することが求められている。資料のダウンロードだって当たり前にある。

それを聞いて妹と私は「おばちゃん、大丈夫なんやろか」と心配していたけど、S叔母の3人の子供(=私の従兄弟)はみな理系なので、出発前に端末も購入して設定も済ませて、使い方もちゃんと教えるだろから、私らが心配することないか、と静観していた。年明けの出発なのに年が明けてから端末をそろえたみたい。ぎりぎりやん。

S叔母は帰国してすぐ電話をくれた。めっちゃ楽しかったみたいで1時間もしゃべりまくってくれた。以下、覚えているうちに叔母の話に基づく「なんとかなったフランス、スペイン」の記録。

出発前:
事前にクラスメートに向けての自己紹介を所定のサイトに入力するという最初のハードルに大騒ぎしていたらしい。どうなったのかは知らない。なんとかしたのだと思う(私の従兄弟が)。年が明けてすぐ端末を準備したらしい(私の従兄弟が)。あとでわかったのだが、タブレット端末を用意したみたい。

行先&旅程:
最初の一か月はフランスの北西部の地方都市での語学研修。宿泊はホームステイ。語学研修後はS叔母たった一人でスペインのコンポステラの巡礼路を一か月かけて回った。マジョルカ島もついでに立ち寄ったらしい。そして帰国。

一か月の語学研修期間中:
S叔母のホームステイ先は77歳の夫婦二人暮らしの一軒家だった。二人ともとってもよい方で、奥様はお料理上手で毎日ご飯が楽しみだったそう。夫婦は英語が全く話せず、S叔母のフランス語が通じないときは、互いに英語とフランス語の辞書をひきながらコミュニケーションをとったらしい。ホームステイ中は、平日は朝と晩の食事、週末は朝昼晩の食事が提供される。庭で野菜を育てているので、庭の野菜を使ったポタージュが前菜に出てきて、そしてメインへ続くそう。ポタージュはいつも違う野菜で作っていて、それがとても美味しくて作り方を教えてもらったとのこと。グラタンも美味しかったし、なんでも美味しかったと話してくれた。

語学学校では4つあるレベルのうち、下から2番目のクラスになった。のんびり勉強するつもりでいたら、みんなめちゃくちゃフランス語が上手で焦ったらしい。ちなみに学校全体でも日本人はS叔母と部分参加の若い男性と、最終週にインテンシブを受けにきた女子大生だけ。若い男性とS叔母は同じクラスだったらしい。79歳というのは、最年長で、あっというまに学校で有名になってしまった。授業中に配布される資料はすべてオンライン配布で、各自ダウンロードして画面で見るのだが、S叔母はキーボードのないタブレットのため、うまく操作ができなくてまごついていたら、学校の人が「特別ね」とS叔母の分はプリントアウトしたものをくれたらしい。「助かったわー、みんなめっちゃ親切で、なんでも訊ねたら教えてくれるのよ~♪」だって。S叔母は画面で資料を読むのは一度に何枚も読めなくて不便だと思っていたので、机いっぱいに資料を広げてご満悦。

授業で一度、「自分の国の人で世界的に活躍している人についてみんなに紹介するスピーチをする」という課題があったのでS叔母が「大谷翔平」についてスピーチをしたら、誰も大谷翔平を知らなかった。みんなググって「あ、この人が大谷翔平なんや」と初めて知ったらしい。ヨーロッパの人は野球に興味ないから当然なのか。

クラスメートはスペイン人が多かった。彼らはみな最初からすごく流暢なフランス語を話していた。年齢は30代前後が多かった。豪華客船で働くスペイン人シェフがフランス語を上手くなりたいと参加していたり。そのシェフは五か国語が話せるんだとか。

語学研修も最後の日、クラスメートの68歳のポルトガル人の弁護士が「期間延長しなさい、一緒にもっと勉強しようよ」と熱心に勧誘してくれたってさ。クラスメートらはみな、奮闘しているS叔母に親切にしてくれていたみたいで、S叔母も嬉しそうだった。

週末はパリに行ったり、オランダ滞在中の孫と落ち合ってモンサンミッシェルへ行ったりしていた。モンサンミッシェルの写真を一度だけ母に送ってくれたのだけど、S叔母が来ている上着がちょっと薄いんじゃないかとは思っていた。大雪で語学研修が休みになるくらいフランスは寒いはずなのに。それを言ったら、なんとS叔母、寒いヨーロッパに備えてフード付きのダウンのロングコートをわざわざ用意したのに、日本で出発前に空港をうろうろしているうちにどこかに置き忘れ(*1)、ダウンコートがないことに機内で気がついたそう(なんといううっかりミス)。幸い薄いダウンジャケットをスーツケースに入れていたので、それの下にカシミアとか手持ちの衣類を重ね着しまくって寒さをしのいだとか。なんとかなるものである。でも、写真では結構寒そうに見えた。

語学研修後:
研修を終えて、S叔母は念願のコンポステラ巡礼の道をめぐることになる。S叔母は自分ではWi-Fiを用意していなかったので(Wi-Fiが使えたのは語学学校の中だけ)、ネットに頼らないで一か月回るのだ。といっても、これまでも彼女は海外に何度も一人旅をしている(*2)けど一度もネットを使ったことがないので、彼女的にはいつも通り行き当たりばったりのアナログ旅である。

私「ホテルは予約していったの?」
S叔母「うううん、駅についたらそのつどインフォメーションに行って予約してもらう、地方はいつも安い宿を紹介してくれるよ、ま、私がぼろぼろのかっこだからだと思うけど」(*3)
私「電車の切符は?」
S叔母「最近はみんなネットでチケット買うのね、それは困ったのよ、そういうときは駅員さんにきいて、自販機で買った、スペイン語表示の自販機でわからなかったらまたその辺の人に聞いたりしたら、みんな『やったるわ』って私の代わりに買ってくれるねん、みんな親切やわ、助かる~♪」

S叔母のいいところは、不明な点は躊躇なく質問できるところだと思う。全くもって物怖じしない。あの迫力で来られたらみんな「しゃーないな、やったろか(=しかたがない、やってあげようか)」となるだろう。彼女は絶対にあきらめないので、相手するしかないのだ。

そんな感じでS叔母はスマホが使えないというハンデを克服し、フランス語もうまくなって、コンポステラとマジョルカ島をエンジョイして無事帰国したのだった。


お金の話:
S叔母がびっくりしたのは、大都市の物価である。バルセロナで「普通の、カジュアルな、若い人向けの」店に入ってパエリア1人前とペリエを頼んだら、日本円で5000円だった。日本でいえば、吉野家で牛丼とウーロン茶を頼んだら5000円だった、みたいな衝撃らしい。「そのパエリアがまた、めちゃくちゃまずかったのよ、あんたのご主人が作ってくれたパエリアのほうがずっと美味しかったし、量も多かった」と猛烈に憤慨。別にその店の問題ではなくて、円安のせいなのだ。他もどこでも安そうな店も全部高くて、コンポステラを一人で回っていたときは、外食は1日1回だけにとどめ、あとは外で買ったものを宿で食べていたそう。パリもマドリッドもバルセロナも、大都市はホテル代は猛烈に高く、普通のビジネスホテルみたいなのが素泊まりでも2万円前後かかったそう(パリはオリンピックを控えているからか特別高かったらしい)。ただ、コンポステラを回っていた期間に宿泊した宿は、一泊8000円から9000円(素泊まり)くらいで、わりといい部屋だった。地方都市ということもある。私が先日税込み2500円で美味しいコース食べたと言ったら、「そりゃ、外国人が日本は安いと押し寄せてくるのもわかるよね」と納得していた。

クレジットカードの請求が今から恐ろしいと、電話の向こうで震えていた。
S叔母は滞在中、風邪ひとつ引かず元気だったそう。

S叔母は私との電話で大谷翔平選手が結婚したことを初めて知った。反応は「あらまぁ、よかったじゃない」という親戚モードだった。


成果:
S叔母にとってフランス語は第三外国語になる(第二外国語はドイツ語)。研修最終週にやってきた日本人女子大生がS叔母のフランス語について「帰国してすぐ仏検2級を受けたら合格すると思う」と言ってくれたそう。それからS叔母は私との電話ですごくナチュラルに「Wi-Fi」のことを「ワイファイ」と話していた。すっかりWi-Fiは理解できていたのだった。すごい。


なんとかなる:
S叔母の話をきいていると、私はなんでもかんでも最悪を想像してしまうし、心配性かなと思った。今まで、いったいいくつの石橋を渡る前に叩き潰してきたことだろう。私はWi-Fiはなにか知っているし、S叔母よりも20歳も若いからもっと思い切っていこうとちょっと反省した。

*1)帰国後すぐ電話したら、東京某警察署で預かっていることがわかった。近日中に受け取りに行く。
*2)イギリスとかエジプトとか、何度も一人旅をしている。怖いもの知らず。
*3)質素な恰好でインフォメーションで宿探しを頼むといつも安めの宿を抑えてくれるらしい。無鉄砲に見えてもS叔母は、インフォメーションは明るいうちに行くとか、用心するところは用心している。危険な目には合わない人。






















# by himarayasugi2 | 2024-03-11 13:57 | 雑感 | Comments(0)