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ヒマラヤスギ雑記

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やっぱり秋

午前中にリハビリに歩いていったとき、あまりの日差しの強さにつんのめりそうだった。いつまでも存在感を主張する夏にうんざりしていたのだが、早朝や夕方には、金木犀の香が漂っているのを感じる。それに昨夜は虫の声が聞こえてきた。秋の虫は、日照時間が短くなると鳴き始めるという。暑くても、確実に秋に変ってきているのだ。そして昨夜は中秋の名月が見られたのだった。私は太陽の明るさよりも月明かりの方が好きである。月の光は、瓦屋根に銀色のお化粧を施すから月と瓦の両方が輝く。
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(古いデジカメ故、写真はいまいち。中秋の名月。とてもきれいだった。)

この家の設計を建築家Mさんにお願いするときに、Mさんから住宅に対する要望をまとめたものと、あと住人の好み、例えば好きな音楽、休日の過ごし方、好きな絵、場所なども教えてもらえると嬉しい、といったリクエストを受けて、私たちは住宅のスペックに関する要望書と同じくらいのボリュームで住人についてもあれやこれやとまとめてお渡ししたのだ。夫は「ドビッシーの『月の光』が似合う家がいい」などという、とんでもなく曖昧で抽象的でとらえどころがない一文を要望書に滑り込ませていた。Mさんは、律儀にも設計するときに、『月の光』を聞きながらイメージしてくださったらしい。後で、なにかの取材のときにそう答えるMさんにこちらが驚いたのを覚えている。

この家のどの辺りが『月の光』なのかはMさんから特に聞いていないけれど、私は二階のヴォールト天井の丸みがお月様っぽいと思う。この家に越してきて最初にかけた曲はやっぱりドビッシーの『月の光』だった。夫がちょっと酔っ払って大音量でヴォールト天井に響かせていた。

リハビリの後、タリーズで涼をとりながら論文のアイディアを練っていた。A嬢の研究メモの進捗をちらと見て、焦りに焦ったからである。A嬢とは今週会うのだが、『ガラスの仮面47巻』を貸したりしてちょっと研究妨害をしようと思っている。

夫が「こんなんがあったで、」とサントリーの発泡酒「秋楽」を買ってきた。なんかキリンの「秋味」(こちらはビール)と似ているような、いやそっくりですけど。缶にもみじを散らすとかも似ている。ススキと満月とウサギとかにしてもよかったのでは・・・。
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(左がサントリーの秋楽で、右がキリンの秋味。秋楽は秋味を引用したのか?)

ドビッシーの『月の光』を探したら、オイストラフの演奏のバイオリンバージョンを発見。ピアノもよいけど、バイオリンの繊細な調べも秋らしくて素敵である。オイストラフはこの動画ではややおぢさんっぽいけど、若い頃は本当に美青年だった。リヒテルもオイストラフのことがとても気にいっていたようである。というわけで、秋の1日だった。








余談:エダノさんが経産相として就任したニュースが夜は多かったのだけど、気になったのは何度も「即戦力」という言葉を強調するところ。確かにエダノさんは前職を考慮すれば即戦力だと思うけど。大臣なんて、みんな即戦力でいてもらいたいと願うのは贅沢なんでしょうか。
# by himarayasugi2 | 2011-09-13 07:58 | 雑感 | Comments(2)

話し相手

土日祝日の朝のケン散歩は、夫の担当である。日曜日の朝、7時過ぎにはまだ眠そうなケンをつれて散歩に行ってくれた。いつも散歩から戻ってくると夫に「知っている犬に会った?」とか訊ねるのだが、この日は夫の方から訊ねる前に話しだした。

夫によると朝散歩コースの公園の前の道に、1人の80歳代の男性がいた。初めて見る男性だった。よく見ると彼は片手に人形を抱いていて、もう一方の手には水の入ったペットボトルを持っていたそう。男性はその人形にずっと話しかけていて、それも子供をあやすような感じらしい。そしたらいきなりその人形が甲高い声で「抱っこ、抱っこ」と叫んだ。夫もケンもびびりまくり。男性は「そうか、そうか」とか言いながら抱っこしなおして、ペットボトルの水をその人形に飲ませようとしているようだったとか。

よく見ていたら、その人形は、あきらかに人形なのだけど、まぶたを開いたり閉じたりを自由自在にこなしていて、よく聞こえなかったけれども、普通に男性と「会話」をしているようだったそう。人形が喋っていた、と夫が言う。その甲高い声に興味を示したケンが、その男性と人形の後をずっとついて行こうとするので、無理やり方向転換させて帰ってきたとのこと。

家に帰ってその人形は一体なんだろう、ということで検索した結果、夫が目撃した人形はユメル(*1)という人形に似ていると言う。夫が見たのがユメルかどうかは置いておいて、この人形の説明を読んでわかったことは、これは子供向けの玩具ではなくて、大人のための癒しグッズであるということ。サイトでは「ヒーリングパートナー」となっていた。で、ネットで検索をかけたら高齢者の話し相手として需要があるといった記述もちらほら見つける。

14年くらい前に、私は東京で再就職した会社を退職し、それから1年くらい失業していた。失業中は、夫が帰宅するまで誰とも話さなかったという日が多くなった。夫が長期出張で不在だった期間など何日も誰とも話さないことだって珍しくなかった。自分の声を忘れるというか。たまに友人から電話がかかってきたりすると、猛烈にしゃべり出して、1度など「あんた、暫く誰とも話してなかったんとちゃうん?」と言われたこともあった。当時はネットもやってなかったから、外部との接点が限られていて、自分から誰かに電話をするとか、出かけて行くなどしないと、ほんとうに社会から隔絶されてしまうような気がした。無表情になってくるし、話し方も忘れそうになる。寂しいというよりは「大丈夫か、私?」と、ときどき思っていた。誰とも話をしない日が、何日も続くことがよいことではないということは、うすうす感じていた。

こういう人形が、癒しを求める大人に需要があることについては驚かない。なにも高齢にならなくても、話し相手が不在なときなど沢山あるだろう。多くの人にとって、周囲の人が元気で行くべき場所もある状態では、誰とも話さなかった、というのはぴんとこないだろうけど、会話の相手が物理的にいなくなる時期は、誰にでも来ると思う。そのとき動物を可愛がるとか、話す人形を手元におくというのも1つの方法だと思う。そうなる前に日ごろから人間関係構築に励むというのも手だろう。私はまだ考えていないが、なにかにちょっとでも役に立てる自分でおれればいいなと思っている。どんなときでも他者とのそういった接点が見出せればいいなと思う。

*1:「ユメル」他、ヒーリングパートナー商品のタカラの公式サイト
http://www.takaratomy-arts.co.jp/specials/healingpartner/
# by himarayasugi2 | 2011-09-12 08:07 | 雑感 | Comments(0)

柴犬も忙しい

ケンのフロントラインをもらいに獣医に行くことにした。が、外はまだまだ暑いので、夕方診療に連れて行くとして、午後から日陰で散歩できる芦屋浜にドライブし、その後最近見つけたドッグカフェに寄って、最後に獣医さんに顔を出すというスケジュールにする。ケンは私たちが着替えたりケンのドライブセット(おやつ、ロングリード、ペットボトルの水、ウンチ袋)を準備したりしているのを見てすぐにケンもドライブに行けると理解し、テンションを上げて玄関で踊っていた。

芦屋浜で散歩&トイレを済ませてからドッグカフェへ。ケンは大喜びである。ヨーグルト豆乳パンケーキにドッグミルクをやって、人間達はケーキセットやらサンドイッチをつまむ。ダルメシアンを連れた高齢の男性や、フラットコーティッドリトリーバーを連れた女性、シー・ズーを連れた父娘、マルチーズを抱っこしてきた老夫婦と一緒になった。ここのカフェもとても落ち着く。ケンもすっかり気にいっているようだし、また連れて行こう。
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(カフェのケン)

獣医でフロントラインをしてもらい、あと2回分を購入する。抜け毛があまりに多いから、なにか皮膚の病気ではないかと訊ねてみたら、柴犬の換毛期はこんなもんであると言われる。室内にいる時間が長いから、今ごろになって冬のアンダーコートが抜けているとのこと。抜け毛については問題ないとのことだが、獣医さんによると、ケンの顔の毛が少し白いから、もしかしたらもう少し年齢がいっているのかもしれないと言われる。里親探しのとき、2歳ほど年齢を若くすることもあるからねぇ、と獣医さんが言う。実際のケンは今は7歳くらいかも。でも、目も白内障の症状も出ていないし、歯がすごくきれいなので、「年齢不詳やなぁ」と最後は先生も考え込む。ケンの実年齢はなんでもいい、ずーっと元気でいてくれたら。
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(獣医の扉に突進するケン。帰りに必ずおやつをくれることだけは覚えている。)

その後ホームセンターに急遽寄って帰ることにする。ホームセンターで安全なおやつを見つけたので購入、それからずっと探していたプーの代理になりそうな人形も見つけたので購入。プーは通販で買えるらしいのだが、980円にプラス送料500円となる。もともとプーは670円くらいで買ったので、通販で倍以上のお金を払う気は起きなかった。偶然、プーと同じシリーズのドナルドダックが3体安売り(689円)されていたから、ドナルドを連れて帰ることに。ケンは気にいってくれるのだろうか。
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(ホームセンターでのケン。きょろきょろして落ち着かない)
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(ケンと対面前のドナルド。心なしか緊張しているよう←してへん、してへん)
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(ケン登場)「あれ、この子だれだ?」「ドナルドやよ」
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くん、くん、
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くん、くん、(すごく用心深いケン)
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「ドナルド!」(嬉しそうにこっちを見るケン。持っていっていいよ。)
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(プーとドナルドを見つめるケン。しばし考えた後、)



プーは置き去りに。
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(プー)「・・・」

ぷーは、丁寧に洗濯して裂けた箇所をリペアして、しばし休養に入る予定。お疲れ。

が、ケンはこの後も、ドナルドを咥えたりプーを咥えたりとはっきりしない態度をとり続けている。プーの匂いが好きなようである。ケロはあんまり好きでないみたい。
# by himarayasugi2 | 2011-09-11 07:34 | | Comments(0)

拾いませんわよ

*お食事中には読まないことを推奨いたします。

中高友で近所友のNちゃんとは、ご近所の噂話みたいなのもよくする。先日小耳に挟んだのは、Nちゃんが住んでいるマンションのまん前に早朝、特大の固形排泄物(要するにウンチである)を残していく存在についてである。だいぶ前からNちゃんは、マンションのエントランス付近や横断歩道のど真ん中に大型犬のウンチが拾われずにそのままになっていることが気になっていた。横断歩道のど真ん中だと何度も車が往復して、それはそれは無残な姿になっていつまでも残っていたりするという。

ケンの散歩に行くようになった経験から言えることは、拾わない飼主というのはだいたい同じ人である。お散歩バッグを携帯し、いかにも拾うように見せかけてそのまんま去っていく人は何度か街中や公園で目撃したことがある。そういう人は、注意をしたら間違いなく逆切れしそうな感じの人で、飼い犬がウンチをどこでしようが我関せずといった態度が、さもありなんという人であることが多い。誤解を恐れずに言えば、犬のウンチ案件以外でもネガティブな意味合いで近所の有名人じゃないかと、つい思ってしまうタイプである。

そういった自説を展開すると、Nちゃんは「まぁ普通はそういう感じの人が、置いていくって場合が多いかもしれんけどね、あんまり腹が立つからどんな人があんな人も通る道の真ん中にウンチを置き去りにしているのかずっと気になっていてね」と言う。なんとNちゃんは偶然、「ウンチを拾わない大型犬飼主」と遭遇したという。

「どんな人なん?」と私が身を乗り出して聞く。Nちゃんによると犬はX(あえて伏せている)という犬種だそう。めったに飼っている人を見かけないかなり大きい犬である。Nちゃんは珍しいから前からその犬のことを覚えていて、大きな体に愛くるしい雰囲気がカワイイなぁと思っていたらしい。つれているのは、上品な感じの中高年女性で、最初その人が拾わずに立ち去ったのを目撃したときは信じられなかったとか。偶然ウンチを拾う袋を忘れてうろたえているとかそうでもなくて、「私は、拾いませんのよ」といった感じで堂々としていたそう。排泄場所や、ブツの大きさから判断して、間違いなくいつも迷惑している置き去りウンチの主とその飼主だとNちゃんは確信した。「いや、上品なマダムがそういうところのマナー違反をするっていうのにびっくりしてんけどね、実はその人、近所の人なんよ」とNちゃん。その人はNちゃんの住居からほど近いところにある、大きくて素敵な洋館の住人という。

「へー、あそこの家の人?」「うん、間違いないよ。犬連れておうちに入っていくのを見たよ」あのセンスのよい洋館の住人が、そういったことに無関心だというのでがっかりしてしまう。Nちゃんもがっかりやわ、と言う。その人は相変わらず拾わずにいるらしい。

我が家の前でも早朝、たまに小型犬のウンチがそのままになっていることがある。夫は、「このウンチを全て集めてその人の家の前に置いていってやりたい」と怒っている。が、犯人はわからないままである。

昨日のテレビ:宮部みゆきの『魔術はささやく』のドラマを視聴。原作は大昔に読んでいる。細かいところは忘れているが、どういうトリックかは知っていて観ていたけれども、やっぱり面白かった。小道具が携帯電話になっていて、主人公が誰からの着信かをつきとめるために、辺りを見回すものの、その場の全員が携帯電話で通話中という場面が、なぜかとてもこわかった。あれだけ人が集まっているのに、その場に居合わせている者同士は会話せず、それぞれが耳に小さな金属のバーをあてて視線も合わさずに話しているなんて、ホラーである。木村佳乃が好演。奥田瑛二が催眠状態に陥るときの演技もこわかった。木村佳乃の弟役の男性も好演。六角さんとか、大杉蓮とかを普通の脇役にするという、えらく豪華な作りだった。小池栄子の憎たらしさが本当に上手い。宮部みゆきのストーリーは、筋自体は流麗であっという間にはまるのだけれども、わくわくというよりは、底から冷えてくるような恐ろしさがある。
# by himarayasugi2 | 2011-09-10 07:45 | 雑感 | Comments(0)

週刊誌を立ち読み

午前中にリハビリに行って、午後から大学に行った。途中、本屋で週刊文春を立ち読みする。日経新聞の朝刊の広告で女優の小林聡美さんが女子大生をやっているという見出しを目にし、ちょっと気になったのだ。記事によると、小林聡美さんは学習院女子大に今年の春に入学して、現在1年生とのこと。周囲の学生とも打ち解けて普通に学生生活を送っているとか。小林聡美さんとは同年代なので、彼女が今、大学で学びたくなったという気持ちを想像してみる。やはり興味がある。彼女と同じゼミだったら楽しいだろうなと思う。

私の場合は40代になったときに、真剣に考えたり、集中する時間が日常生活から失われつつあるのに焦りを感じていたことが背景にある。関西に戻ってからの仕事は、雇用条件や仕事内容について東京で働いていた頃はよかったと毎日未練たらしく思い出させるものだった。同時に、今までずっと興味があったことを「趣味」レベル以上に知りたくなっていた。ある程度厳しい環境でちゃんと学びたいと思ったので、今に至っている(*1)。その分野の専門家に自分の意見を評価して欲しいというのもあった。

社会に出て色々なものに触れるうちに、昔は興味がなくても、ある年齢になって真剣に知りたくなる事柄に新たに出会う人は多いと思う。そのときの「学びたい、知りたい」と思う欲求は、17、8歳のときのそれとは微妙に異なる。私は、新しいことを始めるなら今しかないと、薄々感じていた。知力的にも体力的にも1年ごとにきつくなっていくだろうなと。また、モチベーションが高まっている自分を見て見ぬ振りすることは出来なかった。今はちょっと夏ばて気味で学問関係停滞しているけど、文春の記事を読んで、エネルギーがチャージできたと思う。

研究室に寄ってから図書館へ。文献などを検索するも、これはというものが見つからなかった。別の文献をちょっと読んで帰宅。途中から頭痛がしてきて気分が悪くなる。からっとしているけど、日差しが強すぎて少しばてたような。1日よく歩いているからきつかったのだろう。帰宅してケンの散歩へ。涼しくなったので、ケンはよく歩く。家に戻っても庭で遊びたがるので、そのまま庭に放すと急に興奮して、私を誘いながら庭中を疾走する。何周も何周も私に笑いかけながら走る、走る。ケンは私に追いかけて欲しいのだ。適当に追いかける振りして走ってみると大喜びだった。

*1:かけっこで、順位をつけないような生ぬるいのは苦手な方である。

余談:阪神の関本選手が「ヤクルトとの三連戦を必死のパッチで頑張ります」と答えていた夜のニュースで「必死のパッチ」について字幕で「必死の最上級のこと」と註釈が画面に入っていたのに驚く。「必死のパッチ」って全国で使われている言葉ではないんや!ふーむ、奥が深い(全然深くないか)。必死のパッチで頑張ります。
# by himarayasugi2 | 2011-09-09 08:18 | 雑感 | Comments(0)